12月10日(日)に開幕したワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京(有明コロシアム)では、16日(土)11時35分から女子準決勝が行われた。織田夢海(ゆめか)、中山楓奈(ふうな)、赤間凛音(りず)、東京2020金メダリストの西矢椛(もみじ)、吉沢恋(ここ)の日本選手5人を含む8人の選手が17日(日)14時15分から行われる決勝への進出を決めた。
準決勝を1位で通過したのは、SLS今季2大会連覇のオーストラリアの13歳、クロエ・コベル。ベストトリック5本目で高得点を上げ合計259.56点で首位となった。日本勢トップの織田は249.00点で2位。東京2020銅メダリストの中山は3位だった。
準決勝に臨んだアジア競技大会2022杭州銅メダルの伊藤美優(みゆ)、藤澤虹々可(ななか)は、決勝進出はならなかった。
日本初開催となる今大会は、パリ2024オリンピック予選第5戦を兼ねて行われている。最終順位に従ってオリンピックランキングポイントが付与されるが、今大会で獲得できるポイントは他の予選大会よりも高いため、選手たちは高ポイントを狙って熾烈な戦いを繰り広げている。
準決勝からの競技フォーマットは、45秒間、パーク内を自由に滑走するランを2本と、障害物を使った難易度の高いベストトリックを5本行い、ベストラン1本とベストトリック2本の合計3本の得点が合計され順位が決まる。
1組目に登場した女子日本代表最年少の14歳、吉沢はラン1本目で63.36点の高得点を出し暫定1位でベストトリックに臨んだ。ベストトリックでは2本目に80点台の高得点を挙げ、3本目も安定した得点を出し首位をキープ。合計229.84点の暫定1位で1組目を終えた。
「(ベストトリック)2本目は絶対決めるぞという気持ちで入って、それで決めることができたのでよかったです。(決勝に進出できれば)準決勝みたいにきちんとメイクして表彰台に上がれるようにがんばりたいです」と1組目を終えた後、吉沢はテレビのインタビューでコメントした。
2組目には準々決勝3位通過の赤間、西矢、織田、中山、伊藤の日本勢5人が登場。
ランでは、今年9月のWSTローザンヌ・ストリート2023準優勝の織田が76.49点で暫定2位、同大会の覇者、西矢は74.30点で暫定3位、中山は73.52点の暫定4位でベストトリックに移った。ラン終了後の暫定1位は、準決勝最高の85.12点を出したコベル。
ベストトリックでは、80点台を連発し安定した演技を見せる織田が2本目を終えた時点で首位に立ち決勝進出を決めた。怪我を乗り越え臨んだ中山、オリンピック予選第3戦のローマ大会で優勝した赤間も、同じく2本目のベストトリックを終えた時点で決勝進出を決めた。
日本勢の中でも西矢だけは、ベストトリックが1本目、2本目ともに失敗に終わり思うように得点を重ねられなかった。しかし、3本目で70点台後半、4本目で80点台に乗せ、最後は東京2020覇者の貫禄を示して全体の6位で準決勝を終えた。準決勝首位は、コベルが5本目で高得点を上げ合計259.56点で織田を抜き1位となった。1組目1位だった吉沢は全体で7位となり決勝進出を決めた。
準決勝後、西矢は「ちょっと調子が悪かったので、明日(の決勝)はきれいに決められるようにがんばります。ベストトリックで1発目から乗れる技を絶対に持っていきたい」とテレビのインタビューで意気込みを語った。
また、織田は「2位で決勝に上がれてすごく嬉しい。明日はもっと自分の滑りができるようにがんばりたいです。自分がメイクした技で会場を盛り上げられて嬉しい。明日はもっとすごい技を出すので、それで盛り上げられるようにがんばりたい。明日は自己最高得点を出した技を出します」と笑顔で話した。「明日もこの調子で、ランでノーミス、ベストトリックも2本しっかりと決めて優勝できるようがんばりたい」とのコメントを残した。
スケートボードストリート世界選手権2023東京・女子準決勝結果
*8位までが決勝進出
- クロエ・コベル(オーストラリア)259.56
- 織田夢海(日本)249.00
- 中山楓奈(日本)242.96
- ライッサ・レアウ(ブラジル)241.82
- 赤間凛音(日本)240.57
- 西矢椛(日本)238.04
- 吉沢恋(日本)229.84
- ツゥイ・チェンシー(中華人民共和国)226.20
- 伊藤美優(日本)222.88
- ローズ・スヴェッツロット(オランダ)219.24
- 藤澤虹々可(日本)198.73
- ダニエラ・テロル(スペイン)193.43
- ケート・オルデンベービング(オランダ)191.92
- ナタリア・ムニョス(スペイン)179.52
- パメラ・ローザ(ブラジル)171.30
- ページ・ハイン(アメリカ合衆国)25.09