【パリ2024への道】自転車ロードレース、出場資格取得プロセスを解説

執筆者 Marta Martín | 公開日:2022年9月
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Richard Carapaz celebrating gold medal - qualifier
写真: Getty Images

開催国フランスとオリンピックの歴史に深く関わるスポーツである自転車ロードレースには、合計180人のサイクリストが出場する。注目選手や出場権獲得までの道のりなどを紹介しよう。

自転車競技は、1896年にアテネで開催された最初の近代オリンピック以来、オリンピックプログラムに組み込まれ、開催国フランスでも歴史のあるスポーツだ。

自転車競技といえば、ツール・ド・フランスが真っ先に思い浮かぶかもしれないが、パリ2024オリンピックでの自転車ロードレースでは、女子および男子タイムトライアル、女子および男子ロードレースの4種目が実施される。

次のオリンピックに向け、自転車ロードレースの出場権獲得までの道のりを紹介したい。

パリ2024:自転車ロードレースの参加選手数は?

合計180人(男女各90人)の選手が、パリ2024のために設定された自転車ロードレースのコースを走る。開催国であるフランスには、出場枠が男女2枠ずつ(計4枠)割り当てられる。

各地の国内オリンピック委員会は、最大8人(男女各4人)を派遣することが可能だが、各種目には特定の制限がある。

  • ロードレース男女それぞれ最大4人
  • 個人タイムトライアル男女それぞれ最大2人

他の自転車種目と同様に、他競技にエントリーしている選手は、国内オリンピック委員会が当該種目で出場枠を獲得していること、国内オリンピック委員会および種目ごとの参加制限を超えないこと、選手の資格要件を満たしていることを条件に自転車ロードレースに出場する権利を有する。参加資格要件はこちらから。

すべての出場枠は、個々の選手ではなく、国内オリンピック委員会に割り当てられる。

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パリ2024:自転車ロードレースの出場枠を得るには?

ロードレースとタイムトライアルの予選プロセスは、大きく異なる。両方を紹介しよう。

男女ロードレース(出場枠は男女それぞれ最大88枠)

ロードレース競技への出場権を獲得するためには、3つの方法がある。国際自転車競技連合(UCI)ロード国別世界ランキング、2023年UCI自転車競技世界選手権エリートロードレース、2023年大陸選手権(ヨーロッパ、オセアニアを除く)。

UCIロード国別世界ランキング(男女各80枠)

2023年10月17日付のUCIロード国別世界ランキングに応じて、男女それぞれで以下の通り出場枠が割り当てられる。このランキングは、過去52週間のUCI国際ロードカレンダーにおけるエリートおよびU-23イベントの結果に基づいて決定される。

  • 1位〜5位の国内オリンピック委員会:それぞれ最大4枠(合計20枠)
  • 6位〜10位の国内オリンピック委員会:それぞれ最大3枠(合計15枠)
  • 11位〜20位の国内オリンピック委員会:それぞれ最大2枠(合計20枠)
  • 21位〜45位の国内オリンピック委員会:それぞれ最大1枠(合計25枠)

ヨーロッパとオセアニアについては、大陸ごとの最低割り当て数を考慮する必要がある。これらの大陸が出場権を1つも得られなかった場合、2023年10月付のUCIロード国別世界ランキングで割り当てられる最後の出場枠がその大陸の最高ランクの国内オリンピック委員会に与えられる。

UCIロード国別世界ランキングの最新版はこちら

2023年UCI自転車競技世界選手権エリートロードレース(男女各2枠)

UCIロード国別世界ランキングを通じて出場権を獲得していない国内オリンピック委員会のうち、2023年UCI自転車競技世界選手権ロードレースの上位2つの国内オリンピック委員会が男女それぞれ1枠を獲得する。

2023年大陸選手権 - ヨーロッパ・オセアニア以外(男女各6枠)

UCIロード国別世界ランキングまたは2023年UCI自転車競技世界選手権を通じて出場枠を獲得できなかった国内オリンピック委員会は、2023年大陸選手権エリートロードレースを通じて出場枠を獲得できる。以下の通り男女それぞれで割り当てられる。

  • アフリカ大陸:上位2つの国内オリンピック委員会がそれぞれ1枠
  • アメリカ大陸:上位2つの国内オリンピック委員会がそれぞれ1枠
  • アジア大陸:上位2つの国内オリンピック委員会がそれぞれ1枠

男女個人タイムトライアル(男女それぞれ35枠)

個人タイムトライアルの国内オリンピック委員会あたりの出場枠は、性別ごとに最大2枠。

パリ大会の個人タイムトライアルの出場権を獲得するには、2つの方法がある。UCIロード国別世界ランキングと2023年UCI自転車競技世界選手権エリート個人タイムトライアル。

UCIロード国別世界ランキング(男女各25枠)

2023年10月(正確な日付は未定)のUCIロード国別世界ランキングで1位から25位の国内オリンピック委員会が大陸ごとの最小配分(下記参照)を尊重し、最大1枠の出場枠を獲得できる。

