【パリ2024への道】トライアスロン、出場資格取得プロセスを解説

執筆者 Sean McAlister
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Flora Duffy 
写真: 2021 Getty Images

男子、女子、混合リレーが実施されるパリ2024オリンピックのトライアスロン競技。出場選手数や注目の選手、出場権獲得までのプロセスなどをチェック!

東京2020で新たに混合リレーが加わり、大成功を収めたオリンピックのトライアスロン競技。

オリンピック2連覇中だった英国の**アリスター・ブラウンリーの欠場により、誰が新チャンピオンの座に就くのかに注目が集まった東京大会の男子種目では、ノルウェーのクリスティアン・ブルンメンフェルトがお台場海浜公園で優勝して金メダルを獲得。女子では、フローラ・ダフィー**がバミューダ諸島出身の選手として初めて金メダルを手にし、歴史に名を刻んだ。一方、混合リレーでは英国が初代オリンピックチャンピオンに。

パリ2024でも数々のドラマが期待されるトライアスロン。そのパリオリンピックに向けて、選手たちがたどる出場権獲得までの道のりを紹介したい。

パリ2024:トライアスロンの参加選手数は?

パリ2024では、合計110人のアスリートがトライアスロンに出場する。ホスト国であるフランスには男子2、女子2の計4枠が割り当てられ、三者委員会が決定するユニバーサリティ枠として男女各2枠が用意されている。

残りの102枠はオリンピックまでの各大会での成績に応じて割り当てられ、国内オリンピック委員会あたり最大6枠(男子3、女子3)を得ることができる。

パリ2024:トライアスロンの出場枠を得るには?

ホスト国枠とユニバーサリティ枠を除いた出場枠は102枠。以下の大会がパリ2024への切符を手に入れるチャンスとなる。

■ 2022年世界トライアスロン混合リレー選手権(カナダ、モントリオール)2022年6月26日

カナダ・モントリオールで2022年に開催される世界トライアスロン混合リレー選手権で最上位の成績を残した国内オリンピック委員会(NOC)に男女各2枠が割り当てられる。NOCが既に出場権を獲得している場合は、次に順位の高いNOCに割り当てられる。割り当てられたNOCにふさわしい男女2選手がいない場合は、出場権は同大会で次に順位の高いNOCに割り当てられる。

■ 2023年世界トライアスロン混合リレー選手権(ドイツ・ハンブルグ)日程未定

ドイツ・ハンブルグで2023年に開催される世界トライアスロン混合リレー選手権で最上位の成績を残したNOCに男女各2枠が割り当てられる。NOCが既に出場権を獲得している場合は、次に順位の高いNOCに割り当てられる。割り当てられたNOCにふさわしい男女2選手がいない場合は、出場権は同大会で次に順位の高いNOCに割り当てられる。

■ 世界トライアスロン混合リレー・オリンピック予選ランキング

混合リレーのオリンピック予選ランキングで上位6位のNOCに、男女各2枠が割り当てられる。NOCが既に出場権を獲得している場合は、次に順位の高いNOCに割り当てられる。割り当てられたNOCにふさわしい男女2選手がいない場合は、出場権は次にランキングの高いNOCに割り当てられる。もしふさわしい男女2選手を有するNOCがない場合、出場枠は世界トライアスロン個人・オリンピックランキングに割り当てられる。

■ 2024年世界トライアスロン混合リレーオリンピック予選会(場所未定)2024年4月15日~5月27日に行われる予定だが詳しい日程は未定

混合リレーオリンピック予選で上位2位のNOCに、男女各2枠が割り当てられる。既に出場枠を獲得しているNOCは、この競技に参加することはできない。NOCがふさわしい男女2選手を有しない場合、出場権は同大会で次に順位の高いNOCに割り当てられ、もし存在しない場合は、世界トライアスロン混合リレーオリンピック予選ランキングで次に高い順位のNOCに割り当てられる。

