標高231メートルのエランクールの丘は、パリ近郊で最も高い場所にある。丘の頂からは、息をのむほどに美しいエッフェル塔、ラ・デファンスやパリ周辺の森林を眺めることができる。生物の多様性へのインパクトを最小限にするため、大規模なインフラは整備されていない。オリンピックにおけるマウンテンバイク競技のコースは、南アフリカのコースデザインの専門家、ニック・フロロスが手がけ、その95%は既存のトレイルが用いられる。さらに、パリ2024のレガシーとして保存されるトレイルの多様なルートは、子どもや家族からベテランライダーまで、さまざまな利用者によって有効活用される。
人工的に創られたエランクールの丘は、建設業者に資材を供給してきたかつての砂岩採掘場の近くにある。19世紀の半ばに採掘場が閉鎖された後、この地域は1975年までがれきの埋立地だった。1980年代に再生計画が実行され、エランクールの丘は市民公園に生まれ変わった。
エランクールの丘がパリ2024の競技会場に選ばれたことで、この地域の環境保護が強化される一方、既存のスポーツ活動がさらに充実することになる。
パリ2024は、この地域に、スポーツ、社会活動、環境の3つの観点から意義あるものを提供するだろう。エランクールの丘のあるサン・カンタン・アン・イヴリーヌは、サイクリング愛好家にとって人気の場所になる。これは、地域にとって、スポーツだけでなく、地域の活性化や生物多様性の改善を促す好機会になる。
レガシー
パリ2024により、エランクールの丘はレジャー拠点としてさらに人気を集めるだろう。ウォーキングやジョギングを楽しむ市民に開放され、技量を問わずマウンテンバイク愛好家にとって人気の場所となる。また、エランクールの丘は、再生された自然に囲まれた汚染のない環境として、安全に家族が過ごせる場所となるだろう。
さらに、国内はもとより、国際的なマウンテンバイク競技の開催地として利用されることになる。
会場情報
所在地：イヴリーヌ県サン・カンタン・アン・イヴリーヌ
オリンピック・パラリンピック選手村からの距離：西に41km
近隣の競技会場：ヴェロドローム・ド・サン・カンタン・アン・イヴリーヌ、スタッドBMXサン・カンタン・アン・イヴリーヌ、ゴルフ・ナショナル、ヴェルサイユ宮殿
周辺観光名所：ヴェルサイユ宮殿
サン・カンタン・アン・イヴリーヌ都市圏共同体について見る（フランス語）
アクセス情報
エランクールの丘へは、サン・カンタン・アン・イヴリーヌ駅（RER C線、中央パリのモンパルナス駅からN線、ラ・デファンス駅からU線）から運行するシャトルバスで直接アクセスできる。
来場者は時間に余裕を持って早めに会場へ到着することが推奨される。
