【パリ2024への道】新体操、出場資格取得プロセスを解説
新体操は、アーティスティックスイミングと並んで、女子選手のみが参加するオリンピック2競技のうちの1つだ。予選大会から団体種目で使用する手具の変更まで、パリ2024への出場権獲得に関する情報をここで確認しよう。
新体操は、芸術とスポーツを融合させた、美しさが際立つ競技だ。
新体操選手は、自分たちが選んだ音楽に合わせて、フープ、ボール、クラブ、リボンの4つの手具を使ってフロアの上でアクロバティックな動きを披露する。
個人種目はロサンゼルス1984、団体種目はアトランタ1996でオリンピックに初登場し、**パリ2024**では両方とも実施される。
新体操の出場権はどのように獲得できるのか、関連情報をここでチェックしよう。
パリ2024:新体操の参加選手数は?
パリ2024では、個人24名、団体14組(1組5名)、合計94名の新体操選手が出場する。個人種目では、26名が出場した**東京2020**よりも2名少ない。
ホスト国のフランスには団体1組(5名)を含む6つの出場枠が割り当てられ、三者委員会が決定するユニバーサリティ枠として1枠が用意されている。
残りの87の出場枠は、各大会を通じて割り当てられ、1つの国内オリンピック委員会(NOC)あたり最大7枠(個人2名、団体1組5名)を得ることができる。
新体操競技には、個人総合と団体総合の2種目がある。2008年12月31日以前に生まれた選手(パリ2024のときに15歳以上)であることが出場条件のひとつとなっている。
パリ2024:新体操の出場枠を得るには?
個人総合では、5つの選考基準により24の出場枠が配分される。この数には、ホスト国枠1つとユニバーサリティ枠1つが含まれる。
団体総合では、ホスト国のフランスを含む14の国内オリンピック委員会(1つの委員会につき最大1組)に、次の4つの選考基準により合計70の出場枠が配分される。団体種目にはユニバーサリティ枠は設けられていない。
選考基準1:2022年世界選手権(ブルガリア・ソフィア、2022年9月14日~18日)
個人種目:3名
1つの国内オリンピック委員会につき最大3名のアスリートが参加できる2022年世界選手権では、個人総合の結果で上位3選手が所属する国内オリンピック委員会が出場枠を1枠ずつ得ることができる。
団体種目:3組(15名)
団体総合(予選)の結果で上位3位までの国内オリンピック委員会が、それぞれ1枠ずつパリ2024の出場権を獲得する。
選考基準2:2023年世界選手権(2023年8月)
個人種目:14名
1つの国内オリンピック委員会につき最大3名のアスリートを派遣できる2023年世界選手権では、個人総合(予選)の上位14名(国内オリンピック委員会あたり最大2名)が、国内オリンピック委員会の枠をそれぞれ確保する。
もしすでに国内オリンピック委員会が選考基準1で2つの出場枠を確保している場合は、追加の出場枠は割り当てられない。選考基準1で出場枠を1つ獲得している国内オリンピック委員会は、ここで2つ目の枠を獲得することができる。
団体種目:5組(25名)
2023年世界選手権には最大で30組が参加でき、2022年世界選手権の団体総合(予選)の結果で上位24の国内オリンピック委員会(選考基準1ですでに出場資格を得た3つの国内オリンピック委員会を含む)の選手が出場できる。
もし、上位24以内にすべての大陸が含まれていない場合、その大陸でもっとも高いランキングにつけている国がこの大会に出場できる。また、ホスト国がこの大会への出場資格を得ていない場合にも、出場資格が与えられる。
この大会の団体種目の結果、上位5つの国内オリンピック委員会にパリ2024の出場枠が割り当てられる。ただし、選考基準1でまだ出場権を獲得していない国内オリンピック委員会に限る。
選考基準3:2024年大陸選手権、または国際体操連盟(FIG)が承認した他の大陸予選大会
個人種目:5名
国内オリンピック委員会あたり最大4名のアスリートを派遣できる。
各大陸選手権(またはFIGが承認した他の大陸予選)の個人総合の成績で首位の選手が出場枠を獲得する。
選考基準1または2のいずれでも出場枠を獲得していない国内オリンピック委員会からの選手に限る。
大陸選手権(またはFIGが承認した他の大陸予選大会)が2024年4月から5月(またはFIGが承認した他の日付)の間に開催されなかった場合、それぞれの大陸の出場枠は失われ、2023年世界選手権の個人総合(予選)の上位の選手のうち選考基準1または2でまだ資格を持たない国内オリンピック委員会の選手に割り当てられる。
