卓球はソウル1988で、男女シングルス、ダブルスの計4種目でオリンピックデビューを果たした。
北京2008ではダブルスに代わって団体種目が導入され、その後、東京2020で混合ダブルスが導入されるまで同じ種目で競われた。
パリ2024では、東京2020と同じ5つの種目が実施される。だが、その前に選手たちはパリ大会への出場権を獲得する必要がある。パリ2024予選大会などに関する情報を見てみよう。
パリ2024:卓球の参加選手数は?
パリ2024では、合計172人(男女各86人)のアスリートが卓球に出場する。そのうち164枠(男女各82)がオリンピック予選を通じて割り当てられ、ユニバーサリティ枠として2人(男女各1人)、開催国枠としてフランスに6枠(男女各3枠)が用意されている。
各国の国内オリンピック委員会は、5種目あわせて最大6つ(男女各3)の出場枠を獲得でき、男女シングルスでは最大2選手を派遣することができる。
団体は1チーム3人で構成され、混合ダブルスは2人1組(男女各1人)となる。
シングルスと混合ダブルスでは、出場枠は選手名で割り当てられる。団体の出場枠は国内オリンピック委員会に割り当てられる。
パリ2024:卓球の出場枠を得るには?
団体予選
国内オリンピック委員会が団体出場枠を獲得するためには、4つの方法がある。
1. 大陸予選 - 6チーム
国際卓球連盟(ITTF)の各大陸連盟は、既存の大会の中からオリンピック大陸予選の役割を果たす大会を特定する。
各大陸予選(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニア)において、最高位の国内オリンピック委員会にはチーム枠が1つ与えられるが、パン・アメリカ大陸予選は2枠が与えられる。
2. 2024年世界団体選手権 - 8チーム
2024年2月16〜25日に韓国の釜山で開催される予定の2024年の世界団体選手権では、準々決勝に進出した8チームの国内オリンピック委員会がパリ2024出場枠を確保する。
3 - 世界ランキング - 1チーム
2024年世界卓球団体選手権の決勝戦の直後に発表される世界チームランキング(2024年3月の世界チームランキング)において、最高位の国内オリンピック委員会(まだ出場権を得ていない場合)が団体出場枠を獲得する。
4 - 開催国 - 1チーム
オリンピック開催国であるフランスは、予選を通じてまだ出場権を獲得していない場合、団体出場枠を獲得する。
混合ダブルス予選
国内オリンピック委員会が混合ダブルスの出場枠を獲得するには、4つの方法がある。
1. 大陸予選 - 6ペア
各大陸予選(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニア)で最高位の国内オリンピック委員会には、混合ダブルスの出場枠が1つ与えられる。パン・アメリカ大陸予選は2枠が与えられる。
2. 2024年3月または4月に開催される予選大会 - 4ペア
2024年3月または4月に開催される指定された予選大会で、準決勝に残った混合ダブルスペアは出場枠を1つ獲得する。
出場権を獲得していない国内オリンピック委員会の有資格ペア(同一の国内オリンピック委員会の選手)のみがこの大会に参加でき、1つの国内オリンピック委員会につき最大1組まで出場可能。
3. 世界ランキング - 5ペア
2024年第19週(2024年5月7日火曜日)時点の混合ダブルス世界ランキングで上位の有資格ペア5組(まだ出場権を得ていない、あるいはすでに出場権を得ているペアとは異なる国内オリンピック委員会からの選手)が、混合ダブルスの出場枠を1つ獲得する。
4. 開催国 - 1ペア
開催国は、出場権を獲得していない場合、混合ダブルスの出場枠を1つ保証される。
※団体枠を保有する国内オリンピック委員会の場合
団体枠をすでに確保している国内オリンピック委員会が混合ダブルス枠を受け入れた場合、混合ダブルスの有資格者は団体メンバーとしてリストアップされるものとする。詳しくはIOCのサイトを参照。
シングルス予選
国内オリンピック委員会がシングルスの出場枠を確保するためには、4つの方法がある。
1. 団体枠 - 32人(団体枠16から選出)
団体枠を獲得した各国内オリンピック委員会は、シングルスの出場枠を2つ獲得する。
2024年第25週(2024年6月18日火曜日)の世界ランキングで、該当する国内オリンピック委員会の上位2選手がシングルスの出場権獲得選手としてリストアップされる。
2. 大陸予選大会またはシングルス世界ランキング - 22人
各大陸の定めるところにより、22選手が大陸別予選またはシングルス世界ランキングによって出場枠を獲得する。各大陸が保有するシングルス出場枠の数は以下の通り。
- アフリカ 4枠
- アジア 6枠
- ヨーロッパ 6枠
- パン・アメリカ 5枠
- オセアニア 1枠
3. シングルス世界ランキング - 15人まで
2024年6月18日(火)のシングルス世界ランキングでは、国内オリンピック委員会ごとの出場枠の上限と上記の大陸別出場枠を尊重し、最大15選手が出場枠を得る。