■ 世界トライアスロン個人・オリンピック予選ランキング、2022年5月27日~2024年5月27日

ランキング上位26位の選手のNOCに出場権が割り当てられる。NOCがすでに出場枠を獲得し、NOCの上限に達している場合は出場権を新たに獲得することはできない。

■ 2024年5月27日時点の世界トライアスロンランキング

同日付のランキングにおいて、オリンピックへの出場枠をまだ得ていないNOCの中で最上位に位置するNOCに1枠が与えられる。優先順位は、アフリカ、アメリカ大陸、アジア、ヨーロッパ、オセアニア。

世界トライアスロンランキングにおいて特定の大陸で資格のあるNOCが存在しない場合、大陸に関係なく、次にランキングの高い選手を擁するNOCに割り当てられる。もし世界トライアスロン個人オリンピック予選ランキングによって出場枠を獲得している場合、世界トライアスロンランキングによって獲得した出場枠は、まだ出場権を獲得していない、次にランキングの高い特定の大陸のNOCに再配分される。

パリ2024:トライアスロンの競技フォーマットや日程?

パリ2024でのトライアスロン競技は、7月30日、31日、8月5日の3日間、イエナ橋で行われ、それぞれ午前8時にスタートする。

男女ともにスイム1.5km、バイク40km、ラン10kmのオリンピック・ディスタンスで行われ、予選なしの1レースで勝負が決まる。

女子2、男子2の計4選手で構成されたチームが競う混合リレーは、距離が短縮されるため、スピード感のあるレースが展開される。

写真: LEON NEAL/GETTY IMAGES

パリ2024に向けて注目したい、トライアスロン選手は?

女子は、バミューダのフローラ・ダフィーが東京オリンピックでバミューダ初の金メダルを獲得し、オリンピック王者として君臨。東京大会の2位は英国の**ジョージア・テイラー=ブラウン、3位はアメリカ合衆国のケイティ・ザファーズ**で、3選手とも世界選手権を制した実力を持っており、パリ2024での活躍も期待される。

この他、ドイツの才能あふれる**ラウラ・リンデマンとアメリカ合衆国のサマー・ラパポート**が有力候補として注目されている。

男子では、英国のアリスター・ブラウンリーと**ジョニー・ブラウンリーの兄弟がトライアスロン界を席巻してきたが、新たな選手も台頭している。ノルウェーのブルンメンフェルトが東京2020で金メダル、英国のアレックス・イーが銀メダル、ニュージーランドのヘーデン・ウィルデ**が銅メダルを獲得した。

このほか、世界選手権を2度制している地元フランスの**バンサン・ルイ、スペインのアントニオ・セラット・セオアン**、マリオ・モラなど有力選手がパリでの活躍を狙っている。

トライアスロン、パリ2024までの流れ

  • 2022年5月27日~2024年5月27日:世界トライアスロンオリンピック予選期間
  • 2022年6月26日:2022年世界トライアスロン混合リレー選手権(カナダ・モントリオール)
  • 未定:2023年世界トライアスロン混合リレー選手権大会(ドイツ・ハンブルク)
  • 未定:ユニバーサリティ枠の申請締め切り
  • 2024年3月25日:世界トライアスロン混合リレーのオリンピック予選ランキング
  • 未定:世界トライアスロン混合リレーオリンピック予選会
  • 2024年5月27日:世界トライアスロン個人のオリンピック予選ランキング
  • 2024年5月27日:世界トライアスロンランキング
  • 2024年6月3日:世界トライアスロンが国内オリンピック委員会(NOC)/国内競技連盟に割り当てられた出場枠を通知する
  • 未定:三者委員会はNOCへのユニバーサリティ枠の割り当てを文書で通知する
  • 2024年6月17日:NOCはワールドトライアスロンに割り当てられた出場枠の使用意思を表明する
  • 2024年6月22日:ワールドトライアスロンが未使用出場枠の再分配を行う
  • 2024年7月8日:パリ2024オリンピックエントリー締め切り
  • 2024年7月26日〜8月11日:パリ2024オリンピック

パリ2024への道、記事一覧

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