【パリ2024への道】バスケットボール、出場資格取得プロセスを解説
オリンピックで最も注目を集める競技のひとつであるバスケットボールは、2022年9月から予選がスタートする。出場する選手の数や注目のスター、出場権獲得までの道のりなどの情報をここで確認しよう。
パリ2024でのバスケットボールは、見ごたえがあると同時に、驚きに満ちた大会になりそうだ。女子はアトランタ1996、男子は**北京2008**以降、金メダルをアメリカ合衆国が独占しているが、他国のレベルも年々目覚ましく向上している。
パリ大会で新たなオリンピックチャンピオンが誕生することになるのだろうか?
そのヒントは、ここから2年の間に開催される国際大会やオリンピック予選で得られるかもしれない。そしてすべては、9月22日に開幕するFIBA女子ワールドカップ2022から始まる。
ここでは、パリ2024に向けたバスケットボール予選大会についての情報を紹介する。
パリ2024:バスケットボールの参加選手数は?
パリ2024オリンピック競技大会のバスケットボール競技には、**合計288名(24チーム)**が出場する。参加人数は女子、男子とも同じで、それぞれ12チーム144名となっている。
開催国であるフランスには、男女それぞれ1つの出場枠が割り当てられている。ただしこの開催国枠は、2023年6月30日に行われる国際バスケットボール連盟(FIBA)中央理事会によって可決されることが条件となる。中央理事会が開催国に出場枠を与えなかった場合、予選を通過して参加するチーム数が増加する。
パリ2024:バスケットボールの出場枠を得るには?
女子と男子で、予選の流れが大きく異なる。
男子
1. パリ2024への出場権を得られる最初の大会は、2023年8月25日から9月10日までフィリピン、日本、インドネシアで開催されるFIBAワールドカップ2023だ。
このワールドカップで7チームが出場権を獲得する。最終的な順位に基づき、下記の枠数が、各大陸のベストチームに配分される。
- アメリカ大陸:2チーム
- ヨーロッパ:2チーム
- アフリカ:1チーム
- アジア:1チーム
- オセアニア:1チーム
2. 残りの4枠は、オリンピック予選で決定する。ここでは、プレ予選トーナメント(FOPQTs)と予選トーナメント(FOQTs)の2段階で予選が行われる。詳細は以下の通り。
FIBAオリンピック・プレ予選トーナメント(FOPQT)
先述のFIBAワールドカップの予選出場国から選抜された40チームが参加する。内訳は、予選で2次ラウンドに進出したチームで、ワールドカップ本戦への出場権を得られなかった28チームと、2次ラウンドに出場できなかったチームの中から上位12チーム。
そして、このプレ予選トーナメントから5チームが予選トーナメントへの出場権を得る。
プレ予選トーナメントへ参戦するチームは、以下のように大陸ごとに出場枠が振り分けられる。
- アフリカから8チーム(1チームが予選トーナメントへの出場権を獲得)
- アメリカ大陸から8チーム(1チームが予選トーナメントへの出場権を獲得)
- アジア(オセアニア含む)8チーム(1チームが予選トーナメントへの出場権を獲得)
- ヨーロッパから16チーム(2チームが予選トーナメントへの出場権を獲得)
FIBAオリンピック・予選トーナメント(FOQT)
予選トーナメントには、全大陸から計24チームが参加する。
6チームずつに分かれて4組のトーナメントが行われ、各トーナメントの優勝チームがオリンピックへの出場権を獲得する。
参加チームは、以下のように分けられる。
- アフリカから1チーム(FIBAワールドカップ2023でオリンピックへの直接出場権を得られなかったチームの中で最高位のチーム)
- アメリカ大陸から1チーム(FIBAワールドカップ2023でオリンピックへの直接出場権を得られなかったチームの中で最高位のチーム)
- アジアから1チーム(FIBAワールドカップ2023でオリンピックへの直接出場権を得られなかったチームの中で最高位のチーム)
- 2023年FIBAワールドカップで直接出場権を得られなかったチームの上から16チーム
- プレ予選トーナメントから、アフリカから1チーム、アメリカ大陸から1チーム、アジアから1チーム、ヨーロッパから2チーム
女子
1. パリ2024への出場権が得られる最初の大会は、2022年9月22日から10月1日までオーストラリアで開催されるFIBA女子ワールドカップ2022(FWBWC)だ。
この大会の優勝チームに、出場枠が1つ与えられる。
2. 残りの11の出場枠は、パリ2024へ向けたオリンピック予選大会を通じて決定する。ここでは、プレ予選トーナメント(FWOPQTs)と予選トーナメント(FWOQTs)の2段階で予選が行われる。詳細は以下の通り。
FIBA女子オリンピック・プレ予選トーナメント(FWOPQTs)
計22チームが参加。アジアとアメリカ大陸では4チームによる2組のトーナメントが、アフリカでは6チームによるトーナメントが開催される。各トーナメントの上位2チームが予選トーナメントへの参加資格を得る。
参加チームは、FIBA女子コンチネンタルカップ2023の結果に従って、以下の通りに選出される。
- アフリカから6チーム
- アメリカ大陸から8チーム
- アジア(オセアニア含む)から8チーム
なお、女子ワールドカップの優勝チームがヨーロッパ以外の国だった場合は、このプレ予選トーナメントに参戦する。
FIBA女子オリンピック・予選トーナメント(FWOQTs)
全大陸/全地域を代表する16チームが予選トーナメントへの出場権を得る。4チームずつの4組のトーナメントが行われる。原則として、各大陸・地域が予選トーナメントのホスト国となる。
各大会の上位3チームがオリンピック競技大会への出場権を獲得する。
予選トーナメントへの参戦チームは、以下のように分けられる。
- アフリカから2チーム(アフリカで開催されたプレ予選トーナメントで参加資格を得たチーム)
- アメリカ大陸から4チーム(アメリカ大陸で開催されたプレ予選トーナメントで参加資格を得たチーム)
- アジアから4チーム(アジアで開催されたプレ予選トーナメントで参加資格を得たアジア・オセアニアのチーム)
- ヨーロッパから6チーム(フランス+前回のFIBA女子ユーロバスケットの上位5チーム)
FIBA中央理事会は、2023年6月1日までにプレ予選トーナメントを実施するかどうかを決定する権利を有する。プレ予選トーナメントが行われない場合、大陸ごとに指定された数のチームが、FIBA女子コンチネンタルカップ2023から直接予選トーナメントへの出場権を獲得する。
なお、オリンピックの開催国とFIBA女子ワールドカップ2022の優勝国は予選トーナメントに参戦する。
パリ2024:バスケットボールの競技日程は?
