サーフィンWSLチャンピオンシップ・ツアー2023の全日程、注目選手、見どころを紹介

パリ 2024

パリ2024サーフィン競技の出場権がかかるWSLチャンピオンシップ・ツアー2023。全日程や見どころを紹介しよう。

2 執筆者 Ash Tulloch
Inside the iconic wave of Teahupo'o Tahiti
(2019 World Surf League)

2023年のワールドサーフリーグ(WSL)チャンピオンシップツアー(CT)は、これまで以上に見どころ満載のシーズンになることは間違いない。

新しく6人のサーファーが参戦し、スーパースターたちが負けじと世界の頂点を目指すだけでなく、今年のCTでは、女子8人、男子10人にパリ2024オリンピックのサーフィン出場権が与えられる。

WSLチャンピオンシップツアーは7ヶ国で10戦が行われ、昨年同様、男女同じ大会日程、同じ会場、同じ賞金となる。

4月末にはシーズン半ばの「足切り」が行われ、出場選手が大幅に減らされる。第10戦を終えた後には上位選手のみでファイナルが行われ、戦いは幕を閉じる。

そんな今シーズンの戦いが、2023年1月29日にハワイでいよいよ始まる。

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WSLチャンピオンシップ・ツアー2023の出場者

2023年の女子チャンピオンシップ・ツアーの出場者(※印はツアー1年目のサーファー)

  • ステファニー・ギルモア(オーストラリア)
  • カリッサ・ムーア(アメリカ合衆国/ハワイ)
  • ジョアン・ドフェ(フランス)
  • タチアナ・ウェストンウェブ(ブラジル)
  • ブリサ・エネシ(コスタリカ)
  • レイキー・ピーターソン(アメリカ合衆国)
  • コートニー・コンローグ(アメリカ合衆国)
  • タイラー・ライト(オーストラリア)
  • ガブリエラ・ブライアン(アメリカ合衆国/ハワイ)
  • イザベラ・ニコルズ(オーストラリア)
  • ベティルー・サクラ・ジョンソン(アメリカ合衆国/ハワイ)
  • メイシー・キャラハン(オーストラリア)
  • モリー・ピクラム(オーストラリア)
  • ケイトリン・シマーズ(アメリカ合衆国)※
  • ソフィー・マカロック(オーストラリア)※
  • キャロライン・マークス(アメリカ合衆国)…WSLシーズン・ワイルドカード
  • サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)…WSLシーズン・ワイルドカード

怪我や病気などによりCTで欠場者が出た場合は、ポルトガルのテレザ・ボンバロトが優先的に出場する。

2023年の男子チャンピオンシップ・ツアーの出場者(※印はツアー1年目のサーファー)

  • フィリペ・トレド(ブラジル)
  • イタロ・フェレイラ(ブラジル)
  • ジャック・ロビンソン(オーストラリア)
  • イーサン・ユーイング(オーストラリア)
  • 五十嵐カノア(日本)
  • ミゲル・プポ(ブラジル)
  • グリフィン・コラピント(アメリカ合衆国)
  • カイオ・イベリ(ブラジル)
  • コナー・オレアリー(オーストラリア)
  • カラム・ロブソン(オーストラリア)
  • サミュエル・プポ(ブラジル)
  • ジョン・ジョン・フローレンス(アメリカ合衆国/ハワイ)
  • マシュー・マギリヴレー(南アフリカ)
  • ジョーディー・スミス(南アフリカ)
  • ケリー・スレーター(アメリカ合衆国)
  • バロン・マミヤ(アメリカ合衆国/ハワイ)
  • ナット・ヤング(アメリカ合衆国)
  • ジェイク・マーシャル(アメリカ合衆国)
  • コロヘ・アンディノ(アメリカ合衆国)
  • ジャジソン・アンドレ(ブラジル)
  • セス・モニーツ(アメリカ合衆国/ハワイ)
  • ジャクソン・ベイカー(オーストラリア)
  • レオナルド・フィオラバンティ(イタリア)
  • ライアン・カリナン(オーストラリア)
  • リオ・ワイダ(インドネシア)※
  • マキシム・ハセナット(フランス)※
  • ラムジ・ブーヒアム(モロッコ)※
  • マイケル・ロドリゲス(ブラジル)
  • イアン・ジェンティル(アメリカ合衆国/ハワイ)※
  • ジョアン・チアンカ(ブラジル)
  • リアム・オブライエン(オーストラリア)
  • エゼキエル・ラウ(アメリカ合衆国/ハワイ)
  • ガブリエウ・メジーナ(ブラジル)…WSLシーズン・ワイルドカード
  • ヤゴ・ドラ(ブラジル)…WSLシーズン・ワイルドカード

