パリ2024:オリンピック出場権獲得への挑戦が始まる

執筆者 Sean McAlister
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Paris 2024 handover ceremony
写真: 2021 Getty Images

パリ2024オリンピック開催まであと2年。世界のトップアスリートたちの多くが、4年に1度のこのスポーツの祭典への出場権獲得に向け、すでに活動を始めている。パリ2024への道のりの現状と、今後1年間に予定されているイベントについて紹介する。

**2024年7月26日(金)から8月11日(日)**の日程で開催されるパリ2024オリンピックで、1万人以上のアスリートが開催都市パリに集い、かつてないスポーツの祭典を繰り広げる。

パリ2024で実施されるのは、32競技329種目。IOC難民選手団を加えて計206の国内オリンピック委員会が競技に参加する。

しかしその前に、アスリートたちは出場権を獲得しなければならない。何万人ものアスリートが出場権獲得に挑むが、それは決して簡単なことではない。オリンピック予選は、オリンピック出場を目指すアスリートたちをさらなる高みに導き、支援し、称えるという目的のもとに行われる。

オリンピックの予選シーズンには、アスリートが出場権を獲得するための3,000を超える大会が行われる。今回はこれまでの歴史で初めて、それぞれの大会の多くに**パリ2024予選というラベル(Paris 2024 Qualifier)**がつけられ、オリンピックファンによりわかりやすくなっている。

多くの競技では、今年から予選期間が始まる。そしてすでにオリンピックへの出場枠を獲得した国内オリンピック委員会もいくつかある。

ここまでの状況や、今後の楽しみ方についての情報をここでご紹介する。

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すでに出場権を獲得したのは?

パリ2024のための出場権が割り当てられた最初の競技・種目は、トライアスロンの混合リレーだ。カナダのモントリオールで開催された混合リレー世界選手権で6月26日、2位に入賞した**英国**がその権利を獲得した

この大会で優勝したのはフランスだが、彼らはパリ2024の開催国としてすでに出場権を確保しているため、2位の英国に出場権が割り当てられた。英国は前回のオリンピックで、個人で銀、混合リレーで金メダルを手にしているジョージア・テーラーブラウンがチームを率い、自国のオリンピック委員会のためにパリ2024出場枠を確保することになった。

男子サッカーでは、CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)U-20選手権の決勝に進出したアメリカ合衆国とドミニカ共和国が、パリへの切符を手にしている。ドミニカ共和国は、7月2日に行われた準決勝でグアテマラをPK戦で下し、見事予選を突破した。

ドミニカ共和国がオリンピックのサッカー競技の出場権を獲得するのは史上初。カリブ海諸国としても1980年のキューバ以来となる。

アメリカ合衆国は、準決勝でホンジュラスに3-0で勝利して、16年ぶりにオリンピックの男子サッカーで出場権を獲得した。そしてパリ2024への出場権を獲得した両者による決勝戦は、アメリカ合衆国が6-0で快勝した。

アメリカ合衆国女子サッカーチームも、CONCACAF女子選手権でカナダを1-0で下して優勝し、出場権を手にしている。カナダはパリ2024への2つ目の出場枠をかけて2023年9月に3位のジャマイカとプレーオフを行う。

また、CONMEBOL(南米サッカー連盟)女子コパ・アメリカ・フェメニーナ(7月8日~30日)で決勝進出を決めているコロンビアとブラジルがパリへの切符を手にした

すべてのスター選手がスタート台に

世界のビッグスターたちは、すでにパリ2024を念頭に置いている。 100m界のジャマイカのスター、シェリー=アン・フレーザー=プライスは、米ユージーンでのOlympics.comとのインタビューでこう語っている。

「パリ2024は、しっかりと私の頭の中と心の中にあります。私はその目標に向かって努力しています。(中略)私たちには限界がありません。努力すれば達成できることはたくさんあるし、そのための時間もあります。多くの人は、私たちが持つすべての夢は20代で達成されるべきだと考えていますが、30代でも成し遂げることは可能なのです」

