本多灯が今大会2冠!池江璃花子は銅メダル/アジア競技大会2022杭州・競泳6日目

アジア競技大会競泳の最終日。男子200mバタフライで本多灯が今大会2冠を達成。小堀倭加が今大会2個目のメダルとなる銀。池江璃花子は個人種目では初となる銅メダルを獲得した。最終日を締めくくったのは日本女子4x100mメドレーリレーの金メダル!

1 執筆者 Hirotaka Hikoi
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9月24日(日)から始まった第19回アジア競技大会(中華人民共和国・杭州)競泳競技は、29日(金)で最終日を迎えた。

6日目最終日の9月29日(金)は、女子50mバタフライ、男子50m平泳ぎ、女子800m自由形、男子200m背泳ぎ、男子400m自由形、男子200mバタフライ、女子4x100mメドレーリレーの7種目が実施され、16名の日本代表選手が出場した。

日本は、男子200mバタフライと女子4x100mメドレーリレーで2個の金メダル、女子800m自由形で銀メダル、女子50mバタフライと男子200m背泳ぎで2個の銅メダルを獲得し5個のメダルに輝いた。

ここでは、競泳6日目最終日の日本代表選手の結果をまとめた。

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女子50mバタフライ

前回2018年ジャカルタ大会で金メダルを獲得した池江璃花子(りかこ)と、今大会女子100mバタフライで銀メダルを獲得した相馬あいが出場。予選では、同種目の日本記録(25秒11)保持者の池江は26秒22、相馬は26秒28でそれぞれ全体の3位と4位となり決勝に進出した。池江は今大会でまだ個人種目でのメダルがなく、競泳最終日のこの種目でメダル獲得が期待された。

決勝では、今大会5冠を達成し、この種目のアジア記録(25秒05)保持者のジャン・ユーフェイ(中華人民共和国)が独走し1位。今大会女子200mおよび400m個人メドレーでの金メダルを含む3冠を達成している同国のユー・イーティンもそれに続き、連覇がかかっていた池江は3位でフィニッシュ。

レース後、池江はテレビのインタビューに「絶対に(個人種目で)メダルを取りたかった。最後に達成できてよかった」とメダル獲得に喜びの表情を見せた。また、「50mバタフライにかける意地を見せられた。今できることは最大限できた」、「本当だったらすごい差をつけてゴールしたいところではあるんですけど、今の自分にとっては、『最後の最後のタッチで勝つ』『ぎりぎりでも勝つ』という勝ち癖をつけていくという(ことが重要。その)意味でいいレースができたと思う」と話した。

表彰式の後、池江と優勝したジャン・ユーフェイは涙しながら抱き合い喜びを分かち合った。

  • 🥇 ジャン・ユーフェイ(中華人民共和国)25秒10(アジア競技大会記録)
  • 🥈 ユー・イーティン(中華人民共和国)25秒71
  • 🥉 池江璃花子(日本)26秒02
  • 4位 相馬あい(日本)26秒07

男子50m平泳ぎ

前日の男子200m平泳ぎで銅メダルを獲得した渡辺一平と、今大会個人種目で初出場となる日本(ひのもと)雄也が出場。予選では、日本は27秒39、渡辺は28秒05でそれぞれ全体の4位と6位となり決勝に進出した。

この種目でアジア記録(26秒20)を持ち、今大会では男子100mおよび200m平泳ぎで金メダルを獲得したタン・カイヨウ(中華人民共和国)が5冠を目指す。

決勝では、タンが前に出る展開となり日本は3位争いに加わったが最後は予選よりタイムを落として4位に終わった。競泳2日目の男子100m平泳ぎで銅メダルを獲得した大韓民国のチェ・ドンヨルが3位だった。

  • 🥇 タン・カイヨウ(中華人民共和国)26秒35
  • 🥈 サン・ジャージュン(中華人民共和国)26秒92
  • 🥉 チェ・ドンヨル(大韓民国)26秒93
  • 4位 日本雄也(日本)27秒61
  • 6位 渡辺一平(日本)28秒23

女子800m自由形

今大会の女子400m自由形で銅メダル、前回大会同種目で銅メダルの小堀倭加(わか)と難波実夢(みゆ)が出場。

決勝では、今大会女子400mおよび1500m自由形で金メダルを獲得しているリ・ヒョウケツ(中華人民共和国)と同国の16歳ヤン・ペイチーが先を行くが、自己ベスト更新ペースを刻む小堀がじわじわとヤンとの差を縮め600mで2位に浮上。最後は自己ベスト更新にはならなかったが、5年前より順位を上げて見事、銀メダルを獲得した。難波は5位だった。リは今大会5個目の金メダルを獲得した。

  • 🥇 リ・ヒョウケツ(中華人民共和国)8分20秒01
  • 🥈 小堀倭加(日本)8分28秒78
  • 🥉 ヤン・ペイチー(中華人民共和国)8分35秒47
  • 5位 難波実夢(日本)8分39秒34

男子200m背泳ぎ

日本の若きホープ19歳の竹原秀一(ひでかず)と、2023年世界水泳福岡大会8位の栁川大樹が出場。予選では、竹原が1分59秒78、栁川が2分01秒31でそれぞれ全体の1位と5位となり決勝に進出した。竹原はこれが個人種目初出場。この種目のアジア記録は、2009年に入江陵介がマークした1分52秒51。

