ロンドン1908でオリンピックデビューしたホッケーは、1912年と1924年を除いてオリンピックで実施されている。デビュー以来、男子種目のみが行われ、女子はモスクワ1980で初めて導入され、ジンバブエが女子初の金メダルを獲得した。
東京2020では、ベルギーが男子初めて表彰台の頂点に立ち、女子はオランダがアルゼンチンに3-1で勝利し、オリンピック4大会ぶり3度目の優勝を果たした。
パリ2024でも男女それぞれの種目で戦いが行われ、すべての試合はスタッド・イヴ・ドゥ・マノワールで開催される。ここでは出場権獲得までの道のりを紹介しよう。
パリ2024:ホッケーの参加選手数は?
パリ2024では、男女ともに12チームが出場し、合計384名(女子192名、男子192名)の選手が金メダルを争う。
開催国であるフランスは、東京2020終了以降の国際ホッケー連盟(FIH)ワールドランキングで25位以上であれば、男子と女子でそれぞれ1枠ずつを獲得する(1チームあたり16名)。
それ以外の国内オリンピック委員会は、男女それぞれで最大1チーム(1チーム16名)の出場資格を得ることができる。
パリ2024:ホッケーの出場枠を得るには?
パリ2024への出場を目指すチームにとって、以下の大会が出場権を獲得する道となる。
■ 大陸別選手権の優勝チーム(男女それぞれ5チーム)
まず、以下5つの大陸選手権において、男女それぞれの優勝国の国内オリンピック委員会が出場枠を獲得する。
- アフリカンホッケー・ロード・トゥ・パリ2023
- 2023年パンアメリカン競技大会
- 2022年アジア競技大会 ※大会は2023年に延期された
- 2023年欧州ホッケー選手権大会
- 2023年オセアニアカップ
フランスが2023年欧州ホッケー選手権大会で優勝した場合、その出場枠は以下のオリンピック予選トーナメントに割り当てられる。
■ オリンピック予選トーナメント(男女それぞれ6チーム)
2024年に、FIHオリンピック予選トーナメントが男女各2大会ずつ開催される(1大会に男女それぞれ8チームが参加)。トーナメントの上位3チームは、自国の国内オリンピック委員会のために1つの出場枠を獲得する(男女6チームずつ)。フランスが2023年欧州ホッケー選手権で優勝した場合、この数は7に増え、最後の出場枠はオリンピック予選トーナメントで4位になった2チームのうちランクの高いチームに与えられる。
予選トーナメントに出場するチームは大陸別に割り当てられる。大陸別の割り当て数やチームは、2023年1月31日時点の世界ランキングと大陸別選手権の結果をもとに決定される。
パリ2024:ホッケーの競技日程は?
パリ2024でのホッケーは、2024年7月27日から8月9日にかけて開催され、男子の決勝戦は8月8日に、女子はその翌日の8月9日に行われる。
男女ともグループステージから始まり、準々決勝、準決勝、決勝と続く。
すべての競技は、1924年のパリオリンピックでも使われた競技場、スタッド・イヴ・ドゥ・マノワールで行われる予定。
パリ2024に向けて注目したいホッケーのチームは?
東京2020の男子決勝ではベルギーが圧勝した一方で、現在世界ランキング1位につけているのは銀メダリストのオーストラリアだ。同チームのオリンピックでの優勝回数はアテネ2004での1回にとどまるが、先日、英バーミンガムで行われた2022年コモンウェルスゲームズでの勝利を見る限り、パリでの有力チームのひとつに挙げられるだろう。
英バーミンガムでの決勝戦では、ネイサン・エフラムスとジェイコブ・アンダーソンの両選手がそれぞれ2得点し、7-0でインドに完勝。コモンウェルスゲームズで男子ホッケーが実施されるようになって以来、7大会すべてで金メダルを獲得している。
東京2020の勝者であるベルギーは、オリンピックの決勝戦でフローラン・ファン・オウベルが唯一のゴールを決めて1-1のドローに。その後のシュートアウトでは、GKのヴァンサン・ヴァナッシュが3本のPKをセーブし、この試合のヒーローとなった。ベルギーは現在、世界ランキング2位につけている。
また、オリンピック史上最も成功した男子チームであるインドからも目が離せない。東京大会では銅メダルだったが、1980年以来の優勝回数は8回にのぼる。
女子の世界ランキングは、オリンピック金メダリストのオランダが圧倒しており、東京2020を含め、オリンピックで4勝を挙げている。また、ワールドカップでは、2022年のアルゼンチン大会での優勝を含め、これまでに9度の優勝を誇る。
エバ・デ・グーデは、2018年と2020年にFIH年間最優秀選手賞を受賞している大スターのひとり。33歳になった彼女が、パリ2024で再び金メダルを目指すかどうかはまだ明らかになっていない。
世界ランキング2位は、東京2020で銀メダルを獲得したアルゼンチン。アグスティナ・アルベルタリオなどの選手を擁し、パリ2024でも同国史上初の女子金メダル獲得を目指す。
一方、日本勢は、女子がアテネ2004から東京2020まで5大会連続でオリンピックに出場し、男子は東京2020でメキシコ1968以来のオリンピック出場を果たした。まずは男女ともにパリへの出場権獲得を目指す。
ホッケー、パリ2024までの流れ
- 2022年3月30日:国際オリンピック委員会(IOC)理事会が予選プロセスの草案を承認
- 2022年9月10日〜15日:第19回アジア競技大会、中華人民共和国・杭州市 ※2023年9月23日〜2023年10月8日に延期された
- 2023年2月1日:国際ホッケー連盟(FIH)オリンピック予選の大陸別出場枠(リザーブを含む)が決定
- 2023年4月予定:オセアニアカップ(日時未定)
- 2023年7月、8月予定:アフリカンホッケー・ロード・トゥ・パリ(日時未定)
- 2023年8月予定:欧州ホッケー・ネーションズ選手権、ドイツ・メンヘングラートバッハ
- 2023年10月10日~11月5日:第19回パンアメリカン競技大会、チリ・サンティアゴ
- 2023年11月6日:FIHオリンピック予選の出場チーム、日程、会場が決定
- 2024年1月、2月:FIHオリンピック予選トーナメント
- FIHオリンピック予選大会終了後5日以内:FIHは国内オリンピック委員会に対し、獲得した出場枠を文書で通知
- FIHオリンピック予選大会の2週間後:国内オリンピック委員会は、割り当てられた出場枠の使用意思をFIHに表明
- 前の各ステップから5日以内:FIHは、未使用の出場枠をすべて再配分
- **2024年7月8日:**パリ2024競技エントリー締め切り
- 2024年7月26日〜8月11日:パリ2024オリンピック競技大会
パリ2024への道、記事一覧
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