池江璃花子、パリ派遣記録突破!「自分を超えられるのは、自分しかいない」国際大会代表選考会2024女子100mバタフライ
東京アクアティクスセンター(東京都江東区)にて行われている競泳の国際大会代表選手選考会は、3月18日に大会2日目を迎え、4種目の決勝を実施した。
女子100mバタフライ決勝には、リオ2016と東京2020で日本代表を務めた池江璃花子(写真右)が登場。前日(17日)の準決勝でトップのタイムをマークしていた池江は、準決勝2位通過の高校生スイマー・平井瑞希(写真左)に1位(タイム:56.91)の座こそ許したものの、タイム57.30を記録したことで、開幕まで130日と迫るパリ2024の派遣標準記録(57.34)を上回り、かつ代表選考の対象となる2位でフィニッシュしたことから、自身連続3度目となるオリンピック代表の内定の座を勝ち取った。また、3位の松本信歩は、池江とわずか0.01秒差となるタイム(57.31)でゴールし、日本学生新記録を樹立している。
レース後に喜びを語った池江のコメントは、以下の通り。
「こんなところで腐りたくないし、もっともっと上に行きたい」
「ほんとに嬉しいです。もう、その気持ちでいっぱいです」
「ここでちゃんと派遣(記録)を切れたっていうのは、 本当によかったですし、自分の目標であるパリの切符を掴んだことと、今の自分にすごく満足しています」
「前に平井選手がいるなっていうのは見えていて。(2位争いの)最後は、手の長さを生かしたタッチだったかなと思います(笑)」
「(この先)56秒台はすぐに出ると思うので、自分のレースが楽しみになった。今までは、100mの怖さだったり、そういうものと戦っていた。久しぶりに、高校生ぶりに、レースが楽しみでワクワクして、何秒出るんだろうっていう気持ちになって、 そういう気持ちを取り戻せたっていうことが、自分の中で大きい収穫だったかなと思います」
「表現の仕方が難しいんですけど、もう嬉しいっていう言葉しか出てこない。泣いていない自分にもちょっと驚いてるというか…いつもだったら嬉しくて泣いていたんですけど、今は達成感がすごく大きくて。(練習拠点の)オーストラリアに帰ったら、みんなに『パリ決めたよ』っていう報告ができることが、すごく嬉しい。この自分の勢いをまたチームメイトたちにも繋げていきたい」
「(今大会の)自分のレースもまだ残っていて、すごくいい意味で緊張感がほどけた状態であると思うので、残りの2レースは全力で、自分の力がどこまで出せるんだろうっていうワクワクを持ちながら泳ぎたい」
「とにかく、楽しみながらちゃんと水泳をできるように戻ってこれたことが、今回の派遣(記録)を切れる大きな要因だったと思う。もっともっと水泳が楽しいって思って、きついことも楽しいって思えて、そういう日をどんどん増やしていけたらなと思います」
「(病気から)復帰した時も、100mのバタフライで高校生に負けることが何回かあって。『もう2度と私に勝てることはないよ』っていう強い気持ちで練習を取り組んできた。改めてその気持ちを強く持って、またオーストラリアへ戻っても、しっかり強化を積んでいって、悔いのないようなパリの結果を出していきたいと思います」
「(パリ2024では)決勝に残ることが1番の目標。15歳の時の自分の記録を、今の段階で超えてるので、 16歳で出場したリオオリンピックの決勝のタイムを自分がちゃんと上回ること。自分を超えられるのは、自分しかいないので、そこを信じて、 コーチを信じて、自分を信じて、泳いでいきたい」
「自分ができないって思ってたことも、水泳を通してできるようになったり、いろんなチャンスを掴ませてくれる経験をさせてくれるのが水泳だと思う。 改めてですけど、本当に水泳に出会えてよかったなって思うし、ここまで戻ってこれてよかったなと思う。だけど、こんなところで腐りたくないし、もっともっと上に行きたいですし、もっともっと上に行ける自分もいるって思っている。 とにかく、自分にワクワクしています」
このほか、大会2日目には男子400m個人メドレーの決勝が行われ、高校3年生の松下知之が派遣標準記録(4:10.63)を上回るタイム(4:10.04)をマークして優勝した。また、リオ2016同種目で銅メダリストの瀬戸大也は、全体2位のタイム(4:10.84)を記録するも、派遣記録突破とはならなかった。
なお、オリンピック代表選手に関しては、各国内オリンピック委員会(NOC:日本の場合、日本オリンピック委員会/JOCを指す)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。
競泳の国際大会代表選手選考会2024の結果は、下記より確認できる。
パリ2024日本代表選考
パリ2024オリンピック競泳の日本代表選手選考対象大会となる「国際大会日本代表選手選考会」では、個人種目で派遣標準記録(下表の通り)を突破した選手が、代表選考の対象となる。なお、同記録を突破した選手が3名以上いる場合は、上位2名を選考する。上位2名までの者の中に、同じ記録の者が複数存在するために、上位2名を決定することができない場合は、スイムオフを実施し、その上位者を選考する。スイムオフの実施方法は競技委員会がその都度決定する。
日本水泳連盟は各種目の派遣標準記録について、以下の通り説明をしている。
「2017年から2023年に開催されたオリンピックまたは世界選手権の各準決勝10位の記録及び各予選10位の記録(準決勝のない種目については 予選10位の記録によることとした)のうち最高記録とした。但し、400m個人メドレー(女子)については、同最高記録がオリンピック参加標準記録を下回っているため、オリンピック参加標準記録によることとした(今後、オリンピック参加標準記録に変動が生じた場合はそれに準ずることとする)。」