最後まで誰が勝つかわからない展開で、観客や視聴者を魅了したスケートボード・ストリートの大会「WST: ローザンヌ・ストリート2023」。最終日となった9月16日に男女それぞれの決勝が行われ、女子は西矢椛、男子はナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)が優勝した。
女子は西矢に続いて織田夢海が2位、男子は佐々木音憧(とあ)が2位に入り、佐々木はパリ2024オリンピック予選大会で初めて表彰台に立った。
[女子決勝の結果]
- 西矢椛(日本)259.81
- 織田夢海(日本)249.77
- ページ・ハイン(アメリカ合衆国)243.93
- 吉沢恋(日本)224.47
- パメラ・ローザ(ブラジル)213.26
- 中山楓奈(日本)180.37
- ライッサ・レアウ(ブラジル)163.45
- ローズ・スヴェッツロット(オランダ)140.86
[男子決勝の結果]
- ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)275.94
- 佐々木音憧(日本)270.53
- ジオバンニ・ビアンナ(ブラジル)268.06
- 根附海龍(日本)265.82
- 堀米雄斗(日本)264.69
- 青木勇貴斗(日本)249.18
- リチャード・ターリー(スロバキア)243.75
- オーレリアン・ジロー(フランス)212.05
西矢はランの2本目で88.91点という高得点をマークしてラン2本終了時点で暫定1位に立っていたが、ベストトリックでは2本目(83.99点)を決めた以外は、1本目、3本目、4本目で転倒。5本目を滑る時点で6位に沈んでいた。しかし、最後5本目で難易度の高い技を決める勝負強さを見せて86.91点として優勝を手繰り寄せた。
決勝後、「この大会は優勝するって決めてたんで優勝できてよかったです。家族とかコーチとか、いろんな人が最後まで励ましてくれたからメイクできた(技を成功させることができた)と思うので、本当に感謝してます」と語った。
同じく表彰台に立った織田は、ランを終えた時点で4位だったものの、ベストトリック1本目を88.11点、2本目で「キックフリップ・フロントサイドフィーブル」を決めてこの大会最高の95.25点を叩き出し、最終的に2位となった。
織田は「スイスという場所で2位になって嬉しかったけど、ランがまだまだだなと思ったので、これからも頑張ります」と語ると、「自分は(もし)ランが良くて、ベストトリックも2本決めて、自分の出したかったフリップフロントサイドフィーブルを決めたら優勝できると思っていた」と自信を覗かせ、12月に日本で行われる世界選手権に向けて、「今回、ランでノーミスできたけど、みんなよりランのレベルが低かったので世界選手権では自分のもっといい滑りを見せられるように頑張りたいです」と意気込みを語った。
一方、佐々木、堀米雄斗、根附海龍、青木勇貴斗らがエキサイティングな表彰台争いを繰り広げた男子では、佐々木がランとベストトリック2本で高得点をそろえて2位。決勝後、佐々木は「めちゃくちゃ嬉しいです。表彰台に立つことは全然考えてなくて、5位以内に入れればいいかなと思っていました」とコメント。「さっき終わってすぐお兄ちゃんに電話して『2位だったよ』というのを伝えて、その後、母ちゃんから電話がかかってきて『おめでとう』って言われました」と、日本にいる家族と喜びを共有したことを明かした。日本での世界選手権に向けては、「ベストトリック技の難易度もあげて、メイク率も上げていきたいです」と語った。