さようなら、そしてボンジュール:東京2020で輝きを放ったスター選手
17日に及んだ東京オリンピックが幕を閉じる。そこで、オリンピックのセンターステージに立ち、国民を感動させた日本のアスリートを振り返る。
いよいよ、終わりの時を迎える。
7月21日に福島で行われたソフトボールから始まった競技は、もはや過去のものとなり、夏の空に浮かぶ日本の花火のように消えていった。
プレッシャーを乗り越え、東京2020オリンピックの開催国・日本はメダル獲得数でも好成績を収めた。日本はオリンピック前の時点で有力選手数名が不調だったにもかかわらず、過去最多の金メダルを獲得し、総獲得メダル数のオリンピック記録を更新。
しかし、日本のアスリートたちを取り巻くものは、勝ち負けだけではない。ここでは、彼らのストーリーを紹介したい。
阿部詩
兄の一二三が柔道男子66kg級で優勝したのに続き、詩は女子52kg級で優勝し、兄妹で同日に表彰台のてっぺんに上った初めての事例となり、大会序盤から日本選手団に勢いを与えた。
日本のスポーツの歴史において、後世に語り継がれるであろう新たな1ページを刻んだ阿部兄妹にとって、特別な1日となった。
池江璃花子
池江は、東京2020で4×100m自由形、混合、メドレーの3つのリレーに出場し、メドレーで決勝に進出した(決勝では最下位となった)。
しかし、白血病により一時は大会出場をあきらめていた21歳の池江にとって、ここにたどり着くことは奇跡的なことだった。今後どういう競技人生を送るか、パリ2024に向けてますます注目を集めることだろう。
伊藤美誠
20歳の伊藤は、水谷隼とのペアで卓球史上初の混合ダブルス種目で優勝したが、日本にとって最も大きな結果は、長年越えられなかった中国という大きな壁を、決勝戦で突破できたことだ。
女子団体でも銀メダルを獲得するなど、今後も伊藤の活躍に注目が集まる。
大橋悠依
200mと400mの個人メドレーで優勝し、夏季オリンピックで複数の金メダルを獲得した日本競泳史上初の女子選手となった。日本競泳界では、北島康介(アテネ2004、北京2008)以来の2冠達成だ。
明るい笑顔と個性を備えた大橋は、今大会で日本のスターになるかもしれない。要注目だ。
上野由岐子
北京2008で日本が金メダルを獲得した時にもマウンドに立った39歳のベテラン投手・上野由岐子が、福島の地で今大会をスタートさせた。
エースとして健在の彼女は、控え目ながらも立ち向かう精神を持ち、長い競技生活を続けている。東京2020が最後のオリンピックになる可能性が高いとしても、それはまた、別の話だ。
阿部一二三
もう一人の阿部は、12月の大会前に66kg級の日本代表の座をかけた24分間の壮絶なプレーオフで丸山城志郎を下した。
だからこそ、東京2020の決勝戦で優勝を決めた後、世界選手権で2度優勝している彼の顔からは、安堵した気持ちと満足感が感じられたのかもしれない。
張本智和
期待されていた超新星のオリンピックデビューは、シングルスのラウンド16で敗退して終わった。
しかし、18歳の彼は自分の存在意義を示すかのように、団体戦では7戦全勝を記録し、銅メダル獲得に貢献。ベテランの水谷隼は、表舞台から去る。いよいよ、張本の時代がやって来る。
橋本大輝
オリンピックで2度の個人総合優勝を果たした内村航平は、彼を「風変り」と呼ぶ。東京2020では、20歳の橋本が “キング ”の後を継いで、総合優勝を果たした。
10月に北九州で開催される世界選手権では、体操界の新たなプリンスに注目が集まり、プレッシャーもかかるだろう。
喜友名諒
今大会の男子形で日本初の金メダルを獲得した沖縄出身の喜友名は、亡き母の写真とともに表彰台に上がった。このシーンは、東京2020で最も印象的な場面のひとつとなった。
日本選手権で9連覇を達成した喜友名は、閉会式の旗手に任命された。
大野将平
大野は、今年一度も試合をすることなく、男子73kg級のタイトルを守り抜き、今大会で2連覇を果たした7人の日本人柔道家のうちの一人として、特別なリストに名を連ねた。
柔道界のパウンド・フォー・パウンド(階級を超えて強い)と称される大野の今後の活躍は未知数だが、パリでの3連覇は射程圏内だ。
野球
ついに、この瞬間が訪れた。
決勝でアメリカを下した瞬間、野球がオリンピックの正式種目になって以来ずっと日本の悲願だった金メダル獲得が現実のものとなった。
ロサンゼルス2028オリンピックで、野球は再びオリンピック競技として採用される可能性がある。そうなれば、サムライたちは王座を守るため、再び全力を尽くす。
女子バスケットボール
東京2020は、銀メダルを獲得した日本女子バスケットボール代表にとっての晴れ舞台だった。
女子バスケットボール史上初のメダルを獲得した日本は、パリで期待とプレッシャーを感じるだろう。2つ目のメダル獲得は、日本におけるバスケットボール人気を盛り上げるために重要な意味を持つ。
スケートボード
子供たちは素晴らしかった。
オリンピックデビューを飾ったスケートボードでは、日本のティーンエイジャーが2つの金メダルを含む4つのメダル、22歳の堀米雄斗が金メダルを獲得する大活躍を見せた。女子パークで銀メダルを獲得した開心那(12)は、日本人史上最年少メダリストに。
パリでも同様の結果を残せないわけがない。