【パリ2024への道】トランポリン、出場資格取得プロセスを解説
パリ2024では、総勢32人のトランポリニストがアクロバティックな技と高い運動能力で体操ファンを魅了する。だが、パリにあるベルシー・アリーナで演技をする前に、アスリートたちは大会に出場するための資格を確保しなければならない。パリ2024での注目の選手、出場権獲得までの道筋などを紹介する。
8メートル以上もの高さまで飛び上がり、複雑なひねりや宙返りなど息を呑むようなパフォーマンスが繰り広げられる競技、トランポリン。高度な技術を必要とするため、トランポリニストには卓越したバランス感覚と絶対的な正確さが要求される。
トランポリンは他の体操競技と比べると比較的新しい競技であり、シドニー2000で男女ともにオリンピックデビュー。以来、競技種目数(男子個人、女子個人の計2種目)に変更はない。
パリ2024では、2種目合計で32人のアスリートがその舞台に立つことができる。パリ2024に向けたトランポリンの予選大会などの情報を紹介しよう。
パリ2024:トランポリンの参加選手数は?
パリオリンピックでは、男女各16人、合計32人の選手がトランポリン競技に出場する。男女いずれかで1つの出場枠が開催国に、もう1つがユニバーサリティ枠として割り当てられる。
最大で3つの国内オリンピック委員会が、男女それぞれ2つの出場枠を獲得できる。残りの国内オリンピック委員会は、性別ごとに最大1つの出場枠を獲得する。
出場するアスリートは、2007年12月31日以前に生まれた者でなければならない。
パリ2024:トランポリンの出場枠を得るには?
出場枠は、3つの基準で配分される。
基準1:2023年世界選手権(2023年11月)
- 女子:最低4人、最高8人
- 男子:最低4人、最高8人
ファイナルの結果に応じて男子上位8人、女子上位8人が所属する国内オリンピック委員会が出場枠をそれぞれ1枠獲得する。この大会を通じて国内オリンピック委員会が獲得できる出場枠は最大1枠。
同じ国内オリンピック委員会から2人がファイナルに進出した場合、予選の結果による最高位の選手が基準1の対象となる。
基準2:2023年および2024年トランポリン個人ワールドカップシリーズ(2023年2月~2024年4月)
- 女子:最低2人、最高12人
- 男子:最低2人、最高12人
上記期間中、ワールドカップが5大会開催される。出場した大会の数に関わらず、5大会のうちベスト3の成績が考慮される。
オリンピック予選ランキングリストにもとづき、基準1において出場権を獲得していない場合に限り、男女最上位の選手の国内オリンピック委員会が最大1枠を獲得する。
オリンピック資格ランキングリスト最上位の3選手は、その国内オリンピック委員会が基準1で出場枠を得た場合に限り、自国の国内オリンピック委員会のために2つ目の出場枠を獲得できる可能性がある。
基準1で出場枠を獲得した競技者は、競技会に出場することはできるが、追加の出場枠を獲得することはできない。
基準 3:大陸選手権(または、国際体操連盟が承認した他の大陸の予選大会)
- 合計:最大4名
各大陸選手権のファイナルの結果に応じて男子最高位または女子最高位の選手は、その大陸が基準1または2で出場権を獲得していない場合に限り、国内オリンピック委員会のために出場枠を1枠獲得する。大陸選手権は、その大陸が基準1または2によって出場枠を獲得していない場合にのみ、予選大会として指定される。
大陸選手権の男子最高位選手または女子最高位選手のどちらが出場枠を獲得するかについて、詳しくはこちらから。
パリ2024:トランポリンの競技日程は?
パリ2024のトランポリン競技では、男子個人と女子個人の2つの種目が行われる。
両種目とも8月2日にパリのベルシー・アリーナで行われる。ピラミッドを思わせる外観のベルシー・アリーナは、その外壁が芝生に覆われ、パリのなかでもユニークでよく知られる建築物のひとつ。
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パリ2024に向けて注目のトランポリン選手
シドニー2000でトランポリンが採用されて以来、中華人民共和国は36個のメダルのうち14個を獲得している。パリ2024でも、同国の活躍が予想される。
東京2020の金メダリストである中華人民共和国の**ジュー・シュエイン(朱雪瑩)**は2連覇に挑むが、これまでにオリンピック連覇を果たした選手はカナダのロージー・マクレナンのみであることからも、簡単な道のりではない。彼女は、2021年の世界選手権で17歳にして銀メダルを獲得した中華人民共和国の新星、**カオ・ユンチュ(曹云珠)**らとの激しい競争に直面することになるだろう。
世界選手権で優勝したのは、オリンピックで2個のメダルを獲得している英国のブライオニー・ペイジ。31歳の彼女は、日本の土井畑知里やアメリカ合衆国のシャイアン・サラ・ウェブスターと同様に今年のワールドカップの舞台でも優勝しており、2022年のトランポリン欧州選手権でも優勝している。また、2019年の世界選手権で金メダルを獲得している森ひかるは、2022年のワールドカップ・スイス大会で2位の成績を収めている。
オリンピックで4度のメダルを獲得した中華人民共和国の**ドン・ドン(董棟)が引退した後、日本の西岡隆成**とポルトガルのディオゴ・アブレウが2022年のワールドカップシリーズで好成績を残している。特に18歳の西岡の活躍は目を見張るものがあり、2021年の世界選手権で銀メダルを獲得した。
また、現在の世界チャンピオンである中華人民共和国の**ヤン・ランユ(严浪宇)**や、東京2020の銅メダリスト、ディラン・シュミット(ニュージーランド)も目が離せない存在だ。
トランポリン、パリ2024までの流れ
- 2023年(6月~10月):ワールドカップ3大会
- **2023年(11月) :**世界選手権
- 2024年(3月~4月):ワールドカップ2大会
- 2024年(4月~5月):大陸選手権大会、または国際体操連盟(FIG)が承認した他の大陸予選大会
- 日時未定:パリ2024オリンピック予選の直後に、FIGは国内オリンピック委員会/国内競技連盟に対し、割り当てられた出場枠を通知する
- +2週間:国内オリンピック委員会はFIGに対し、割り当てられた出場枠の使用意思を表明する
- 2024年1月:国内オリンピック委員会によるユニバーサリティ枠の申し込み提出期限
- 各競技の予選期間終了関連:三者委員会は、国内オリンピック委員会に対してユニバーサリティ枠の割り当てを文書で通知する
- **日時未定:**FIGは未使用の出場枠をすべて再配分する
- 2024年7月8日:パリ2024競技エントリー締切
- 2024年7月26日~8月11日:パリ2024オリンピック競技大会
パリ2024への道、記事一覧
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