怪我や病気などによりCTで欠場者が出た場合は、コスタリカのテレザ・ボンバロトが優先的に出場する。

WSLチャンピオンシップ・ツアー2023の見どころ

毎年多くのニューフェイスがこの世界最高峰のサーフィンツアーに参戦する。

今年は6人のサーファーがCTデビューを飾る。その中でもサーフィン界を最も賑わすことになりそうなのがインドネシア代表のリオ・ワイダとアメリカ合衆国のケイトリン・シマーズのふたり。

ワイダは、昨シーズンにオーストラリアとバリ島で優勝した注目の選手。一方、17歳のシマーズは、2022年のCT出場権を獲得したものの、ツアーには参戦しなかった。安定感のある彼女の戦いぶりに期待を寄せるファンは少なくないだろう。

オリンピック出場権獲得や、新しい選手たちの活躍以外にも、今シーズンの注目すべき点はたくさんある。

長い間サーフィン界のアイコンとして君臨してきたステファニー・ギルモア(オーストラリア)は、昨年、8度目の優勝を飾り、史上最高の女子サーファーとしてその地位を確固たるものにした。今年もその存在感を示すことが予想されるが、オリンピック王者のカリッサ・ムーア(アメリカ合衆国/ハワイ)は自身6度目の優勝を目指し、ブラジルのタチアナ・ウェストンウェブは初優勝を目標に参戦する。

今年の女子の顔ぶれを見てみると、オーストラリアの選手が7人、アメリカ合衆国の選手が7人と全体の半数以上を占め、彼女たちが戦いを圧倒するのか、それとも他国の選手が波乱を起こすのか、楽しみなシーズンとなることは間違いない。

男子は、3度の優勝を誇るガブリエウ・メジーナ(ブラジル)や2度の優勝経験を持つジョン・ジョン・フローレンス(アメリカ合衆国/ハワイ)などの選手が怪我から復活した。彼らの活躍を抑えて昨年覇者のフィリペ・トレド(ブラジル)が2連覇を達成するのか、あるいはオリンピック金メダリストのイタロ・フェレイラ(ブラジル)が2019年以来の優勝を手にするのか。このほか、ジャック・ロビンソン(オーストラリア)、東京2020銀メダリストの五十嵐カノア、ミゲル・プポ(ブラジル)も控えている。勝者を予想するが難しい戦いが展開されることだろう。

忘れてはならないのが11度の優勝を誇るサーフィン界のレジェンド、ケリー・スレーター。彼は2022年2月にパイプ・マスターズで優勝。50歳の誕生日の1週間前の出来事だ。

ラムジ・ブーヒアムはモロッコ選手として初めてCTに出場し、歴史を刻むことになる。

サーフィン競技、パリ2024オリンピックへの道

パリ2024オリンピックのサーフィン競技の出場権を獲得する方法は複数あるが、そのうちのひとつがこの2023年のWSLチャンピオンシップ・ツアー。出場枠48のうち、このCTで男子10人、女子8人が競技会場となるタヒチ・チョープーへの切符を手にする。

シーズンを通して、アスリートたちはポイントを重ね、これらのポイントに応じて出場権を得るアスリートが決定する。

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WSLチャンピオンシップ・ツアー2023の日程

  • 1月29日~2月10日:ビラボン・プロ・パイプライン(ハワイ)
  • 2月12日~2月23日:ハーレー・プロ・サンセット・ビーチ(ハワイ)
  • 3月8日~3月16日:MEOリップ・カール・ポルトガル・プロ(ポルトガル)
  • 4月4日~4月14日:リップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ(オーストラリア・ビクトリア)
  • 4月20日~30日:マーガレット・リバー・プロ(オーストラリア)

第5戦を終えた時点でミッドシーズンカット(シーズン半ばの足切り制度)が適応され、男子が36人から18人に、女子が24人から12人に減る。ミッドシーズンカットは2022年に導入された。

  • 5月27日~28日:サーフ・ランチ・プロ(アメリカ合衆国)
  • 6月9日~6月18日:サーフシティ・エルサルバドル・プロ(エルサルバドル)
  • 6月23日~7月1日:リオ・プロ(ブラジル)
  • 7月13日~22日:コロナ・オープンJベイ(南アフリカ)
  • 8月11日~8月20日:資生堂タヒチ・プロ(フランス領ポリネシア)

男女それぞれ上位5選手のみがファイナルに出場し、世界一を決める戦いに挑む。

  • 9月7日〜15日:リップ・カールWSLファイナルズ(米トレスルズ・ビーチ)
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