トランポリン

トランポリンは、演技の完成度、難易度、水平変位、飛行時間の4つの主要な得点カテゴリーをもとに採点される。

世界トップクラスの大会では、予選で10個の審査要素を含む2種類のルーティンを行う。決勝では、予選と同じ、または別のルーティンを１つ行う。

各要素の出来栄えの評価、空中にいる時間を計算した飛行時間、トランポリンの中央を維持していた能力を示す水平変位を評価したスコアが加味される。

オリンピックでのトランポリンでは、選手は前方および後方への宙返りを行う。エレメンツには、トリファス（少なくとも半ひねりを伴う3回前転宙返り）やミラー（3回ひねりを伴う2回後転宙返り）などがある。

トランポリンはシドニー2000で初めてオリンピック正式競技となり、男女の種目が行われた。以来、種目数（2）は変更されていない。

シドニー2000でトランポリンが初めて採用されて以来、中華人民共和国の選手が36個のメダルのうち14個を獲得している。よってパリ2024でも、彼ら中国勢の活躍が期待される。

東京2020の金メダリスト、朱雪瑩（中国）は王座の防衛に挑むだろうが、オリンピックの歴史では、過去に金メダルを連覇した選手はカナダのロージー・マクレナンしかいない。よって簡単な道のりではない。彼女は、2021年の世界選手権で17歳にして銀メダルを獲得した中国の新星、曹云珠らとの激しい競争に直面することになるだろう。

世界選手権で優勝したのは、オリンピックで2個のメダルを獲得している英国のブライオニー・ペイジだ。31歳の彼女は、日本の土井畑知里やアメリカ合衆国のシャイアン・サラ・ウェブスターと同じく今年のワールドカップでステージ優勝し、2022年のトランポリン欧州選手権でも優勝している。

オリンピックで4度メダルを獲得した中国のドン・ドン（董棟）が引退した後は、日本の西岡隆成とポルトガルのディオゴ・アブレウが2022年のワールドカップシリーズで好成績を残している。特に2021年の世界選手権で銀メダルを獲得した18歳の西岡の活躍には目を見張るものがある。

また、現世界チャンピオンの中国のヤン・ランユ（严浪宇）や、東京2020の銅メダリスト、ディラン・シュミット（ニュージーランド）も目が離せない存在だ。