【パリ2024への道】飛込、出場資格取得プロセスを解説
パリ2024では、飛込競技が再び実施され、男女合わせて8組のメダルをかけて争われる。中華人民共和国が圧倒的な力を誇るなか、合計136人のダイバーがフランスの首都で競い合う。選手数、注目すべきスター選手、そしてオリンピック予選大会などを紹介する。
飛込は、セントルイス1904でオリンピックデビューし、それ以降の全大会で実施されている。
シドニー2000でシンクロナイズドダイビング種目が追加された後は、常に8種目で金メダルをかけて争われるようになり、パリ2024も同様の形で行われる。
中華人民共和国の選手は、ロサンゼルス1984以来、このスポーツで圧倒的な強さを誇っている。過去10大会では、64個の金メダルのうち47個を同国のダイバーが獲得している。
パリ大会でも、再び中国のダイバーが脅威となるだろう。しかしその前に、世界中のアスリートはオリンピック出場権を手に入れなければならない。
出場資格取得プロセスを見てみよう。
パリ2024:飛込の参加選手数は?
パリ大会では、最大136人(男女各68人)の選手が飛込に出場する。これは、東京2020と全く同じ人数だ。
開催国であるフランスには合計8枠が約束され、男女それぞれ最大4人、シンクロナイズドダイビング種目の各1チーム(2選手)となっている。
各国内オリンピック委員会に割り当てられる枠は最大16人(男女各8人)で、種目ごとの最大数は、個人種目が2人、シンクロナイズドダイビング種目が1チーム(2人)となっている。
すべての出場枠は国内オリンピック委員会に割り当てられる。
1人の選手がシンクロナイズドダイビングおよび、同じ高さの個人種目にエントリーする場合、出場枠は1つとカウントされる。
パリ2024:飛込の出場枠を得るには?
個人種目:飛板飛込と高飛込
個人競技者は、以下の大会を通じて所属する国内オリンピック委員会・国内競技連盟のために、個人種目ごとに1つだけ出場枠を獲得することができる。
フェーズ1:第20回世界選手権2023福岡大会 - オリンピック競技大会予選 - 各種目12選手
各種目の最高位12人は、所属する国内オリンピック委員会の出場枠を1つ確保する。
フェーズ2:大陸選手権 - 各種目5選手
各大陸選手権の個人競技4種目それぞれの優勝者が出場枠を獲得する。個人競技者は、個人種目ごとに1つだけ出場枠を獲得することができる。
フェーズ3:第21回世界選手権2024ドーハ大会 - オリンピック競技大会予選
各個人種目の最高位12選手は、国内オリンピック委員会につき出場枠を1つ獲得する。このプロセスで国内オリンピック委員会が獲得できる出場枠は、最大2つ。オリンピック予選を通過した選手の総数は、設定された最大出場枠の合計である136人を超えてはならない。
それぞれの種目の出場枠が埋まり、かつ合計136人を超えない限り、追加の出場枠が割り当てられることもある。この追加枠は、第21回世界選手権大会2024ドーハ大会で13位以降の選手に対して、国内オリンピック委員会ごとの最大出場枠を尊重した上で、最大出場者数に達するまで割り当てられる。
チーム種目:シンクロナイズドダイビング(飛板飛込および高飛込)
シンクロナイズドダイビング(チーム種目)は、開催国のチームを含め、各種目8チームが出場権を得ることができ、以下の大会を通じて出場権を手にできる。
フェーズ1:第20回世界選手権2023福岡大会 - オリンピック競技大会予選 - 各種目3チーム
上位3チーム(開催国を除く)が自国の国内オリンピック委員会のために出場枠を獲得する。
フェーズ3:第21回世界選手権2024ドーハ大会 - オリンピック競技大会予選 - 各種目4チーム
出場枠を獲得していない最高位4チームが自国の国内オリンピック委員会のために出場枠を獲得する。
開催国 - 1種目につき1チーム
パリ2024:飛込の競技日程は?
