後半戦に突入した世界水泳選手権2023福岡大会では、7月23日より競泳の競技スケジュールが始まった。
瀬戸、第1号メダルで銅!マルシャンが世界新記録
午前中に行われた男子400m個人メドレーの予選には、日本代表2名を含む30名がエントリー。このうち、全体3位となって予選突破を果たした瀬戸大也は、夜に行われた決勝に3レーンから出場。ホームの会場に相応しく、日の丸を掲げた応援団からの大声援を受けてスタートを切った瀬戸は、最初のバタフライ前半で上位選手と肩を並べながらレースを展開するも、背泳ぎ、平泳ぎとメニューが変わるにつれて、徐々に遅れを取る。一時は、4位に後退する場面もあったが、最後のフリースタイルでは意地の泳ぎを見せ、タイム4:09.41で堂々の3位に入り、競泳では今大会第1号のTEAM JAPANメダリストに輝いた。
なお、この種目の優勝は、フランス代表のレオン・マルシャンで、「水の怪物」と称され、通算28個のオリンピックメダルを獲得しているマイケル・フェルプス(アメリカ合衆国)がもつ世界記録を1秒以上も更新するタイム4:02.50を叩き出し、会場をどよめかせた。2位には、予選トップ通過のカーソン・フォスター(アメリカ)が入り、タイムは4:06.56だった。本田灯は、予選敗退となっている。
「気合が入るような結果だった」
表彰式を終えた瀬戸が、世界に衝撃を与えたレースを振り返る。
「遅いですね、タイム。メダルを取れたことは良かったんですけど、ベストタイムを出せば銀(メダル)は取れていますし、 自分が掲げた目標を達成できなかったことが悔しい。ここぞという時にタイムが出せないっていうのが、自分らしくないなと。ただ、もう最後は、意地でもメダルを取ろうと、 (4位の)チェイスと、29歳同士の勝負をしていました(笑)」
世界記録を塗り替えたレオン・マルシャンは、瀬戸と6.91秒差でゴールしている。
「最初の200mでめちゃくちゃ置いてかれていますし、レオン選手は56秒で回っているって聞いたので、自分のベストラップで比較しても1秒ぐらい前に行かれてる状況。なので、パリの金メダルは正直、果てしない、厳しい戦いになるっていうのを今回で体感した」
しかし、瀬戸はどんな結果でも前を向いている。
「ただ、0パーセントではないと思う、金メダルを取れる確率も。その少ないパーセンテージをいかに大きくできるかっていうのも、 自分のここからの1年の頑張りだと思う」
「来年の(オリンピック)本戦になった時に、マルシャンの隙を突くとか、自分が大どんでん返しをするっていうのも、これからのトレーニング次第だと思うので、すごく気合が入るような結果だった」
瀬戸はすでにフランスの首都で行われるレースを見つめている。
「来年に向けては、自分にすごく喝も入れられたと思いますし、今回の反省をしっかりと次につなげていきたいと思います」
その前に、瀬戸には2023福岡大会の200m個人メドレーの出場が控えている。その予選と決勝は、パリ2024が開幕するちょうど1年前に当たる7月26日に行われる。
「(400mの)予選から、イメージよりも全体的に遅いっていう場面がたくさんあった。(200mの競技まで)2日空くので、しっかりと疲れを取りつつ、このレースの刺激も入っているので、スプリント系もしっかりと立ち上げて、200mで次に繋がるようなレースができたらと思います」
女子4x100mフリーリレー決勝に出場したTEAM JAPAN(池江璃花子・池本凪沙・神野ゆめ・白井璃緒)は、タイム3:38.61で8位となった。優勝は、ワールドレコードとなる3:27.96というタイムを記録したオーストラリアだった。
女子200m個人メドレー準決勝では、Tokyo2020でメドレー種目の2冠に輝く大橋悠依が、全体5位のタイム(2:10.32)で、翌日(24日)の決勝進出を決めた。成田実生は12位(2:12.24)となり、準決勝敗退。
女子100mバタフライ準決勝に出場した相馬あいは、全体14位(58.27)で決勝進出とはならなかった。また、池江璃花子は予選敗退となっている。
このほか競泳では、女子400m自由形決勝が行われ、アリアン・ティットマス(オーストラリア)が世界新記録となるタイム3:55.38をマークして優勝を飾っており、競泳の初日だけて3つの世界記録が福岡で誕生している。
競泳日本代表のすべての成績は、以下より確認できる。また、Olympics.comでは競泳の準決勝ならびに決勝のスケジュール時間帯(毎日20時頃を目安)に、ライブブログ形式で結果を速報する予定だ。