団体種目:5組(25名)
各大陸のすべての国内オリンピック委員会がそれぞれ最大1組を派遣できる。
それぞれの大陸選手権(またはFIGが承認した他の大陸予選大会)の団体総合(予選)で首位の国内オリンピック委員会のうち、選考基準1または2でまだ出場枠を取得していない場合、団体出場枠を1つ獲得する。
それぞれの大陸選手権(またはFIGが承認した他の大陸予選大会)の団体戦の結果、資格を満たす団体がない場合は、2023年世界選手権の団体戦の結果から選考基準1または2でまだ出場枠を獲得していない国内オリンピック委員会にパリ2024の出場枠が割り当てられる。
選考基準4:ホスト国枠
個人種目:1名
ホスト国フランスの選手が選考基準1、2、3のいずれによっても出場権を得ていない場合、2023年世界選手権の個人ランキングの結果で最も高い順位のフランス人選手が出場枠を獲得する。
団体種目:1組(5名)
選考基準1、2、3でまだ出場枠を獲得していない場合、ホスト国であるフランスは、2022年世界選手権の団体種目に出場していることを条件に、団体出場枠を1つ保証される。
選考基準5:ユニバーサリティ枠
個人種目:1名
国際オリンピック委員会(IOC)の三者委員会によりユニバーサリティ枠が1つ決定される。2023年世界選手権に出場していることが条件となる。
パリ2024:新体操の競技フォーマットと日程は?
パリ2024では、個人総合と団体総合の2つの種目でメダルが授与される。
パリ2024での個人総合では、東京2020と同様、フープ、ボール、クラブ、リボンの4種で選手らが演技を披露する。一方、団体総合は1組5人で構成され、フープ、リボン&ボールの2種が行われる。これは、ボール、フープ&クラブの2種だった東京2020から変更されている。
個人、団体ともに、予選が実施されたのち決勝が行われる。日程は2024年8月8日〜10日で、ポルト・ド・ラ・シャペル・アリーナがその舞台となる。
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パリ2024に向けて注目したい、新体操の選手は?
新体操の国際大会では、東欧諸国が圧倒的な強さを誇っている。しかし、オリンピックで1つ以上の金メダルを持ち帰った国内オリンピック委員会はない。唯一の例外がロシア。北京2008とロンドン2012のチャンピオン、**エフゲニア・カナエワやリオ2016を制したマルガリータ・マムン**などのスター選手に率いられ、1984年にこの競技がオリンピックプログラムに組み込まれて以来、ロシア選手は17個のうち10個の金メダルを手にしている。
東京2020では、イスラエルの**リノイ・アシュラム**が個人総合で表彰台の頂点に立ち、世界を驚かせるとともに、同国女子選手初のオリンピック金メダリストとなった。しかし23歳の彼女は2022年4月に競技からの引退を表明したため、残念ながらパリで再びその演技を見ることはできない。
今年のワールドカップ・アテネ大会で優勝したイタリアの新星ソフィア・ラファエリは、ワールドカップでイタリア人として初優勝を果たし、パリ2024で同国にとっての歴史的な金メダル獲得に多く期待が寄せられている。18歳の彼女は現在、世界ランキングで首位に立つ。
団体戦では、東京2020で金メダルを獲得したブルガリアが世界ランキングをリードし、後に続くフランスが母国開催のパリ2024で初の表彰台を目指す。
新体操、パリ2024までの流れ
- 2022年9月14日~18日:世界選手権、ブルガリア・ソフィア
- 2023年(8月):世界選手権
- 2024年4月~5月(またはFIGが承認した別の日):大陸選手権(またはFIGが承認した他の大陸予選大会)
- 2024年6月:各大陸選手権大会の直後に、FIGは国内オリンピック委員会/国内競技連盟に割り当てられた出場枠を通知する
- FIGからの通知の2週間:国内オリンピック委員会は、割り当てられた出場枠の使用意思をFIGに表明する
- 未定:ユニバーサリティ枠の申請締切日
- 予選期間終了に関連して:国内オリンピック委員会にユニバーサリティ枠の割り当てを書面で通知する
- 未定:FIGは未使用の出場枠をすべて再配分する
- 2024年7月8日:パリ2024エントリー締切
- 2024年7月26日~8月11日:パリ2024オリンピック競技大会
パリ2024への道、記事一覧
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