【パリ2024への道】スケートボード、出場資格取得プロセスを解説

パリ 2024

東京2020でオリンピックデビューを果たしたスケートボードが、再びパリ2024で実施される。2度目となるスケートボード競技に出場するアスリートの数や注目選手、出場権獲得までの道のりなどを確認しよう。 

1 執筆者 Guillaume Depasse|作成日:2022年6月
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(2021 Getty Images)

東京2020でオリンピックデビューしたスケートボード競技について描写するなら、「成功」という言葉がぴったりだ。

戦いの一方で友情や連帯感を象徴するシーンが随所に見られた東京でのこの都市型スポーツを、世界中の多くの人が記憶していることだろう。

東京大会では、日本人選手が金メダル3個を含む5個のメダルを、そしてブラジル人選手が銀メダル3個を手にした。東京2020では若手の才能が発揮され、競技レベルはその後も向上し続けている。次のオリンピックでのスケートボードも素晴らしいイベントになることは間違いない。

パリ2024では、東京大会同様に男女それぞれでパーク種目とストリート種目が予定されている。出場権はどのように獲得できるのか、必要な情報をここでチェックしよう。

パリ2024:スケートボードの参加選手数は?

パリ2024のスケートボード競技には、男女ストリート、そして男女パークの**各種目に22名ずつ(計88選手)**が出場する。これは、東京大会よりも8名多い

ホスト国であるフランスには、各種目で男女各1名ずつの計4枠が与えられ、国際オリンピック委員会(IOC)の三者委員会で決定されるユニバーサリティ枠にも同数が確保されている。

残りの80枠は、本大会までに行われる競技会の結果に基づいて割り当てられ、1つの国内オリンピック委員会(NOC)あたりの上限は、最大12枠(各競技で男女各3枠)となっている。

パリ2024:スケートボードの出場枠を得るには?

ホスト国枠とユニバーサリティ枠を除いたパリ2024の出場枠は80(1種目につき20選手)。以下の手順で大会行きの切符を手に入れることができる。

まず、選手は2024年6月24日の時点で、オリンピック世界スケートボードランキング(OWSR)に名前を連ねている必要がある。

複数の大会がポイント獲得の対象になり、ランクが高い順に、次の5つの大会でポイントが付与される。

東京2020の予選方法とは異なり、大陸選手権は3Starイベントとしてランク付けされ、国内選手権の結果は予選には含まれないことになった。

新たに設けられたオリンピック予選大会シリーズは2024年3月から6月にかけて3大会が実施される予定で、これがポイント獲得の最後のチャンスとなる。

オリンピック世界スケートボードランキングは、以下の3つのシーズンに分けられる。

  • 2022年6月22日〜12月31日
  • 2023年1月1日〜12月31日
  • 2024年1月1日〜6月23日

他の競技とは異なり、出場権は2024年6月24日時点のオリンピック世界スケートボードランキングに従って選手に与えられる。

オリンピック・ムーブメントに参加するの5つの大陸は、それぞれ1種目につき1人の選手枠を保証されている。もし、その大陸から選手が自動的に出場枠を獲得できなかった場合は、その大陸の代表選手の中からオリンピック世界スケートボードランキングで最も高い順位の選手(該当者がいる場合)に割り当てられる。

2022年中に行われる予選大会

  • 6月26日~7月3日:ストリートスケートボード選手権(プロツアー)、ローマ(イタリア)
  • 10月2日~10月9日:スケートボード・パーク世界選手権2022、リオデジャネイロ(ブラジル)
  • 10月9日~10月16日:スケートボード・ストリート世界選手権2022、リオデジャネイロ(ブラジル)

パリ2024:スケートボードの競技フォーマットと日程は?

パリ2024でのスケートボード競技は、ストリートが7月27日と28日パークが8月6日と7日の計4日間、コンコルド広場で開催される予定。

ワールドスケートは、パリ2024でのストリート競技と、すべての予選イベントの競技フォーマットを以下のように発表した。

各大会では、予選と決勝の2段階で行われ、予選の上位8名が決勝に進出する。

予選・決勝ともに選手は45秒間の滑走を2回行い、0点から100点の間で採点され、高い方の点数のみがカウントされる。その後トリックを5本行い、これも0点から100点の間で採点され、そのうち高い点数2つを合算したものが得点となる。これらを合計して最終スコアが決まる。

新たに設けられた重要なルールは、トリックにおける得点拒否の処置だ。スケートボーダーは、そのあとの試技でさらに得点が伸ばせると判断した場合、ペナルティを課されることなく、トリックの採点を破棄する権利を持てるようになった。拒否された試技は0点としてカウントされる。

パリ2024でのパークの競技フォーマットはまだ発表されていない。

パリ2024に向けて注目したい、スケートボード選手は?

