スケートボード・ストリート、オリンピック予選ローマ大会 注目の女子選手

スケートボード競技ストリートのパリ2024オリンピック出場をかけた戦いが、まもなくローマのコロッセオに隣接する会場でスタートする。大会を前に注目の日本選手をチェック! 女子ストリート編。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
Tokyo2020 Skateboard street women
(Getty Images)

6月26日〜7月3日の日程で開催される「ストリート・スケートボード・ローマ2022(プロツアー)」は**パリ2024**に向けたオリンピック予選大会として位置付けられている。

日本からは**東京2020オリンピックで金メダルに輝いた西矢椛**をはじめ10選手が参加。ここでは世界ランキングトップ30に名を連ねる5人の日本女子スケートボーダーを紹介しよう。

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西矢椛、中山楓奈、西村碧莉:東京2020を沸かせたスケーター

東京2020のスケートボード女子ストリートでは、10代の2人が表彰台に立った日本代表。

その頂点に立ち、スケートボード女子ストリート初代チャンピオンとなったのが、2007年生まれの14歳、西矢椛だ。大阪出身の西矢にとってローマといえば、2021年の世界選手権を覚えている人もいるかもしれない。東京オリンピック日本代表の女子ストリート3枠かけた戦いで、日本勢5番手に位置していた西矢は、ローマで行われた世界選手権で2位となり、東京2020への出場を決めたのである。

東京大会では5本の「ベストトリック」のうち3本を残して順位は最下位に沈んでいたものの、次のトリックでフロントサイドフィーブルグラインド(4.15点)、残り2本となった状況でビッグスピンフロントサイドボードスライドを決めて4.66点を叩き出すと、そのまま逃げ切って逆転優勝を飾った。今回のローマ大会でも最後まで攻めの滑りで観客を魅了することだろう。

銅メダリストの**中山楓奈**(ふうな)も今大会にエントリー。富山県出身の17歳は、普段はおとなしくシャイな性格ながらも、滑り始めると意志の強さを感じさせるパフォーマンスを見せ、東京2020では得意技のフロントサイドKグラインドを決めて銅メダルを掴んだ。

東京大会後も国際大会で表彰台に立ち続け、千葉開催となったXゲームズでも代名詞のフロントサイドKグラインドを決めて初出場2位。観客がいると緊張するという中山だが、それでも安定の滑りでローマ大会でもトップ争いに加わることが予想される。

西矢と同様、西村碧莉(あおり)にとってもローマは思い出の地と呼べるものだろう。ローマで行われた2021年の世界選手権で、西村は西矢そして**ライッサ・レアウ**(ブラジル)を抑えて優勝した。

金髪の長い髪をなびかせて滑る姿が印象的な西村は、2001年に東京で生まれた20歳。10代が多く活躍するスケートボード女子の中では少しだけ年上で、2018年、19年、21年と3大会連続で表彰台に立ち、Xゲームズでも3度の優勝を誇るなど、20歳ながらも女子スケートを牽引してきた。

東京大会では前日の練習で車椅子に乗るほどの怪我を負ったものの、それでも決勝に駒を進め、最後まで戦い抜く姿を見せた。

世界ランキング3位の西村は東京大会後に膝を手術しており、5月のXゲームズがオリンピック以来の実戦。怪我の回復具合は「まだ7割くらい」で、夏までには回復したいと語っていた。完全復活した西村の姿を楽しみにしたい。

オリンピアンにも負けていない! 赤間凛音、織田夢海

最年少金メダリストとして、東京2020では西矢の年齢が話題になることが多かったが、スケボー界ではさらに若いスケーターの存在も。

2021年12月の日本選手権の結果は、「金メダリストを抑えて優勝」という見出しで驚きをもって報じられたが、それは夏の話題をさらった最年少メダリストが敗れたからというだけではない。その相手が、さらに若い選手だったからでもある。

2009年に宮城県で生まれた12歳の赤間凛音(りず)は、この大会で女子の中で難易度の高いとされるバーレーグラインドを成功させて、国内大会初優勝を飾った。

2021年の世界選手権(ローマ)にも参戦しており、自身のインスタグラムでは「出したかったトリックもいい結果も出せませんでしたがすごくいい経験が出来ました。もっと成長出来るようにこれからも頑張ります」とコメント。再びローマの舞台で、自身の成長を確かめるときがやってきた。

西矢と西村が2021年のローマで東京行きのチケットを掴んだ一方で、この大会で東京行きを逃した選手もいる。

2006年に愛知県で生まれた15歳の織田夢海(ゆめか)は、東京大会までの間にランキングを高めていたものの、東京オリンピック前の最後の舞台となった2021年のローマでの大会で準決勝敗退に終わり、代表の座を掴むことはなかった。

パリ2024を目標に掲げる織田にとって、ローマはリベンジの舞台そして新たな旅の出発地として位置づけられるだろう。

国外からは、現在世界ランキング首位の**パメラ・ローザ(ブラジル)、東京2020銀メダリストのライッサ・レアウ**(ブラジル)らが出場を予定している。

選手らはオリンピック世界スケートボードランキングにつながるポイントをこのローマ大会を通じて得ることができ、最終的に2024年6月24日時点のランキングでオリンピック出場選手が決まる。

6月26日〜7月3日の日程で開催される「ストリート・スケートボード・ローマ2022(プロツアー)」は、7月2日、3日に行われる準決勝、決勝がOlympics.comでライブ中継される。

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