決勝では、前回大会で男子平泳ぎ全種目を制し、今大会でもすでに男子50mおよび100m背泳ぎを制しているシュー・ジアユ(中華人民共和国)が今大会5冠目を狙った。また、今大会男子100m背泳ぎで銅メダルのイ・ジュホ(大韓民国)にも注目が集まった。今大会で個人種目初出場となった竹原は終始3位につけ、そのままフィニッシュ。アジア競技大会で初のメダル獲得となった。栁川は4位だった。

  • 🥇 シュー・ジアユ(中華人民共和国)1分55秒37
  • 🥈 イ・ジュホ(大韓民国)1分56秒54
  • 🥉 竹原秀一(日本)1分57秒63
  • 4位 栁川大樹(日本)1分58秒37

男子400m自由形

今大会で男子1500m自由形6位の井本一輝(いっき)と男子800m自由形6位の田渕海斗が出場。予選では、田渕が3分52秒28、井本が3分53秒62でそれぞれ全体の3位と7位となり決勝に進出した。

決勝では、今大会男子800m自由形で金メダル、同1500m自由形では銀メダルを獲得している大韓民国のキム・ウーミン、男子800m自由形銅メダルのグエン・フィ・ホアン(ベトナム)、そして、男子50m自由形銅、男子100m自由形金、200m自由形銀メダルのハン・テンラク(中華人民共和国)が、今大会7レース目のこの種目でもメダルを狙った。田淵が前半から積極的に攻め3位争いに加わる中、前半を抑えた井本が最後ペースアップを図って前に出るが5位に終わった。井本は7位。

  • 🥇 キム・ウーミン(大韓民国)3分44秒36
  • 🥈 ハン・テンラク(中華人民共和国)3分48秒81
  • 🥉 グエン・フィ・ホアン(ベトナム)3分49秒16
  • 5位 井本一輝(日本)3分50秒09
  • 7位 田渕海斗(日本)3分50秒63

男子200mバタフライ

この種目の東京2020銀メダリストで、世界水泳では2大会連続の銅メダルを獲得している本多灯(ともる)と森本哲平が出場。本多は、今大会の男子400m個人メドレーで金メダルを獲得している。

予選では、本多が1分53秒30で全体の1位。この記録は、2010年に松田丈志が記録したアジア競技大会記録を更新し他を圧倒するタイム。今大会で初レースとなった森本も1分58秒51で全体の7位となり共に決勝に進出した。

日本代表がこれまでにアジア競技大会3大会連続金メダル獲得の伝統をもつこの種目。決勝では、本多がスタートから飛ばした。100mのターンですでに体ひとつ分のリードを取り後続を突き放す。終始安定した泳ぎで予選よりさらにアジア競技大会記録を更新して1位となり、今大会2個目の金メダルを獲得。森本は7位だった。

レース後に、テレビのインタビューに応じた本多は「きつかったががんばった。金をとれてよかった」と喜びを表現した。また、「(インタビューした松田に向けて)自分が大会記録を更新しました」と偉大な先輩に結果を報告した。そして、最後に「着実にステップアップできているのでパリに向けてがんばりたい」と今後の抱負を語った。

  • 🥇 本多灯(日本)1分53秒15(アジア競技大会記録)
  • 🥈 オウ・カンコウ(Chinese Taipei)1分54秒53
  • 🥉 チェン・ジュネル(中華人民共和国)1分56秒04
  • 7位 森本哲平(日本)1分59秒01

女子4x100mメドレーリレー

アジア競技大会競泳最終日の最後を飾るこの種目。女子日本代表チームは、これまでにアジア競技大会2大会連続で金メダルを獲得しており、3連覇がかかる1戦となった。予選では、女子50m背泳ぎ銅メダルの高橋美紀、女子100m平泳ぎで金メダルに輝いた青木玲緒樹(れおな)、女子200mバタフライ銅メダルの牧野紘子(ひろこ)、出場したリレー3種目全てで銀メダルを獲得していた池本凪沙(なぎさ)がアンカーで臨み予選1位。予選では中華人民共和国チームが失格となっていた。

決勝は、最初の種目となる背泳ぎでシーズンベストを記録した高橋が3位の好位置で2番手の青木につなぐ。青木はそこで2位に浮上。さらに牧野に代わって泳いだ、今大会の女子100mバタフライで銀メダルを獲得している相馬あいがバタフライでつなぐと1位に。2秒差をつけて最後はアンカーの池本が泳ぎ切りこの種目3連覇を達成した。

レース後、テレビのインタビューでバタフライを泳いだ相馬は「3人に支えられて泳ぐことができて感謝したいです」と話し、また優勝のタッチをした池本は「この4人でリレーを組めることをとても嬉しく思っていたので、しっかりとラストを1位でつなげて優勝することができて本当に嬉しいです」と喜びの表情で語った。

  • 🥇 日本 3分57秒67
  • 🥈 大韓民国 4分00秒13
  • 🥉 ホンコン・チャイナ 4分01秒72

6日間の競泳が終わり、最終的に日本代表「トビウオジャパン」は、金メダル5個、銀メダル10個、銅メダル15個の合計30個のメダルに輝いた。

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