【パリ2024への道】ボクシング、出場資格取得プロセスを解説

執筆者 Sean McAlister
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Roniel Iglesias 
写真: Buda Mendes

紀元前688年の古代オリンピックで初めて実施されたボクシングは、その後セントルイス1904で近代オリンピックデビューを果たした。パリ2024では、女子124人、男子124人のボクサーが出場する。

オリンピックプログラムの中で最も古い競技のひとつであるボクシングは、そのルーツを紀元前3000年頃の古代エジプトにまで遡ることができる。それから2千年以上の時を経て、古代オリンピックでオリンピックデビューを果たし、1904年のセントルイス大会以来、近代オリンピックプログラムで人気を博している。

ロンドン2012からは女子ボクシングが追加され、パリ2024では男女同数のアスリートが金メダルを争う。

出場資格獲得までの道のりを紹介しよう。

パリ2024:ボクシングに出場する選手数は?

パリ2024では、女子124人、男子124人、合計248選手がボクシング競技に出場する。フランスは開催国として、男女各3枠の計6枠を確保している。

各地の国内オリンピック委員会は、最大で女子6人(各階級1人)、男子7枠(各階級1人)をパリ2024に派遣できる。

各階級の選手数は以下の通り。

女子階級(合計 124)

  • フライ級(50kg)…出場枠22
  • バンタム級(54kg)…出場枠22
  • フェザー級(57kg)…出場枠22
  • ライト級(60kg)…出場枠22
  • ウェルター級(66kg)…出場枠20
  • ミドル級(75kg)…出場枠16

男子階級(合計 124)

  • フライ級(51kg)…出場枠16
  • フェザー級(57kg)…出場枠18
  • ライト級(63.5kg)…出場枠20
  • ウェルター級(71kg)…出場枠20
  • ミドル級(80kg)…出場枠18
  • ヘビー級(92kg)…出場枠16
  • スーパーヘビー級(92kg超)…出場枠16

女子出場枠の配分

男子出場枠の配分

写真: 2021 Pool

パリ2024:ボクシングの出場枠を得るには?

大陸別予選トーナメント

合計139人(女子75、男子64)が、大陸別予選トーナメントを通じて出場権を獲得する。

  • ヨーロッパ:ヨーロッパ競技大会、2023年6月23日~7月2日(ポーランド、クラクフ)
  • アフリカ:アフリカ予選大会、2023年9月9日〜15日(セネガル、ダカール)
  • アジア:アジア競技大会、2023年9月23日~10月8日(中華人民共和国、杭州市)
  • アメリカ大陸:パンアメリカン競技大会、2023年10月20日~11月5日(チリ、サンティアゴ)
  • オセアニア:太平洋競技大会、2023年11月27日~12月2日(ソロモン諸島、ホニアラ)

第1回世界予選

第1回世界予選大会を通じて、50選手(女子22、男子28)がパリ2024オリンピックへの出場資格を得る。大会の日程と場所は未定だが、2024年の第1四半期に予定されている。各大陸予選大会を通じて、特定の階級の出場資格を獲得していない国内オリンピック委員会は、階級ごとに1人を派遣することができる。

第2回世界予選

2024年第2四半期に開催予定の第2回世界予選では、45~51人(女子20~23、男子25~28)がオリンピックへの出場資格を得る。大陸予選大会または第1回世界予選で特定の階級の出場権を獲得していない国内オリンピック委員会は、階級ごとに1人を派遣することができる。

出場枠の総数は、開催国枠の確定後に決定される。

開催国枠とユニバーサリティ枠

フランスは、パリ2024のホスト国として、選手の資格基準を満たしていれば、最大6枠(女子3枠、男子3枠)の出場枠が保証される。そのプロセスについて詳しくはこちら。また、ユニバーサリティ枠9つ(女子5、男子4)は2024年6月7日に確定する。

パリ2024:ボクシング競技形式と日程は?

