【パリ2024への道】カヌースラローム、出場資格取得プロセスを解説
パリ2024のカヌースラロームでは、新たにエクストリームカヤックが追加される。出場選手数や注目のスター、出場権獲得のプロセスを紹介しよう。
カヌー競技には流れのない直線コースで着順を競うカヌースプリントと、激流を下ってタイムを競うカヌースラロームがあり、ここで紹介するパリ2024のカヌースラロームでは、東京大会で実施された男女カヤック(K-1)、男女カナディアン(C-1)のほか、男女エクストリームカヤック(X-1)が新たに加わり、全体の種目数が6つとなる。
カナディアン(C1)では片方だけにブレードが付いたシングルブレードパドルを使用し、カヤック(K1)では両端にブレードが付いたダブルブレードパドルを使用するなどの違いがある。
パリ2024でのカヌースラロームは、パリ郊外のヴェール・シュル・マルヌ・ノーティカル・スタジアムの水域で行われる。予選のシステムは東京2020と同様で、ホスト国であるフランスはカヤックで男女それぞれで1枠を得る。
パリ2024のカヌースラロームの出場資格取得プロセスを見てみよう。
パリ2024:カヌースラロームの参加選手数は?
パリ2024のカヌースラロームは6種目(男女各3種目)が実施される予定で、東京2020と同様に女子41人、男子41人、計82人がに出場する。
女子
- カヤック(WK1)21人
- カナディアン(WC1)17人
- エクストリームカヤック(WX1)…カヤック、カナディアンで代表選手に選出された選手は、エクストリームカヤックに出場することができる(1つの国内オリンピック委員会につき2人まで)。このほか、エクストリームカヤックで出場資格を得た3人が出場する。
男子
- カヤック(MK1)21人
- カナディアン(MC1)17人
- エクストリームカヤック(MX1)…カヤック、カナディアンで代表選手に選出された選手は、エクストリームカヤックに出場することができる(1つの国内オリンピック委員会につき2人まで)。このほか、エクストリームカヤックで出場資格を得た3人が出場する。
各国内オリンピック委員会(NOC)は、パリ大会のカヌースラロームの各種目で、男女それぞれ3人の最大6人を派遣できる。
パリ2024:カヌースラロームの出場枠を得るには?
それぞれの種目のパリ2024出場枠は、グローバルワールド予選、大陸別の大会などを通じて割り当てられる。
カヤック
- グローバルワールド予選 15枠
- 大陸別大会 5枠
- ホスト国枠 1枠
カナディアン
- グローバルワールド予選 12枠
- 大陸別大会 5枠
エクストリームカヤック
- グローバルワールド予選 3枠
カヌースラロームでは、まずカナディアン種目で出場枠が割り当てられる。ここで出場枠を獲得した選手は、カヤック種目では出場枠を獲得することはできず、次点の国内オリンピック委員会に資格が移る。
各予選大会
グローバルワールド予選にあたるのが、2023年ICFカヌースラローム世界選手権で、この大会のカヤック、カナディアンで上位に入賞した選手の国内オリンピック委員会に出場枠が割り当てられる。
一方、大陸別大会では出場枠が1つずつ割り当てられる。
- アフリカ選手権
- アジア選手権
- ヨーロッパ選手権
- オセアニア選手権
- パン・アメリカン選手権
上記の大会(グローバルワールド予選、大陸別大会)が開催されない場合、またはその結果が取り消された場合は、2023年12月31日時点での国際カヌー連盟(ICF)ランキングが考慮される。
パリでデビューするエクストリームカヤックについては、国際カヌー連盟が予選大会となる世界選手権を2024年に開催する。この大会に参加できるのは、他のカヌースラローム種目(カナディアン、カヤック)で出場枠を獲得していない選手のみ。各国内オリンピック委員会は最大3選手を派遣することができ、大会でトップ3に入った選手の国内オリンピック委員会が出場枠を得る。
この3選手のほか、カヤック、カナディアンでパリ2024代表選手に選ばれた選手が各国内オリンピック委員会最大2枠を上限にエクストリームカヤックに出場可能となる。
ユニバーサリティー枠
パリ2024では、ユニバーサリティの原則に基づいて2つの出場枠が用意されており、カヌースプリントまたはカヌースラロームの選手に与えられる。
パリ2024に向けて注目したい、カヌースラロームの選手は?
カヌースラロームは、伝統的にヨーロッパ勢が優勢だった。しかし、過去3大会では、現在世界ランキング1位のオーストラリアのジェシカ・フォックスがメダルを獲得するなど、他国の選手も台頭してきている。ロンドン2012から東京2020にかけて、フォックスはカヤックで銀メダルと銅メダル2個、東京2020では金メダルを獲得した。
また、スペインのマイアレン・コラントは、ロンドン2012で銅メダル、リオ2016で金メダル、38歳で迎えた東京2020で銀メダルを獲得。パリ2024で5度目のオリンピック出場の可能性もある。
男子では、カヌースラロームがオリンピックのプログラムに組み込まれて以来、チェコ共和国またはスロバキアの選手が表彰台の常連となっている。
現在、カヤックではチェコ共和国のイリ・プロスカヴェッツがランキングトップで、リオ2016の銅メダルと前回の東京大会の金メダルの2つのオリンピックメダルを獲得している。スロベニアのベンジャミン・サブセクは東京2020のカナディアンで表彰台の頂点に立ち、ICFランキングは現在7位。ランキング首位で、スロバキアのレジェンド、アレクサンダー・スラフコフスキーは、オリンピック初のメダルを追いかけている。
カヌースラローム、パリ2024までの流れ
- 2023年9月19日~23日:ICFカヌースラローム世界選手権
- 日程は未定:ICFエクストリームカヤック世界予選大会
- 日程は未定:大陸別予選(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、パン・アメリカン、オセアニア)
- 大会終了後から10営業日以内:国際カヌー連盟は、各大陸予選の2週間後までに、国内オリンピック委員会/国内連盟に出場枠を通知する
- 国際カヌー連盟による出場枠の通知連絡から10営業日以内:国内オリンピック委員会は国際カヌー連盟に対し、出場枠の使用意思を表明する
- 前段階から10営業日以内:国際カヌー連盟は未使用の出場枠を再配分する
- 日程は未定:三者委員会は、国内オリンピック委員会(該当する場合)へのユニバーサリティ枠の割り当てを文書で通知する
- 2024年6月15日:国際カヌー連盟は未使用の出場枠を再配分する
- 2024年7月8日:パリ2024エントリー締切
- 2024年7月26日~8月11日:パリ2024オリンピック競技大会
- 2024年7月27日〜8月5日:カヌースラローム競技実施日
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