2023年UCIロード世界選手権エリート個人タイムトライアル(男女各10枠)

2023年UCI自転車競技世界選手権のエリート個人タイムトライアルで10位までの国内オリンピック委員会が最大1つの出場枠を獲得する。

考慮すべき事項として、大陸ごとの最低割り当て数がある。ある大陸に、国別世界ランキングまたは世界選手権エリート個人タイムトライアルを通じて出場権を得た国内オリンピック委員会が2つ以上ない場合、国別世界ランキングでその大陸の最上位にあり、まだ出場権を獲得していない国内オリンピック委員会に、当該性別の出場枠を最大1つ割り当てる。

確認プロセスに関する注意事項

予選の後、出場枠の確認と未使用の出場枠の再割り当てのプロセスがあり、この過程は、ここに掲載されている特定の基準に従って行われる(パラグラフEとF)。

パリ2024:自転車ロードレースのフォーマットと日程

タイムトライアル、ロードレースともに、フォーマットは東京2020と同じ。

ロードレースでは、選手は同時にレースを開始し、最初にゴールした選手が優勝となる。タイムトライアルは、時差スタートでスタートし、全員がゴールした後に最も速い選手がチャンピオンとなる。

最初にメダルが確定するのは、2024年7月27日に行われる女子と男子の個人タイムトライアル。ロードレースは、8月3日と4日の週末に開催される。

サーキットの正確な詳細は発表されていないが、自転車ロードレースの会場は、イエナ橋とアンヴァリッド。

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パリ2024に向けて注目のロードサイクリスト

自転車ロードレースのオリンピック王者になるには、サーキットや天候など多くの要素が有利に働く必要がある。

エクアドルのリチャル・カラパスは、彼が得意とするタフな山岳コースで東京2020の金メダルを獲得した。彼は南米の自転車競技の顔であるが、1月の事故から復帰したコロンビアのエガン・ベルナルなど、他のサイクリストも有力候補として挙げられる。

パリオリンピックに向けては、新たなスター選手やベテランが金メダルを目指しており、ヨーロッパからも才能ある選手が多く出場すると見られている。

スロベニアのタデイ・ポガチャルは、2020年と2021年のツール・ド・フランスで優勝し、2022年は2位、すでにフランスの地でその実力を発揮している。また、東京2020では銅メダルを獲得しており、オリンピックでも結果を残している。ブエルタ・ア・エスパーニャで3度優勝している同胞のプリモシュ・ログリッチは、ロードレースとタイムトライアルの両方で優勝候補のひとり。東京2020ではタイムトライアルで金メダルを獲得した。

2022年のツール・ド・フランスでイエロージャージを着用したデンマークのヨナス・ヴィンゲゴー、今年のブエルタ・ア・エスパーニャを制したベルギーのレムコ・エヴェネプールや、東京2020の銀メダリストであるワウト・ファン・アールトらも気になる存在だ。

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女子では、東京2020のタイムトライアルで金メダル、ロードレースで銀メダルを獲得したアネミック・ファン・フルーテンの(オランダ)活躍が近年目立っていたが、2023年のシーズン終了後に引退することを発表している。

彼女の同胞で、2022年のツール・ド・フランス・フェムで準優勝したデミ・フォレリング(優勝はファン・フルーテン)、ロレーナ・ヴィーベス、そしてロンドン2012の金メダリストであるマリアンヌ・フォスは、パリ2024の出場権を獲得すれば表彰台候補として注目される。

2021年の世界選手権で23歳という若さで金メダルを獲得したイタリアのエリザ・バルサモ、2022年にクラシックレースのラ・フレッシュ・ワロンヌで優勝した同胞のマルタ・カバリ、東京2020とリオ2016で銅メダルを獲得したエリーザ・ロンゴも注目の選手。

彼女たちが警戒するのは、オリンピック2連覇を目指すオーストリアのアナ・キーゼンホファーだろう。彼女はタイムトライアルを得意としているが、東京2020の女子ロードレースでは、有力選手を含むメイン集団が混沌とする中、人知れず抜け出し、優勝してフィールドを驚かせた。

自転車ロードレース、パリ2024までの流れ

  • 2022年10月19日~2023年10月17日:予選期間
  • 2023年3月8日〜13日:2023年アフリカ大陸選手権
  • 2023年4月****18日〜23日:2023年アメリカ大陸選手権
  • 2023年6月7日〜13日:2023年アジア大陸選手権
  • 2023年8月3日~13日:2023年UCI自転車競技世界選手権、グラスゴー、スコットランド
  • 2023年10月17日:UCI世界ランキング発表
  • 2023年11月15日:UCIが国内オリンピック委員会に対し、獲得した出場枠を通知する
  • 2023年12月15日:国内オリンピック委員会が獲得した出場枠の使用意思をUCIに表明する
  • 2024年1月1日~2024年6月30日:UCIは未使用の出場枠をすべて再配分する
  • 2024年7月8日:パリ2024競技エントリー締切
  • 2024年7月26日〜8月11日:パリ2024オリンピック

パリ2024への道、記事一覧

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