パリ2024オリンピックのボクシング競技は、2024年7月27日から8月10日まで、スタッド・ローラン・ギャロスとパリ北アリーナで開催される。

全階級でトーナメントが行われ、選手たちは予選ラウンド(ラウンド32、ラウンド16)、準々決勝、準決勝、決勝と勝ち進み、決勝では金メダルと銀メダルが決定。準決勝で敗れた選手が銅メダルを獲得する。

パリ2024に向けて注目したいボクサー

オリンピックにおけるボクシングの歴史において、アメリカ合衆国とキューバが数多くのトップ選手を輩出してきた。キューバはパリ2024に向けたトレーニングプログラムに女子を組み込んでおり、パリ2024ではさらに多くのメダルを獲得する可能性が高い。

中でも注目のキューバ出身ボクサーは、フリオ・セサール・ラ・クルス(ヘビー級)、ロニエル・イグレシアス(ウェルター級)、アーレン・ロペス(ライトヘビー級)だろう。3選手ともこれまでにオリンピック金メダルを獲得しており、パリでもその強い姿を示すことが予想される。

オリンピックのホスト国であるフランスは、ソフィアン・オーミア(ライト級)とエステル・モッセリー(ライト級)に期待がかかる。それぞれリオ2016でメダルを獲得しており、オーミアは世界選手権(2023年タシケント)の覇者でもある。

2019年と2023年の世界選手権ライト級を制し、東京オリンピックでは銀メダルを獲得したブラジルのベアトリス・フェレイラや、世界選手権ライト級で銅メダルを2度獲得し、アジア選手権を3度制した大韓民国のオ・ヨンジ、東京2020のフェザー級で銅メダルを手にしたイタリアのイルマ・テスタも要注目のボクサーだ。

ボクシング、パリ2024までの流れ

  • 2023年5月1日:オリンピック予選期間開始
  • 2023年6月23日~7月2日:ヨーロッパ予選(ヨーロッパ競技大会、クラクフ)
  • 2023年7月5日:国際オリンピック委員会(IOC)は、ヨーロッパ予選で割り当てられた出場枠を国内オリンピック委員会に通知する
  • 2023年7月19日:国内オリンピック委員会はIOCに対し、ヨーロッパ予選で獲得した出場枠の使用意思を表明する
  • 2023年9月9日~15日:アフリカ・オリンピック予選大会(セネガル、ダカール)
  • 2023年9月19日:国際オリンピック委員会(IOC)は、アフリカ予選で割り当てられた出場枠を国内オリンピック委員会に通知する
  • 2023年9月23日~10月8日:アジア予選(アジア競技大会、中華人民共和国、杭州)
  • 2023年10月1日:IOCは、資格のあるすべての国内オリンピック委員会に対し、三者委員会のユニバーサリティ枠に関する要請書を提出するよう求める
  • 2023年10月3日:国内オリンピック委員会はIOCに対し、アフリカ予選で獲得した出場枠の使用意思を表明する
  • 2023年10月11日:IOCは、アジア予選で割り当てられた出場枠を国内オリンピック委員会に通知する
  • 2023年10月20日~11月5日:アメリカ予選大会(パンアメリカン競技大会、チリ、サンティアゴ)
  • 2023年10月25日:国内オリンピック委員会はIOCに対し、アジア予選で獲得した出場枠の使用意思を表明する
  • 2023年11月8日:IOCは、アメリカ予選大会で割り当てられた出場枠を国内オリンピック委員会に通知する
  • 2023年11月22日:国内オリンピック委員会はIOCに対し、アメリカ大陸予選で獲得した出場枠の使用意思を表明する
  • 2023年11月27日~12月2日:オセアニア予選 (太平洋競技大会、ソロモン諸島、ホニアラ)
  • 2023年12月6日:IOCは、オセアニア予選で割り当てられた出場枠を国内オリンピック委員会に通知する
  • 2023年12月20日:国内オリンピック委員会はIOCに対し、オセアニア予選で獲得した出場枠の使用意思を表明する
  • 2024年1月15日:参加資格のある国内オリンピック委員会が、三者委員会のユニバーサリティ枠の申請書を提出する締切日
  • 2024年第1四半期、日程未定: 第1回世界予選
  • 大会の3日後:IOCは、第1回世界予選で割り当てられた出場枠を国内オリンピック委員会に通知する
  • 割り当てから2週間以内:国内オリンピック委員会はIOCに対し、第1回世界予選で獲得した出場枠の使用意思を表明する。また、開催国は開催国出場枠の使用意思を表明する
  • 2024年第2四半期、日程未定:第2回世界予選
  • 大会の3日後:IOCは、第2回世界予選で割り当てられた出場枠を国内オリンピック委員会に通知する
  • 割り当てから2週間以内:国内オリンピック委員会はIOCに対し、第2回世界予選で獲得した出場枠の使用意思を表明する
  • 2024年5月31日:オリンピック予選期間終了
  • 2024年6月7日:三者委員会は、割り当てられたユニバーサリティ枠を国内オリンピック委員会に通知する
  • 2024年7月8日:パリ2024競技エントリー締切
  • 2024年7月26日~8月11日:パリ2024オリンピック競技大会

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