小野寺吟雲が準決勝2位、堀米雄斗は8位通過 スケートボードストリート世界選手権2023東京

パリ 2024

日本勢は小野寺吟雲、堀米雄斗のほか、白井空良、根附海龍の合計4選手が決勝進出を掴み取った。首位通過はナイジャ・ヒューストン。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
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(World Skate)
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パリ2024オリンピック予選5戦目を兼ねて12月10日〜17日の日程で東京・有明コロシアムで行われている日本初開催のスケートボードストリート世界選手権。16日午後に男子準決勝が実施され、ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)が首位で決勝進出を決めた。

8人で行われる17日の決勝には、ヒューストンのほか、日本勢トップ通過となった小野寺吟雲(ぎんう)、白井空良(そら)、根附海龍(ねつけ・かいり)、堀米雄斗の日本人4選手、さらにブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)、アレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)、コルダノ・ラッセル(カナダ)が出場する。

日本勢トップ通過となった13歳の小野寺は、準決勝後、「明日は自分の目の前のことを全力でやってフルメイクして勝ちたいです」と決勝への意気込みを語った。

男女それぞれの準決勝が行われた16日、女子準決勝に続いて男子準決勝が実施され、15日の準々決勝を勝ち抜いた16人のスケーターが2組に分かれて滑走した。

ストリート準決勝のフォーマットは、45秒間でパーク内を自由に滑走する「ラン」2本と、一発技を競う「ベストトリック」5本を行い、ラン1つ、ベストトリック2つの合計得点で順位を競う。

男子準決勝1組目には、堀米をはじめ8人のスケーターが登場。最初に行われた「ラン」では、100点満点中の最高得点がアレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)の76.29点にとどまったものの、ベストトリックでは高難易度のユニークな技が炸裂。ベストトリック1本目でミッキー・パパ(カナダ)が91.29点を叩き出したのを皮切りに、コルダノ・ラッセル(カナダ)が90点台を連発するなど、8人のスケーターが成功させた17トリックのうち12で90点台がつけられるなどの展開に。なかでも、ラッセルの2本目の「フェイキーヒール・バックリップ」は高評価を得て同日最高の94.07点をマークした。

その中で、日本人スケーターとして唯一1組目で滑走した堀米は、落ち着いた様子で最初のランを滑り切ったが、構成を少し変更した2本目の最終トリックで転倒して得点を更新できず、1本目の70.37点が採用された。ベストトリックでは1本目、3本目で90点台を出して合計点を250.83点として暫定3位で2組目を迎えた。

1組目で繰り広げられた高難易度のトリックの応酬の影響を受けてか、2組目ではラン1本目からナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)、ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)、小野寺吟雲(ぎんう/日本)が80点台を出し、ヒューストンに至ってはラン2本目で同日最高の87.04点を叩き出し得点を更新した。

日本勢では、前回の世界選手権で初出場ながら銅メダルを獲得した13歳・小野寺が、ラン2本の両方をミスなく決めてそれぞれ80点台をマーク。ベストトリックでは4本を滑る時点で成功が1本にとどまり14位に沈んでいたものの、4本目で「フロントブラントスライド・バックサイドフリップアウト」を決めて完璧に着地。小野寺は安心したような表情を見せ、成功を喜んだ。このトリックに91.11点の得点が与えられたことで、小野寺は暫定2位に浮上して決勝進出を確かなものとした。

一方、オリンピック予選3戦目のローマ大会で表彰台に立った白井は、ランの1本目こそ中盤でミスがあったものの、2本目で得点を80.11点に更新し、ベストトリックでも3本を90点台で決めて、刀を振り下ろすような得意の侍ポーズ(?)で喜びを表現。決勝での活躍を期待させるパフォーマンスで、3位で決勝進出を決めた。

また、前回のオリンピック予選で初めて決勝進出を果たし4位となった根附も、この準決勝6位通過で決勝行きを決めた。準決勝2組目で滑走した佐々木音憧(とあ)、青木勇貴斗(ゆきと)はそれぞれ11位、12位となり、決勝進出はならなかった。また12月上旬に世界最高峰のストリートリーグ(SLS)最終戦で準優勝を果たしたフランスのバンサン・ミル(フランス)は準決勝9位で惜しくも敗退した。

