競泳女子・パリ2024 日本代表メンバー13選手を一挙紹介！
パリ2024オリンピックの競泳は、7月27日から8月4日までの9日間にわたり、パリ郊外のナンテールにあるパリ・ラ・デファンス・アリーナで実施される。「トビウオジャパン」こと競泳日本代表チーム、総勢27人（男子14人・女子13人）の選手がパリの舞台で熱戦を繰り広げる。
3大会連続出場の瀬戸大也、池江璃花子、2大会ぶりの出場となる鈴木聡美、渡辺一平の他、東京2020で2個の金メダルを獲得した大橋悠依、同銀メダリストの本多灯らが出場する。
ロンドン2012で11個のメダルを獲得した日本代表チームは、リオ2016で7個、東京2020で3個を獲得している。パリ2024ではどんな活躍を見せるだろうか。
ここでは、パリ2024競泳女子日本代表メンバー13選手を紹介する。
競泳・女子日本代表
＊年齢は2024年7月26日現在
鈴木聡美（すずき・さとみ）
- 生年月日：1991年1月29日（33歳）
- 出身地：福岡県
- オリンピック歴：ロンドン2012女子200m平泳ぎ銀メダル・100m平泳ぎ銅メダル・4×100mメドレーリレー銅メダル、リオ2016女子100m平泳ぎ・4×100mメドレーリレー
- 自己ベスト（長水路）：女子50m平泳ぎ30秒10（日本記録）、100m平泳ぎ1分05秒91、200m平泳ぎ2分20秒72
- パリ2024オリンピック代表種目：女子100m・200m平泳ぎ
オリンピック競泳日本代表として最年長であることが注目される鈴木聡美だが、昨年の世界水泳福岡大会の女子100m平泳ぎで14年ぶりに自己ベストを更新したと思えば、今年3月の代表選考会ではそれをさらに更新して1分05秒台の新たな領域に突入した。昨年10月には50m平泳ぎで日本記録を樹立している。進化を続ける33歳。
「ロンドンの表彰台から見た景色をもう一度見たい」と強い意志を持ってチームを引っ張る。
青木玲緒樹（あおき・れおな）
- 生年月日：1995年2月24日（29歳）
- 出身地：東京都
- オリンピック歴：東京2020女子100m平泳ぎ
- 自己ベスト（長水路）：女子100m平泳ぎ1分05秒19（日本記録）
- パリ2024オリンピック代表種目：女子100m平泳ぎ
女子100m平泳ぎで現在の日本記録を持つ青木玲緒樹。初めてのオリンピックだった東京2020では予選落ちという失意の中を這い上がり、翌年3月には8年ぶりとなる日本記録を更新。昨年9月のアジア競技大会（中華人民共和国・杭州）では、鈴木との接戦を制し金メダルに輝いている。
世界のレベルは年々上がっているとはいうものの、青木が持つ日本記録1分05秒19は東京2020で銀メダルを獲得したタチアナ・スクンマーカー（南アフリカ）の記録（1分05秒22）に勝っている。自らの日本記録を更新する勢いで臨めば、表彰台は見えてくるかもしれない。
平井瑞希（ひらい・みずき）
- 生年月日：2007年3月7日（17歳）
- 出身地：愛知県
- オリンピック歴：オリンピック初代表
- 自己ベスト（長水路）：女子100mバタフライ56秒91
- パリ2024オリンピック代表種目：女子100mバタフライ
「トビウオジャパン」日本代表メンバーの高校生トリオといえば、女子400m個人メドレーの成田実生と男子リレーの村佐達也、そして平井瑞希だ。今年3月の代表選手選考会女子100mバタフライ決勝では、ずっと憧れだったという池江を破って優勝し競泳界を驚かせた。くしくも、池江がリオ2016で初めてオリンピックに出場した時も高校生だった。進化の可能性を大きく秘めた平井は、パリ2024でも世界を驚かせることだろう。
池江璃花子（いけえ・りかこ）
- 生年月日：2000年7月4日（24歳）
- 出身地：東京都
- オリンピック歴：リオ2016女子50m・100m・200m自由形・100mバタフライ（5位）・4×100mフリーリレー（8位）・4×200mフリーリレー（8位）・4×100mメドレーリレー（バタフライ）、東京2020女子4×100mメドレーリレー（8位）・4×100mフリーリレー・混合4×100mメドレーリレー
- 自己ベスト（長水路）：女子50m自由形24秒21、100m自由形52秒79、200 m自由形1分54秒85、50mバタフライ25秒11、100mバタフライ56秒08（いずれも日本記録）