パーク

女子パーク種目で初代オリンピックチャンピオンになったのは、日本の**四十住さくら。東京2020に出場した当時まだ19歳だった彼女は、パリ2024でも間違いなく注目の選手だ。また、銀メダルの開心那も東京大会ではわずか12歳だった。英国の若きスター、スカイ・ブラウンは、最初の2本で転倒したが、13歳にして銅メダルを獲得した。パリ大会までに金メダルを狙う存在に成長することだろう。フランスのマドレーヌ・ラルシェロン**も、成長が楽しみな若いスターだ。東京大会で15歳だった彼女は、母国開催のパリ大会で表彰台を目指す。

男子では、1本目に94.04点を出したオーストラリアのキーガン・パーマーが金メダルを獲得した。最終滑走では95.83点とさらに得点をのばし、銀メダルを獲得したブラジルの**ペドロ・バロスの86.14点を上回った。2人は、アメリカ合衆国の銅メダリスト、コーリー・ジュノーと彼の同胞ザイオン・ライト**とともに、パリ大会でも優勝候補の一角を占めることになりそうだ。

スケートボード競技において圧倒的な強さを見せつけた日本勢だったが、男子パーク決勝に出場した日本選手はいなかった。決勝進出を逃した**平野歩夢**は、北京2022のスノーボード・ハーフパイプで金メダルを獲得。23歳の平野は、パリ2024に出場するかどうかは未定で、「ふといきなりやる気になったらやるかもしれないです」とOlympics.comに語っている。

ストリート

女子ストリートでは、大会時点で13歳だったブラジルのスター、**ライッサ・レアウを僅差で破って、同じく13歳の西矢椛が金メダルを手にした。レアウは、チュチュを着てヒールフリップをする動画をスケートボードのレジェンド、トニー・ホークがシェアしたことで話題になり、その才能を世界に知らしめた。次のオリンピックでは金メダルを目指すことだろう。次回大会までに31歳になる同胞のレティシア・ブフォーニ**も出場する可能性がある。

男子では、日本の**堀米雄斗がほぼアンタッチャブルな状態で金メダルを獲得したが、世界選手権で6度優勝しているナイジャ・ヒューストン(米国)も表彰台を逃すほどの激戦だった。現在、世界最高峰と目されているこの2人のスケートボーダーは、東京大会で銀メダルだったブラジルのケウビン・ホフラー、銅メダルのジャガー・イートン(米国)と共に、パリ大会にも間違いなく参戦することだろう。また、東京大会で4位だったバンサン・ミルと同6位のオーレリアン・ジロー**のフランス人選手2人は、メダルの有力候補として、母国での活躍を目指すことになる。

スケートボード、パリ2024までの流れ

  • 2022年6月22日~2024年6月23日:オリンピック世界スケートボードランキングのポイント取得期間
  • 2022年6月26日~7月3日:ストリートスケートボード選手権(プロツアー/ローマ、イタリア)
  • 2022年10月2日~10月9日:スケートボード・パーク世界選手権2022 ( リオデジャネイロ、ブラジル)
  • 2022年10月9日~10月16日:スケートボード・ストリート世界選手権2022 (リオデジャネイロ、ブラジル)
  • 2024年3月〜6月(日程未定):オリンピック予選大会シリーズ
  • 2024年6月24日:オリンピック世界スケートボードランキング発表。ワールドスケートは国内オリンピック委員会/国内競技連盟に割り当てられた出場枠を通知
  • 2024年6月29日:国内オリンピック委員会は割り当てられた出場枠の使用意思をワールドスケートに表明
  • 2024年6月30日:ワールドスケートは未使用の出場枠を再分配
  • 2024年7月7日:ワールドスケートは未使用の出場枠の再分配を完了
  • 日程未定:三者委員会は、国内オリンピック委員会(該当する場合)へのユニバーサリティ枠の割り当てを文書で通知
  • 2024年7月8日:パリ2024エントリー締切
  • 2024年7月26日~8月11日:パリ2024オリンピック競技大会

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