世界各地から270人以上のストリートスケーターがアラブ首長国連邦のシャルジャに集結!
1月29日から2月5日まで開催されるスケートボード・ストリート世界選手権では、トップレベルのスケーターらが世界の頂点を目指して最高のパフォーマンスを披露する。この大会はパリ2024オリンピックの予選も兼ねており、最終結果に応じてランキングポイントが付与される。
イタリアのローマで行われた最初のオリンピック予選大会と同様、世界選手権は男女それぞれのオープン予選から始まり、上位32選手が準々決勝に進出。ここからはプレシード選手となっているオリンピック世界スケートランキング(OWSR)のトップ5の選手が参戦して熱い戦いを繰り広げることになるだろう。
その後、準決勝が続き、2月5日(日)の決勝に進むのはわずか8人。この大会には東京2020オリンピック金メダリストの堀米雄斗やブラジルのレイサ・レアウなどのスター選手のほか、次世代のスターが勢ぞろいする。
スケジュールや注目のスケートボーダーなど、完全ガイドをお届けする。
スケートボード・ストリート世界選手権の注目選手
男子ストリート
ランキング1位のナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)が昨年夏に前十字靭帯を損傷し、その回復に時間を充てているため、シャルジャでの大会終了後には男子ランキングのトップが入れ替わることになるだろう。だが問題は「それが誰なのか」ということだ。
2021年の世界選手権を制し、東京オリンピックで金メダルを獲得した堀米は、その候補の筆頭に挙げられる。
24歳の彼は、2022年のXゲームズでメダルを2つ獲得し、デューツアーで2位、ストリートリーグ・スケートボード(SLS)で2勝を達成した。昨年夏にローマで開催されたパリ2024の予選大会は8位に終わっており、堀米は今回、さらに上を目指すことになるだろう。
一方、21歳のグスタボ・リベイロとローマ大会2位のオーレリアン・ジローもまた、ヒューストンと並ぶ実力を持つスケーターだ。
ポルトガルのリベイロは昨シーズン、SLSスーパークラウンで優勝。フランスのジローはローマでヒューストンとの一騎打ちを繰り広げ、最終的には敗北を喫したものの、プレッシャーに負けない実力を見せつけた。ジローは1年半後に母国で開催されるオリンピックを見据え、ヒューストン不在のチャンスをものにするべく大会に挑むことだろう。
その他にも、ストリートスケートのスター選手が参戦し、世界選手権を盛り上げる。
オーストラリアのシェーン・オニールは、ジャッジを驚かせるだけの実力を持っていることはよく知られているし、ストリートとパークの両方でオリンピック出場権を獲得することを目標に掲げる、オリンピック銅メダリストのジャガー・イートンもいる。
将来が有望な選手たちも世界選手権の舞台で存在感を発揮しようと躍起になっている。アルゼンチンのマウロ・イグレシアスはローマで観客を沸かせて5位に入賞し、プレシード選手としてシャルジャに乗り込むことになる。チームUSAはブラッデン・ホバンの活躍に期待を寄せているだろうし、日本の白井空良は昨年のSLSでの経験を通じて成長した姿を世界選手権で披露してくれるだろう。
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女子ストリート
スケートボード女子ストリートで2022年の後半を揺るがしたひとりのスケーターがいた。オリンピック銀メダリストのライッサ・レアウだ。
SLSを終始席巻した15歳ブラジル出身の彼女は、SLSの4大会すべてで優勝。最終戦としてブラジルのリオデジャネイロで行われたスーパークラウン決勝では、地元の観客の前でトロフィーを掲げた。プレッシャーのかかる場面でも新しい技や安定した滑りを披露してその圧倒的な才能を見せつけており、シャルジャでも間違いなく注目の存在となるだろう。
好調ぶりをのぞかせるレアウに立ち向かうのが、日本のスケーターたちだ。
ローマで行われた予選では、決勝に進出した8人のうち5人が日本からのスケーターで、最終的に3人が表彰台を独占。オリンピック銅メダリストの中山楓奈がその頂点に立った。さらに4位と6位も日本女子が入賞して選手層の厚さを見せつけ、レアウは5位に留まった。
ローマ大会で2位となったオリンピック金メダリストの西矢椛は、2022年のXゲームズ・カリフォルニアとデューツアーで優勝。チームジャパンは優勝を狙えるスケーターを数名かかえて世界選手権に姿を表す。
注目すべき新星は13歳のクロエ・コベル(オーストラリア)だ。
ローマ大会で決勝進出を果たしてそのポテンシャルの片鱗を見せたコベルは、昨年のXゲームズで2度表彰台に立ってメダルを手にした。13歳でこの成績を残したスケーターはコベルを除いて他におらず、彼女が史上最年少のアスリートとなった。 この活躍を受けて、SLSラスベガス大会へのワイルドカードが与えられ、シーズン中と変わらない大胆さを見せて銀メダルを獲得した。
その他、ブラジルのパメラ・ローザ、アメリカ合衆国のポエ・ピンソン、マージーの愛称で知られるマージリン・ディダル(フィリピン)などがトップ8入りを目指すことだろう。
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世界選手権の「シード」とは?