- パリ2024オリンピック代表種目：女子100mバタフライ・4×100mフリーリレー
今年3月の代表選考会女子100mバタフライで、池江璃花子は病気の治療から復帰後のベストタイム（57秒03）をマーク。また、現在の練習拠点としているオーストラリアで、4月に出場したオーストラリアンオープン女子50mバタフライ決勝において、自らの日本記録まで0秒22となる25秒33で優勝している。
この時、池江は自身のソーシャルメディアアカウントで「泳速は確実に2018より上がってる！当時のアジア（競技大会）より速かった。やっと見えなかった昔の自分が見えてきた」と語っている。
過去の自分を超えた先には必ずメダルが見えてくるはずだ。「自分にワクワクしています」と、池江は代表選考会の後に話した。
三井愛梨（みつい・あいり）
- 生年月日：2004年6月12日（20歳）
- 出身地：神奈川県
- オリンピック歴：オリンピック初代表
- 自己ベスト（長水路）：女子200mバタフライ2分06秒54
- パリ2024オリンピック代表種目：女子200mバタフライ
昨年7月の世界水泳福岡大会女子200mバタフライで5位入賞の三井愛梨。同9月のアジア競技大会杭州では7位に終わり精彩を欠いたが、今年3月の代表選考会では自己ベストを更新して優勝しパリ2024代表の切符を手繰り寄せた。
上り調子の19歳は現在進化中だ。勢いに乗って自己ベストをさら更新することができれば、20歳で迎えるパリで表彰台に手が届くかもしれない。
牧野紘子（まきの・ひろこ）
- 生年月日：1999年8月20日（24歳）
- 出身地：千葉県
- オリンピック歴：オリンピック初代表
- 自己ベスト（長水路）：女子200mバタフライ2分06秒92
- パリ2024オリンピック代表種目：女子200mバタフライ・4×100mフリーリレー
牧野紘子はリオ2016の時からオリンピックを目指してきた。しかし、東京2020でも代表の座を得ることはできなかった。そして3度目の正直でつかみ取ったパリ2024代表。誰よりも強い思いで夢の舞台へ臨むことだろう。
昨年9月のアジア競技大会杭州の女子200mバタフライでは、東京2020の同種目で金メダルのジャン・ユーフェイ（中華人民共和国）と競い合い銅メダルを獲得している。
大橋悠依（おおはし・ゆい）
- 生年月日：1995年10月18日（28歳）
- 出身地：滋賀県
- オリンピック歴：東京2020女子200m・400m個人メドレー金メダル
- 自己ベスト（長水路）：女子200m個人メドレー2分07秒91、400m個人メドレー4分30秒82（いずれも日本記録）
- パリ2024オリンピック代表種目：女子200m個人メドレー
東京2020以降、特に力を入れて取り組んできたという女子200m個人メドレーでパリ2024に出場する大橋悠依。3月の代表選考会の後、「東京は、オリンピック出場が最後になると思っていた。またオリンピックの舞台でチャレンジできるのはすごく嬉しい」と喜びを語っていた。
パリ2024へは競泳人生の集大成として挑む。「自分の持っている能力を最大限に出して1番いい泳ぎをしたい」と話す大橋は、5月25日からフランス・カネで始まる欧州グランプリ（Mare Nostrum Swim Tour）に参戦した後、スペイン・シエラネバタ（標高2300m）での高地トレーニングに臨みパリを目指す。
松本信歩（まつもと・しほ）
- 生年月日：2002年4月3日（22歳）
- 出身地：静岡県
- オリンピック歴：オリンピック初代表
- 自己ベスト（長水路）：女子200m個人メドレー2分09秒90
- パリ2024オリンピック代表種目：女子200m個人メドレー
今年2月のコナミオープン水泳競技大会女子200m個人メドレー決勝では、大橋と競り同タイム優勝を果たした。3月の代表選考会では大橋に続いて2位に入りパリ2024代表の座を獲得した。代表になることはできなかったが、100mバタフライでマークした57秒31は日本学生新記録となった。
成田実生（なりた・みお）
- 生年月日：2006年12月18日（17歳）
- 出身地：東京都
- オリンピック歴：オリンピック初代表