4. ユニバーサリティ枠 - 1人
ユニバーサリティ枠は、2023年7月1日から2024年6月23日までにいずれかのITTFランキングリストに掲載された選手であることが条件となる。
パリ2024:卓球の競技形式と日程
パリ2024では、男子シングルス、女子シングルス、男子団体、女子団体、混合ダブルスの5つの種目でメダルが授与される。予選から決勝までノックアウト方式が採用される。
パリ2024は、2024年7月27日から8月10日まで開催され、最初の決勝戦は7月30日(火)に行われる。会場となるのは、パリ大会の主要拠点のひとつとなるパリ南アリーナ4。
パリ2024に向けて注目したい卓球界のアスリートたち
中華人民共和国の卓球選手たちは、オリンピック史において金メダル37個のうち32個を獲得し、このスポーツで圧倒的な強さを誇ってきた。
男子団体は**マ・ロン(馬龍/オリンピック金メダル5回)、ファン・ジェンドン(樊振東/2021年世界選手権1位)、ワン・チューチン(王楚欽)、女子団体はチェン・ムン(陳夢/オリンピック金メダル)、スン・インシャ(孫穎莎/2021年世界選手権2位)、ワン・マンユ**(王曼昱/同1位)が率いるチームが世界選手権をそれぞれ22回制している。
また、中華人民共和国チームは東京2020において、混合ダブルス以外のすべての金メダルを獲得。パリ2024では、全種目での金メダル獲得を目指す。
一方、日本は現在のメンバーに若手選手が加わりながらも、高いレベルを維持している。2022年の世界選手権(団体)の準決勝で中華人民共和国のワン、ファンを破った世界ランキング4位の張本智和は、チーム力の高さを示す好例だ。日本は東京2020でもオリンピック初の混合ダブルスで金メダルを獲得しており、水谷隼は引退したものの、伊藤美誠は次の大会に向けても注目される存在となるだろう。
また、ヨーロッパの選手の活躍も目立ち、キュウ・ダン(邱党/ドイツ)、ベネディクト・デューダ(ドイツ)、トルルス・モーレゴード(スウェーデン)、レブラン兄弟(フランス)は、パリ2024で主役になれるだけの力を持っている。
大韓民国、Chinese Taipei、ホンコン・チャイナといった伝統的な強豪国の選手たちも、パリの表彰台を目指す。
卓球、パリ2024までの流れ
- 日時未定:アフリカ、アジア、ヨーロッパ、パン・アメリカ、オセアニアの団体と混合ダブルス大陸予選
- 2024年2月16日~25日:韓国の釜山での世界団体卓球選手権(団体予選)
- WTTTC直後のWTR:3月の世界チームランキング(WR)発表とチームワールドランキングの選考
- 2024年3月〜4月(日時未定):混合ダブルス世界大会予選
- 2024年5月7日:混合ダブルスWR発表(第19週)、混合ダブルスWR選考
- 2024年第19週(2024年5月6日~5月12日): 5大陸すべてで行われるシングルス大陸予選
- 2024年6月18日:シングルスWR発行(第25週)、シングルスWR選考
- 各大会終了後2日以内:ITTFは国内オリンピック委員会に対し、獲得した出場枠を文書で通知する
- 各大会終了後1週間後:国内オリンピック委員会はITTFに対し、割り当てられた出場枠の使用意思を表明する
- 前ステップから5日以内:ITTFは、未使用の出場枠をすべて再配分する
- WR発表後2日以内:ITTFは国内オリンピック委員会に対し、獲得した出場枠を文書で通知する
- 各大会の1週間後:国内オリンピック委員会はITTFに対し、割り当てられた出場枠の使用意思を表明する
- 各ステップ終了後5日以内:ITTFは、未使用の出場枠をすべて再配分する
- 日時未定:三者委員会は、国内オリンピック委員会へのユニバーサリティ枠の割り当てを文書で通知する(該当する場合)
- 2024年6月30日:ITTFは未使用の出場枠をすべて再配分する
- 2024年7月8日:パリ2024競技エントリー締め切り
- 2024年7月26日〜8月11日:パリ2024オリンピック競技大会
パリ2024への道、記事一覧
3x3バスケットボール|7人制ラクビー|アーチェリー|ウエイトリフティング|カヌー(スプリント、スラローム)|近代五種|ゴルフ|サーフィン|射撃|柔道|水泳競技(アーティスティックスイミング、水球、競泳、飛込、マラソンスイミング)|自転車(BMXフリースタイル、BMXレーシング、トラックレース、マウンテンバイク、ロードレース)|スポーツクライミング(スピード、ボルダー&リード)|スケートボード|セーリング|体操(新体操、体操競技、トランポリン)|卓球|テコンドー|テニス|トライアスロン|馬術(総合馬術、障害馬術、馬場馬術)|バスケットボール|バドミントン|バレーボール|ハンドボール|ビーチバレーボール|フェンシング|ブレイキン|ボクシング|ボート|ホッケー|陸上競技|レスリング
パリ2024各競技の出場資格取得プロセスについて、より詳しい内容はこちらから。