「めっちゃ嬉しいです!!!」
日本初開催となったスケートボードストリート世界選手権で、ハイレベルの戦いを制して織田夢海(ゆめか)が初優勝を飾り笑顔を輝かせた。
パリ2024オリンピック予選を兼ねて東京・有明コロシアムで行われているスケートボードストリート世界選手権で、最終日を迎えた12月17日に女子決勝が実施され、17歳の織田夢海が優勝した。世界選手権で織田が優勝するのは初めて。これまでに行われたパリ2024オリンピック予選4戦を通じても、織田の優勝は初。
2位は東京2020オリンピック銀メダリストのライッサ・レアウ(ブラジル)、3位は東京2020金メダルの西矢椛(もみじ)。
45秒間でパーク内を自由に滑走する「ラン」2本と、一発技を競う「ベストトリック」5本を行い、ラン1つ、ベストトリック2つの合計得点で順位が競われたストリート決勝。ラン1本目でレアウや西矢が80点台の高スコアをマークする中、8人中7番目に滑走した織田はラン1本目で転倒して36.25点にとどまったが、2本目をフルメイクして得点を84.22点に更新すると、暫定首位でベストトリックを迎えた。
ベストトリックでは、1本目に86.73点をマークしたものの2本目、3本目を決めきれず7位に沈む中、4本目で「キックフリップ・フロンドフィーブル」を決めて両手を大きく突き上げると、このトリックに同日女子最高の94.80点が与えられ一気に首位に浮上。織田の得点が映し出された瞬間、1位争いを繰り広げていたレアウも驚きと喜びの表情で織田のパフォーマンスを讃えた。織田が5本目を滑る時点で、4点差に迫っていたレアウとの一騎打ちとなっていたが、5番滑走のレアウが最後のトリックで転倒し、織田の初優勝が決まった。
決勝後のインタビューで織田は、「頑張れば結果はついてくる」ことを実感したと話し、「今年最後の大会を優勝して終わることができたので良かったです」と続けた。また、今後の大会を見据え、「これからもまだまだレベルが上がってくると思うので、自分のフリップ・フィーブルだけに頼らず、新しい技にも挑戦していきたい」と抱負を語った。
織田は愛知県出身の17歳。オリンピック予選を兼ねて行われた前回の世界選手権2022こそ決勝進出を逃したが、そのほかのオリンピック予選3大会で表彰台に立ち、この世界選手権2023で初めて表彰台の頂点に立った。
一方、ラン終了時点で3位につけていた西矢は、ベストトリック1本目、2本目を80点台でそろえて上位に立つと、3本目以降はヒールフリップで階段を飛び越える技に挑戦。しかし3本とも成功させることはできず、3位で戦いを終えた。決勝を終えた西矢は報道陣に対し、「昨日よりはいい滑りができて、3位になれたので良かったです」と語り、オリンピックに向けては「ポイントを徐々に重ねていって、(日本代表)3枠に入れるように頑張ります」と続けた。
また今年は怪我の影響で練習や大会が制限された東京2020銅メダリストの中山楓奈(ふうな)は、ランの得点が響いて7位。次の大会に向けて「他の選手よりも回し系が少ないので、回し系を増やすこと」と自身の課題をあげ、「みんなみたいに『この人といったらこれ』という代名詞の技を次の大会までにできればいいなと思います」と語った。
スケートボードストリート世界選手権2023東京、結果
[女子ストリート決勝]
- 織田夢海(日本)265.75
- ライッサ・レアウ(ブラジル)261.90
- 西矢椛(日本)245.76
- クロエ・コベル(オーストラリア)245.11
- 吉沢恋(日本)242.45
- 赤間凛音(日本)241.95
- 中山楓奈(日本)239.61
- ツゥイ・チェンシー(中華人民共和国)138.43
[男子ストリート決勝]
- 白井空良(日本)276.81
- 根附海龍(日本)273.60
- 堀米雄斗(日本)273.28
- コルダノ・ラッセル(カナダ)266.31
- アレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)262.93
- 小野寺吟雲(日本)262.03
- ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)251.38
- ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)231.48
[女子ストリート準決勝]
以下、決勝進出を決めた8人
- クロエ・コベル(オーストラリア)259.56
- 織田夢海(日本)249.00
- 中山楓奈(日本)242.96
- ライッサ・レアウ(ブラジル)241.82
- 赤間凛音(日本)240.57
- 西矢椛(日本)238.04
- 吉沢恋(日本)229.84
- ツゥイ・チェンシー(中華人民共和国)226.20
[男子ストリート準決勝]
以下、決勝進出を決めた8人
- ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)266.90
- 小野寺吟雲(日本)263.94
- 白井空良(日本)263.31
- ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)258.97
- アレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)258.35
- 根附海龍(日本)257.13
- コルダノ・ラッセル(カナダ)251.97
- 堀米雄斗(日本)250.83
[女子ストリート準々決勝]
以下、準決勝進出を決めた16人
- クロエ・コベル(オーストラリア)77.26
- ライッサ・レアウ(ブラジル)74.87
- 赤間凛音(日本)69.92
- 西矢椛(日本)69.37
- 織田夢海(日本)66.65
- 中山楓奈(日本)64.28
- ローズ・スヴェッツロット(オランダ)63.01
- 伊藤美優(日本)62.98
- 吉沢恋(日本)56.39
- パメラ・ローザ(ブラジル)55.25
- ケート・オルデンベービング(オランダ)52.13
- ページ・ハイン(アメリカ合衆国)46.51
- ツゥイ・チェンシー(中華人民共和国)45.11
- ダニエラ・テロル(スペイン)44.11
- 藤澤虹々可(日本)43.92
- ナタリア・ムニョス(スペイン)43.20
[男子ストリート準々決勝]
以下、準決勝進出を決めた16人
- 根附海龍(日本)80.37
- 佐々木音憧(日本)72.67
- 白井空良(日本)72.00
- 小野寺吟雲(日本)71.10
- ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)68.54
- ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)67.14
- リチャード・ターリー(スロバキア)66.15
- 青木勇貴斗(日本)65.19
- 堀米雄斗(日本)62.41
- バンサン・ミル(フランス)61.16
- ガブリエル・アギラール(ブラジル)60.69
- コルダノ・ラッセル(カナダ)55.02
- アレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)54.21
- ミッキー・パパ(カナダ)53.92
- デイヴィッド・トゥエスタ(ペルー)52.11
- グレッグ・ロドリゲス(メキシコ)50.25