【パリ2024への道】マラソンスイミング、出場資格取得プロセスを解説

執筆者 Guillaume Depasse|公開:2022年10月
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写真: 2021 Getty Images

マラソンスイミングは北京2008で初めてオリンピック競技として実施された。パリ2024ではパリの中心にあるセーヌ川で競技が行われ、2種目で計6個のメダルが授与される。

マラソンスイミングは、北京2008でオリンピックプログラムに導入され、それ以来の大会で実施されている競技だ。オープンウォーター(自然の水域)で行われるこの競技において、選手たちは10kmのルートで競い合う。

レースを支配するには、戦略やポジショニングなどの技術や、波を理解するための知識・経験などが必要になる。

世界中のスイマーらはこれらのスキルを磨きながら、パリ2024出場権獲得を目指す。選手たちがパリに至るまでにどんな道のりを歩むのかを紹介しよう。

パリ2024:マラソンスイミングの参加選手数は?

東京2020のマラソンスイミングでは男女それぞれ25人が出場したが、パリ2024では男女それぞれ22人(計44人)となっている。

国内オリンピック委員会(NOC)が派遣できる最大数は男女各2人で、ユニバーサリティ枠は用意されていない。

開催国には、男女それぞれ1枠が設けられている。しかし、この出場枠はフランスの選手が予選大会を通じて出場枠を獲得できなかった場合にのみ割り当てられる。

パリ2024:マラソンスイミングの出場枠を得るには?

マラソンスイマーには、2023年と2024年のFINA世界水泳選手権の2大会でパリ2024への出場権を得るチャンスがある。

出場枠は、選手に与えられるものと、国内オリンピック委員会に割り当てられるものがある。

第20回FINA世界水泳選手権(2023年、福岡)

2023年に福岡で開催される第20回FINA世界水泳選手権では、男女10kmの上位3選手がパリ2024の出場権を獲得する。3位が同着の場合は、同順位の全選手に出場枠が与えられる。

この大会では、出場枠は選手に与えられる。

第21回FINA世界水泳選手権(2024年、カタール・ドーハ)

2024年にカタールのドーハで開催される第21回FINA世界水泳選手権において、男女10kmの上位13人が所属する国内オリンピック委員会が出場権を獲得する。

すでに世界選手権・福岡大会で出場権を獲得した選手がいる場合、国内オリンピック委員会の1枠としてカウントされるため、もしも彼らがこの大会で13位以内に入賞した場合、次に上位入賞した選手の国内オリンピック委員会が出場権を獲得する。

世界選手権・福岡大会で3位タイに入り、出場枠が3つ以上与えられた場合、世界選手権・ドーハ大会での割当枠の数は適宜変更される。例えば、世界選手権・福岡大会で4選手が出場枠を獲得した場合、ドーハ大会で争われる出場枠は12枠となる。

2023年または2024年の世界選手権でオリンピック開催国(フランス)が出場枠を獲得した場合、2024年の世界選手権で上位に入った選手が所属する国内オリンピック委員会が出場枠を得る。

また、この大会では大陸代表枠も念頭に出場枠が割り当てられる。男子および女子の10kmの結果で、各大陸の最上位の選手の所属する国内オリンピック委員会が出場枠を1つ獲得する(各大陸で男女それぞれ1枠。5大陸の合計5枠)。

マラソンスイミングの出場権獲得について、詳しくはこちら

パリ2024:マラソンスイミングの競技フォーマットと日程は?

マラソンスイミングでは、男子10km、女子10kmの2種目が実施される。最初にフィニッシュプレートにタッチした選手が優勝となる。

競技日程は8月8日に女子10km、8月9日に男子10kmが行われる予定で、グラン・パレとアンヴァリッドの間にあるアレクサンドル3世橋を現地時間午前7時30分にスタートする。

パリ2024に向けて注目のマラソンスイマー

伝統的にオランダの選手がマラソンスイミングで圧倒的な成績を残している。男子ではマーテン・ファン・デル・バイデンが初のオリンピックチャンピオンとなり、リオ2016ではフェリー・ウィートマンシャロン・ファン・ラウエンダールが両種目を制覇した。

29歳のファン・ラウエンダールは、東京2020で銀メダルを獲得し、2022年の世界選手権で優勝。パリ2024で王座奪還に挑む。

ブラジルのアナ・マルセラ・クーニャは、東京大会でファン・ラウエンダールに1秒以上の差をつけて金メダルを獲得し、2022年の世界選手権では銅メダルを獲得した。彼女は、5kmと25kmの非オリンピック種目でも優勝し、男女を問わず初のオリンピック連覇を目指す。

フランスのオレリー・ミュレルは2022年の世界選手権で銀メダルを獲得したが、東京2020は1秒足らずで出場権を逃している。母国の海で輝くことを望んでいることだろう。また、東京で9位に終わったチームメートのララ・グランジョンにも優勝の可能性がある。

男子では、ドイツのフロリアン・ウェルブロックが、2019年世界選手権でマラソンスイミングと1500mで金メダルを獲得した後、東京2020でタイトルを獲得した。25歳のウェルブロックは、イタリアのグレゴリオ・パルトリニエリの挑戦を受けることになるだろう。東京大会の10kmで銅メダルを獲得し、800mでも銀メダルを獲得したパルトリニエリは、2022年の世界選手権の10kmで優勝しており、ウェルブロックは銅メダルに甘んじる結果となった。

パルトリニエリのチームメートであるドメニコ・アチェレンツァは、2022年世界選手権・ブダペスト大会で銀メダルを獲得しており、パリ2024では優勝候補の一人として注目されるだろう。

リオ2016で3位、2019年世界選手権で2位という成績を残しながら、東京2020では6位にとどまったフランスのマルク・アントワーヌ・オリヴィエも注目のひとりだ。

マラソンスイミング、パリ2024までの流れ

  • 2023年7月14日〜30日:第20回FINA世界水泳選手権、福岡
  • 2024年2月2日~18日:第21回FINA世界水泳選手権、カタール・ドーハ
  • 前ステップから5日以内:国際水泳連盟(FINA)が国内オリンピック委員会に有資格競技者を通知する
  • 前ステップから2週間後:国内オリンピック委員会はFINAに対し、割り当てられた出場枠の使用意思を表明する
  • オリンピック予選大会から3週間後:FINAが未使用の出場枠をすべて再配分する
  • 2024年7月8日:パリ2024競技エントリー締切
  • 日時未定:テクニカルミーティング
  • 2024年7月26日~8月11日:パリ2024オリンピック競技大会

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