2組目を終えた時点で、堀米の準決勝8位も確定し、日本勢4選手の決勝進出が決まった。

滑りを終えた直後に報道陣の質問に答えた堀米は、「(ベストトリック)最後の技が決まらなかったのは心残り」としたものの、「それ以外は、自分がやることができたので良かったと思います」とした。また、ランについては「一発目は決まったですけど、2本目のは結構狙っていたラインではあったので、そっちを決められなかったのは悔しかったです」と課題を口にした。

一方、小野寺はベストトリック4本目の高得点について、「あの技が91.11点が出ると思わなくて、点数は気にしないで自分に集中していたんですけど、あんな点数が出て嬉しいです」と喜びを語った。

また、思った以上の得点がついたことに戸惑いを感じたという白井は、「自分たちもどう戦っていけばいいかわからなかったですし、でも自分にとってはすごくいいジャッジだったので良かったです」と声を弾ませた。明日に向けては、「ランを決められたら表彰台に乗れると確信している」とし、自身にとって「ラン」がカギとなることを語った。

スケートボードストリート世界選手権2023東京、結果

[女子ストリート準決勝]

以下、決勝進出を決めた8人

  1. クロエ・コベル(オーストラリア)259.56
  2. 織田夢海(日本)249.00
  3. 中山楓奈(日本)242.96
  4. ライッサ・レアウ(ブラジル)241.82
  5. 赤間凛音(日本)240.57
  6. 西矢椛(日本)238.04
  7. 吉沢恋(日本)229.84
  8. ツゥイ・チェンシー(中華人民共和国)226.20

[男子ストリート準決勝]

以下、決勝進出を決めた8人

  1. ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)266.90
  2. 小野寺吟雲(日本)263.94
  3. 白井空良(日本)263.31
  4. ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)258.97
  5. アレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)258.35
  6. 根附海龍(日本)257.13
  7. コルダノ・ラッセル(カナダ)251.97
  8. 堀米雄斗(日本)250.83

[女子ストリート準々決勝]

以下、準決勝進出を決めた16人

  1. クロエ・コベル(オーストラリア)77.26
  2. ライッサ・レアウ(ブラジル)74.87
  3. 赤間凛音(日本)69.92
  4. 西矢椛(日本)69.37
  5. 織田夢海(日本)66.65
  6. 中山楓奈(日本)64.28
  7. ローズ・スヴェッツロット(オランダ)63.01
  8. 伊藤美優(日本)62.98
  9. 吉沢恋(日本)56.39
  10. パメラ・ローザ(ブラジル)55.25
  11. ケート・オルデンベービング(オランダ)52.13
  12. ページ・ハイン(アメリカ合衆国)46.51
  13. ツゥイ・チェンシー(中華人民共和国)45.11
  14. ダニエラ・テロル(スペイン)44.11
  15. 藤澤虹々可(日本)43.92
  16. ナタリア・ムニョス(スペイン)43.20

[男子ストリート準々決勝]

以下、準決勝進出を決めた16人

  1. 根附海龍(日本)80.37
  2. 佐々木音憧(日本)72.67
  3. 白井空良(日本)72.00
  4. 小野寺吟雲(日本)71.10
  5. ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)68.54
  6. ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)67.14
  7. リチャード・ターリー(スロバキア)66.15
  8. 青木勇貴斗(日本)65.19
  9. 堀米雄斗(日本)62.41
  10. バンサン・ミル(フランス)61.16
  11. ガブリエル・アギラール(ブラジル)60.69
  12. コルダノ・ラッセル(カナダ)55.02
  13. アレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)54.21
  14. ミッキー・パパ(カナダ)53.92
  15. デイヴィッド・トゥエスタ(ペルー)52.11
  16. グレッグ・ロドリゲス(メキシコ)50.25
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