アメリカ合衆国のスケートボーダー、ナイジャ・ヒューストンも、ローマでOlympics.comのマイクに野望を語った。「パリに行きたい。それは間違いなく自分の目標だ。ただ、東京のときほど緊張して挑むことはないと思う。自分にプレッシャーをかければかけるほど、普段のように自然体でスケートをすることが難しくなってしまう気がするから。(中略)もっと楽しんで、自分にプレッシャーをかけないようにしたい」。

同じくスケートボーダーの白井空良は、東京2020で予選9位となり決勝進出を逃して悔しい思いをしたが、その経験はパリへの原動力となっている。「東京オリンピックで悔しい思いをしたので、パリオリンピックまでにちゃんとポイントを稼いで、東京の悔しさをパリにぶつけられたらいいなと思います」と、Olympics.comに語った。

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フランスのバスケットボール選手ルディ・ゴベアにとっては、母国でのオリンピックに出場するという夢はさらに大きなものであるようだ。「とても興奮している。夢のようだよ。多くの子どもがオリンピックを夢見るはずだが、それを地元で、母国で体験できるなんて、そうそうあることじゃない。一生に1度のチャンスだ。国を代表して戦う最高のチームでありたいと、ずっと考えてきた。この大会は、人々に大きなインパクトを与えるものだ。この国、そして世界中にとって、ポジティブなものにしたい」。

「とても興奮している。夢のようだよ。多くの子どもがオリンピックを夢見るはずだが、それを地元で、母国で体験できるなんて、そうそうあることじゃない」- ルディ・ゴベア

2022年にはどのような予選が控えている?

8月6日〜10日にデンマークで開催される馬場馬術の世界選手権で最初の8つの出場枠が決まる(開催国のフランスを除く)。

8月10日〜14日に同じくデンマークで開催される障害馬術の世界選手権では、上位5チームがパリ2024への出場権を得る。

8月の予選イベントを締めくくるのは、射撃のヨーロッパ選手権だ。男女トラップ個人各2枠、男女スキート個人各2枠の合計8枠がここで決まる。

そしてヨーロッパ選手権終了時には、50mライフル3姿勢個人の男女各2枠、男子25mラピッドファイアピストル個人の2枠、女子25mピストル個人に2枠の計8枠が割り当てられる。

9月14日から18日にかけては、総合馬術の世界選手権の上位7チームの国内オリンピック委員会が出場権を獲得。同じ日程で新体操の世界選手権から個人上位3選手と団体上位3チームの国内オリンピック委員会が出場権を獲得する。

月末には、ISAワールドサーフィンゲームズ(9月17日~24日)でサーファー2名FIBA女子ワールドカップ(9月22日~10月1日)の優勝チームクレー射撃の世界選手権で16名(男女トラップ個人各4名、男女スキート個人各4名)が出場権を手に入れる。

10月は再び障害馬術にスポットが当たり、2022年の最終ランキング(10月2日付)で首位に立ったチームの国内オリンピック委員会に出場枠が与えられる。そして10月12日から25日にかけて行われる射撃の世界選手権では出場枠32が決定する。

10月29日〜11月6日まで開催される世界体操競技選手権も注目だ。 男女とも上位3チームの国内オリンピック委員会が出場権を確保する。

11月は、女子ハンドボールのヨーロッパ選手権(11月4日~20日)の優勝チームに出場権が1つが割り当てられる。

また、11月4日~13日にかけてペルーのリマで開催される、射撃の第13回CAT選手権では、さらに12の出場枠が決定する。

もちろん2023年と2024年にもオリンピック予選は続き、選手らは大会までの道のりを歩んでいく。パリ2024への出場権獲得に向けた今後の最新情報を、引き続きOlympics.comでチェックしよう。

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