【パリ2024への道】ゴルフ、出場資格取得プロセスを解説
1900年と1904年にオリンピック競技として実施されて以来、100年以上を経てリオ2016そして東京2020でオリンピックに戻ってきたゴルフ競技。続くパリ2024でも、世界最高峰のゴルファーが金メダルを目指す。出場選手数や注目選手、出場権獲得までの道のりをチェックしよう。
東京2020ではネリー・コルダとザンダー・シャウフェレが男女それぞれの表彰台の頂点に立ち、アメリカ合衆国代表が強さを見せつけたゴルフ競技。22歳の稲見萌寧(いなみ・もね)と当時45歳だった南アフリカのロリー・サバティーニが銀メダルを獲得したほか、男子では7選手による銅メダル争いが繰り広げられるなど、見どころ満載の内容でゴルフファンを大いに楽しませた。
その興奮はパリ2024でも続くことが予想されるが、パリ大会までの2年間、世界最高のゴルファーたちはオリンピックの切符を手に入れるために戦いに挑む。
パリ2024:ゴルフの参加選手数は?
パリ2024のゴルフ競技には、東京2020と同数の男女各60人、合計120選手が出場する。
ホスト国のフランスには、男女各1人の出場枠が割り当てられ、残りの118枠(男女それぞれ59枠)は、2年間かけて積み重ねられたオリンピックゴルフランキング(OGR)によって決まる。また、ホスト枠が使われなかった場合には、ユニバーサリティ枠として国内オリンピック委員会に再配分される可能性がある。
パリ2024:ゴルフの出場枠を得るには?
パリ2024のゴルフの出場枠は、男子は2024年6月17日、女子は2024年6月24日のオリンピックゴルフランキングをもとに決められる。
男子、女子ともに、それぞれ多くの大会の成績がランキングには反映され、国際ゴルフ連盟(IGF)が承認したポイント配分をもとに各大会の最終順位に応じてポイントが与えられる。大会によって得られるポイント数は異なる。
各選手が獲得したポイントは2年間かけて積み重ねられるが、獲得した時期によってポイントの重みは異なる。直近13週間のポイントは100%で加算され、それ以前の91週間は1週間ごとに1.1%ずつポイントが減らされた状態で加算される。
ランキングは、各アスリートが2年間で得たポイントの平均で決められる。平均ポイントの算出方法は簡単で、獲得ポイントの合計を、その期間に出場したトーナメントの数で割って計算される。この分母の数には制限があり、女子の場合は少なくとも35、男子の場合は最小で40、最大で52となる。
もし選手の平均ポイントが同点であった場合、次の基準で順位が決められる。
まず、直近の52週間で獲得した世界ゴルフランキングの合計ポイントで比較。次に、必要に応じて、男子では2024年6月17日(月)、女子では2024年6月24日(月)を基準に、それまでの13週間で獲得した世界ゴルフランキングの合計で比較する。
オリンピックゴルフランキングの上位15人の選手にオリンピック出場権が与えられる(各国内オリンピック委員会あたり最大4選手)。
その後、各国内オリンピック委員会あたり(上位15位までの選手を含めて)2人を上限に、16位以降の選手から59人に達するまで選手が選ばれる。また、オリンピック・ムーブメントの5つの大陸のそれぞれで、男女少なくとも各1選手に出場枠が割り当てられることになっており、この過程で出場権を獲得できなかった大陸があった場合は、その大陸の選手の中でオリンピックゴルフランキングが最も高い選手に出場枠が割り当てられる。
パリ2024:ゴルフの競技フォーマットや日程?
パリ2024のゴルフ競技は、2024年8月1日〜10日の日程でベルサイユ宮殿の近くに位置する、サンカンタン・アン・イヴリーヌのル・ゴルフ・ナショナルで実施される。
4日間で72ホールのストロークプレーで行われ、最も少ない打数で終了した選手が優勝する。
パリ2024に向けて注目したい、ゴルファーは?
東京2020では、当時世界ランキング1位だったスペイン人ゴルファーのジョン・ラームが新型コロナウイルスの陽性反応により欠場。ラームは失われた時間を取り戻すべく、パリ2024でスペイン人ゴルファーとして初のオリンピックメダル獲得を狙うだろう。
北アイルランドのローリー・マキロイは、東京大会でオリンピックデビューを果たし、7人による銅メダル争いの末に4位に入賞。メジャーを4度制しているマキロイだが、東京2020での銅メダル争いの後、「3位を目指してこんなに頑張ったことはない。何のメダルも得ずに去るのは残念。パリで1つでも掴み取りたいという気持ちがさらに強くなった」とスカイスポーツに語った。
女子は、東京2020の金・銅メダリストがともに好調を維持している。アメリカ合衆国のネリー・コルダとニュージーランドのリディア・コは、東京2020で9位に終わった韓国のスター選手コ・ジンヨンに続いて、現在世界ランキング2位、3位。リディア・コがメダルを獲得することになれば、ゴルファーとして史上初のオリンピック3大会連続メダリストとなる。
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ゴルフ、パリ2024までの流れ
- 2024年6月17日:男子オリンピックゴルフランキング(OGR)期間終了
- 2024年6月18日:男子OGRが発表され、国際ゴルフ連盟が国内オリンピック委員会/国内競技連盟に男子の割り当てを通知する
- 2024年6月18日:国際ゴルフ連盟が男子の再配分予備リストを公表する
- 2024年6月24日:女子オリンピックゴルフランキング(OGR)期間終了
- 2024年6月25日:女子OGRが発表され、国際ゴルフ連盟が国内オリンピック委員会/国内競技連盟に男子の割り当てを通知する
- 2024年6月25日:国際ゴルフ連盟が男子の再配分予備リストを公表する
- 2024年6月27日:国内オリンピック委員会は国際ゴルフ連盟に割り当てられた出場枠の使用意思を表明する
- 2024年7月2日:国際ゴルフ連盟はすべての未使用の出場枠を再配分する
- 2024年7月8日:パリ2024オリンピックエントリー締め切り
- 2024年7月31日:男子の再配分終了
- 2024年8月1日~4日:パリ2024男子個人ストロークプレー
- 2024年8月6日:女子の再配分終了
- 2024年8月7日~10日:パリ2024女子個人ストロークプレー
- 2024年7月26日〜8月11日:パリ2024オリンピック
パリ2024への道、記事一覧
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