パリ2024でのバスケットボールは、2024年7月27日〜8月11日の日程で開催される。
現時点では、予選ラウンドはリールのピエール・モーロワスタジアムで、決勝トーナメントはパリのベルシー・アリーナで開催される予定だが、まだ承認や確認事項が必要な状態にある。
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パリ2024に向けて注目したいバスケットボール選手は?
男子
パリ2024で注目を集めるのは、やはりアメリカ合衆国だ。男子チームは、決勝でフランスに勝利し金メダルを掴んだ東京2020を含め、過去4大会で金メダルを獲得している。前回大会では、サンアントニオ・スパーズのレジェンド、グレッグ・ポポビッチに率いられ、**ケビン・デュラント、ザック・ラビーン、ドレイモンド・グリーン、ジェイソン・テイタム**など多くのNBAスター選手を擁して優勝を飾った。
そして現在チームUSAを率いるのは、ゴールデンステート・ウォリアーズのヘッドコーチ、スティーブ・カーだ。彼のチームのスター選手でNBAタイトル4勝を誇る**ステフィン・カリー**がチームUSAに加わる可能性は十分にある。彼は、これまでに獲得したすべてのタイトルをもってしても「まだまだ十分ではない」と貪欲で、「パリ2024ではコーチ・カーの下でプレーしなければならない」と明言している。
東京2020の決勝で、アメリカ合衆国相手に力強いパフォーマンスを見せたフランスも、自国開催の大会で金メダルを狙っている。 **ルディ・ゴベアやエバン・フォーニエ**といったスター選手も出場する予定だ。さらにNBAセンター、ジョエル・エンビードが最近フランス国籍を取得したこともあり、番狂わせを演じる可能性は十分にある。
NBAオールスターに3度出場しているポイントガード、**ルカ・ドンチッチ**擁するスロベニアも優勝候補の一角だ。彼らは東京2020では準決勝に進出した。
女子
アメリカ合衆国が過去7大会で金メダルを独占と、女子の支配力はさらに強力だ。モントリオール1976で女子バスケットボールがオリンピック種目に加わって以来、12回のうち9回でタイトルを獲得している。
東京2020では、WNBAのスター選手、**スー・バードとダイアナ・トーラジが5度目のオリンピック優勝を果たし、レジェンド、テレサ・エドワーズ**を追い抜き、バスケットボール選手として唯一この快挙を達成した選手となった。
バードは2022年のWNBAシーズンをもって引退する予定だが、所属するフェニックス・マーキュリーで、1試合で30得点をあげたアメリカンリーグ初の40歳以上の選手になったトーラジは、パリ大会に出場する可能性がある。NBAの選手では、**マイケル・ジョーダン、ダーク・ノビツキー**のみがこの偉業を成し遂げている。
アメリカ合衆国は8連覇の有力候補だが、ニューヨーク・リバティでプレーするシューティングガードの**マリーヌ・ジョアネスや、若いパワーフォワードのイリアナ・ルペール**が所属するフランスも手強い相手となることだろう。
**エマ・ミースマン**らの活躍で近年成長著しいベルギーもサプライズを起こすかもしれない。彼らは東京2020では準々決勝に進出し、開催国の日本を僅差まで追い詰めた(86-85)。
魅力的なプレースタイルの日本は東京2020で銀メダルを獲得し、フランスでも奮戦が期待される。また、メジャー大会では常に競争力を発揮するオーストラリアにも注目だ。
バスケットボール、パリ2024までの流れ
- 2022年9月22日~10月1日:FIBA女子ワールドカップ2022(オーストラリア)
- 2023年6月:FIBA女子ユーロバスケット2023
- 2023年8月:FIBAオリンピック・プレ予選トーナメント
- 2023年8月25日~9月10日:FIBAワールドカップ2023(フィリピン、日本、インドネシア)
- 2023年11月:FIBA女子オリンピック・プレ予選トーナメント
- 2023年11月30日:国内オリンピック委員会はFIBAに対し、割り当てられた出場枠の使用意思を表明する
- 2024年2月:FIBA女子オリンピック予選トーナメント
- 日程未定:FIBAオリンピック予選トーナメント
- 2024年7月8日:パリ2024エントリー締切
- 2024年7月26日~8月11日:パリ2024オリンピック競技大会
パリ2024への道、記事一覧
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