- 自己ベスト（長水路）：女子400m個人メドレー4分35秒40
- パリ2024オリンピック代表種目：女子400m個人メドレー
日本代表メンバーの高校生トリオのもうひとり、成田実生は昨年7月の世界水泳福岡大会女子400m個人メドレーで8位入賞を果たし急成長を遂げている。同9月のアジア競技大会杭州では谷川亜華葉に次いで銅メダルを獲得した。
今年3月の代表選考会の女子200m個人メドレーでは、2022年日本選手権で大橋、松本の両者に競り勝って優勝していただけに3位に終わり涙したが、持ち前の笑顔で400m個人メドレーに集中してくることだろう。
谷川亜華葉（たにがわ・あげは）
- 生年月日：2003年6月15日（21歳）
- 出身地：大阪府
- オリンピック歴：東京2020女子400m個人メドレー
- 自己ベスト（長水路）：女子400m個人メドレー4分35秒60
- パリ2024オリンピック代表種目：女子400m個人メドレー
2022年世界水泳ブダペスト大会8位の谷川亜華葉は、昨年9月のアジア競技大会杭州の女子400m個人メドレーで銀メダルを獲得している。今年3月の代表選考会では、この時マークした自己ベストをさらに上回るタイムで代表の座を獲得した。高校3年生の時に東京2020でオリンピックを経験した谷川は、現在同じく高校3年生の成田とともに同じ種目でパリの舞台を目指す。
小堀倭加（こぼり・わか）
- 生年月日：2000年8月10日（23歳）
- 出身地：奈良県
- オリンピック歴：東京2020女子400m・800m自由形
- 自己ベスト（長水路）：女子100m自由形57秒08、200 m自由形1分58秒22
- パリ2024オリンピック代表種目：女子4×200mフリーリレー
東京2020代表の小堀倭加は、昨年9月のアジア競技大会杭州の女子400m自由形で銅メダル、800mで銀メダルを獲得した。また、白井璃緒（りお）、池本凪沙（なぎさ）らと臨んだ女子4×200mフリーリレーで銀メダルに輝いた。
今年3月の代表選考会女子200 m自由形では自己ベストを更新（1分58秒22）して優勝したものの、派遣標準記録（1分56秒55）を突破できなかったため個人種目での代表とはならなかった。同800m自由形でも優勝し、こちらも派遣標準記録（8分22秒49）をクリアできなかったが、リレーチームのメンバーのひとりとして出場する。
白井璃緒（しらい・りお）
- 生年月日：1999年9月10日（24歳）
- 出身地：兵庫県
- オリンピック歴：東京2020女子4×200mフリーリレー
- 自己ベスト（長水路）：女子100m自由形54秒27、200 m自由形1分56秒82、女子 100m 背泳ぎ59秒43
- パリ2024オリンピック代表種目：女子フリーリレー・背泳ぎ
白井璃緒は、3月の代表選考会の女子100m背泳ぎで優勝しているが（1分00秒27）、派遣標準記録（59秒49）を突破できず涙をのんだ。また、女子200m自由形では2位に入ったものの（1分58秒27）、派遣標準記録（1分56秒55）の壁が立ちはだかり個人種目での出場とはならなかった。
東京2020ではリレーメンバーとして出場した白井は、昨年9月のアジア競技大会杭州の女子4×200mフリーリレーでは小堀、池本らとともに銀メダルを獲得している。また、女子4×100mフリーリレーでも池江、池本らと泳ぎ銀メダルに輝いた。パリ2024でもリレーチームでの活躍が期待される。
池本凪沙（いけもと・なぎさ）
- 生年月日：2002年8月25日（21歳）
- 出身地：京都府
- オリンピック歴：東京2020女子4×200mフリーリレー
- 自己ベスト（長水路）：女子100m自由形54秒11、200 m自由形1分58秒04
- パリ2024オリンピック代表種目：女子4×200mフリーリレー
昨年7月の世界水泳福岡大会女子4×100mフリーリレーで8位に入賞した時のチームメンバーだった池本凪沙。東京2020に続き、パリ2024でもリレーチームのメンバーのひとりとして出場する。
9月のアジア競技大会杭州の女子4×200mフリーリレーでは小堀、白井らとともに銀メダルを獲得している。また、同大会3連覇を目指して臨んだ女子4×100mメドレーリレーでは、青木、牧野らと泳ぎ金メダルに輝いた。