2022年12月15日時点のオリンピック世界スケートランキング(OWSR)において、上位30選手は自動的に大会への出場権を得る。そのうち上位5選手はシード選手としてオープン予選をスキップし、準々決勝から参戦する。
女子ストリートの上位5選手
- 中山楓奈(日本)
- 西矢椛(日本)
- 織田夢海(日本)
- 赤間凛音(日本)
- ライッサ・レアウ(ブラジル)
男子ストリートの上位5選手
- ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)※
- オーレリアン・ジロー(フランス)
- グスタボ・リベイロ(ポルトガル)
- マティアス・デル・オリオ(アルゼンチン)
- マウロ・イグレシアス(アルゼンチン)
※ヒューストンは怪我のためアラブ首長国連邦シャルジャでの世界選手権を欠場する
スケートボード・ストリート世界選手権UAEシャルジャ大会の日程
日程は変更になる可能性もある(以下すべて現地時間。日本は5時間進んでいる)
1月29日(日)
- 9:00〜18:55 男子・女子練習
1月30日(月)
- 9:00〜18:55 男子・女子練習
1月31日(火)
- 9:00〜18:55 男子・女子練習
- 19:00〜20:35 男子・女子シード選手練習
2月1日(水)
- 9:00〜14:15 女子オープン予選
- 15:30〜17:05 男子・女子シード選手練習
2月2日(木)
- 9:00〜20:15 男子オープン予選
- 20:20〜21:55 男子・女子シード選手練習
2月3日(金)
- 10:00〜14:35 女子準々決勝
- 15:00〜19:35 男子準々決勝
2月4日(土)
- 15:00〜17:45 女子準決勝
- 18:30〜21:15 男子準決勝
2月5日(日)
- 16:40〜17:50 女子決勝
- 18:10〜19:20 男子決勝
- 19:50〜20:20 表彰式
スケートボード・ストリート世界選手権シャルジャ大会の競技フォーマット
オープン予選
- ラン(制限時間45秒で自由にコース滑る)を2回行い、そのうちのベストスコアが採用される
- 男女それぞれの上位27選手とシード選手(5人)が準々決勝に進む
準々決勝
- ランを2回行い、 そのうちのベストスコアが採用される
- 男女それぞれの上位16選手が準決勝に進む
準決勝
- オリンピック形式(2/5/3)…ランを2回、ベストトリック(技を1つ披露)を5回行う。ランの高得点1つとベストトリックの高得点2つが採用される
- 男女それぞれの上位8選手が決勝に進む
決勝
- オリンピック形式(2/5/3)…ランを2回、ベストトリックを5回行う。ランの高得点1つとベストトリックの高得点2つが採用される
- スケートボード・ストリートの採点方法はこちら
スケートボード世界選手権シャルジャ大会の放送予定・視聴方法
スケートボード・ストリート世界選手権の2月4日の準決勝、5日の決勝がOlympics.comのオリンピックチャンネルでストリーミング可能。そのほか、Olympics.comでは、シャルジャからのニュース、インタビュー、最新情報などを配信予定。