パリ2024オリンピックの飛込競技は、3mの高さの飛板から飛び込む「飛板飛込」と、10mの高さの台からの「高飛込」があり、それぞれ個人および2人チームで行うシンクロナイズドダイビングが実施される。
女子
- 3m飛板飛込
- 10m高飛込
- シンクロナイズドダイビング3m飛板飛込
- シンクロナイズドダイビング10m高飛込
男子
- 3m飛板飛込
- 10m高飛込
- シンクロナイズドダイビング3m飛板飛込
- シンクロナイズドダイビング10m高飛込
パリ大会の飛込競技は、7月27日から8月10日にかけて、アクアティクス・センターで開催される。
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パリ2024に向けて注目したいダイバーは?
この数十年間、中国のダイバーが力の差を見せつけており、パリ2024でも同様の状況が予想される。
東京2020では、当時20歳の**ワン・ゾンユエン(王宗源)が男子シンクロナイズドダイビング3m飛板飛込で金メダル、個人種目の3m飛板飛込で銀メダルを獲得。ブダペストで行われた2022年の世界選手権では、ダイバーとして初めて1大会で3つの金メダルを獲得した。パリ2024に向けては、飛板飛込(個人とシンクロナイズドダイビング)で複数のオリンピックメダルを獲得しているツァオ・ユエン(曹縁)**とともに出場する可能性が高い。
女子の飛板飛込では、中国はソウル1988以来、すべての大会で金メダルを獲得。シンクロナイズドダイビング3m飛板飛込ではアテネ2004以降、同じ記録を保持している。
東京2020金メダリストの**シー・ティンマオ(施廷懋)とワン・ハン(王涵)が引退した後、パリ2024ではチェン・イウェン(陳藝文)とチャン・ヤニ(昌雅妮)**が中国のバトンをつなぐ。チェンとチャンは、2022年世界選手権のシンクロナイズドダイビング種目で金メダルを獲得し、個人種目でも金と銅メダルを獲得した。
高飛込では、オリンピック個人種目王者の**チュエン・ホンチャン(全紅嬋)と、シンクロナイズドダイビング種目で金メダル、個人種目でも銀メダルを獲得したチェン・ユーシー(陳芋汐)に注目。そして、パリ2024の中国代表チームの座をめぐって、この2人に常に挑んでいるジャン・ジャチー(張家齊)**からも目が離せない。
東京2020で中国が唯一逃した金メダルは10m高飛込で、英国のトム・デイリーとマティ・リーのペアが獲得。4度目のオリンピック出場となった東京2020で、金と銅を手にしたデイリーは、現在1年間の休養を取っているが、パリには戻ってくると予想されている。
注目の若手は、ブダペスト大会で世界選手権デビューを果たし、銀メダルを手にした15歳の玉井陸斗と、ウクライナ出身で2005年生まれのオレクシー・セレダ。ふたりはオリンピックデビューとなった東京大会でともに決勝に進出し、年齢以上の成熟を見せ、玉井が7位入賞、セレダが6位入賞を果たした。
飛込、パリ2024までの流れ
- 2023年7月:オリンピック競技大会予選(フェーズ1) - 第20回世界選手権2023福岡大会
- 2023年10月、11月:パンアメリカ競技大会(アメリカ大陸)チリ・サンティアゴ
- 日時未定:欧州飛込選手権
- 日時未定:アジアダイビングカップ
- 日時未定;オセアニアダイビング選手権
- 日時未定:アフリカダイビング予選
- 2024年2月:オリンピック競技大会予選(フェーズ3) - 第21回世界選手権大会2024ドーハ大会
- オリンピック予選フェーズ3の2週間後:国際水泳連盟が国内オリンピック委員会に割り当てられた出場枠を通知する
- 前段階の2週間後:国内オリンピック委員会は割り当てられた出場枠の使用意思を国際水泳連盟に表明する
- 2024年6月:国際水泳連盟が未使用の出場枠をすべて再配分する
- 2024年6月:国内オリンピック委員会は、割り当てられた出場枠の使用意思、および全選手の氏名を国際水泳連盟に連絡する
- 日時未定:パリ2024競技エントリー締切日
- 日時未定:チームリーダー会議
- 2024年7月8日:パリ2024競技エントリー締切
- 2024年7月26日~8月11日:パリ2024オリンピック競技大会
パリ2024への道、記事一覧
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