イタリア・ローマにて現地時間6月26日、「ストリートスケートボード選手権プロツアー(ストリート選手権ローマ)」が開幕。この大会は、パリ2024スケートボード競技ストリート種目の最初の予選となり、オリンピック世界ランキングのポイントが獲得できる重要な大会と位置付けられている。Olympics.comでは、この大会の模様をライブ中継で配信する予定。ここでは、大会の放送予定と見どころなどを紹介しよう。
■日程・放送予定
【日程】
- 6月26−28日 公式練習
- 6月29日 競技1日目 女子予選
- 6月30日 競技2日目 男子予選
- 7月1日 競技3日目 男女 準々決勝
- 7月2日 競技4日目 男女 準決勝
- 7月3日 競技5日目 男女 決勝
※現地時間
【放送予定】
ネット:Olympics.com(ライブ中継)
- 7月2日 23:15 男女 準決勝
- 7月4日 01:45 男女 決勝
※日本時間
「地元・江東区でオリンピックが開催されて、その舞台に自分が立てたことが本当に嬉しいです。そこで、金メダルをとれて、今でも信じられないくらい嬉しいです」
スケートボード男子ストリート種目で、初代オリンピック王者に輝いた堀米雄斗が金メダルを首にかけて答えた言葉だ。あの熱い夏の戦いから、早1年。ストリートで鎬を削るアスリートたちは、2年後の夏のオリンピックに向けて動き始めている。
■見どころと注目選手
パリ2024に向けて、スケートボード・ストリート種目では採点方法が変わる。まず、大きな違いといえば、スコアの採点レンジだ。Tokyo 2020では、2回の「ラン」と5回の「トリック」、合計7回の演技を各ジャッジによって0から10のレンジで採点されていたのだが、パリ2024では0から100という1桁増えてのスコアレンジに変わる。
また、最終成績についても、「ラン」のベストスコア1回と、「トリック」のベストスコア2回、合計3つ上位スコアの合計が、各選手の最終スコアとなる。すなわち、「ラン」と「トリック」両方のフェーズで、より良いパフォーマンスをしなければならないので、片方に偏っていないバランスの取れた高度なスキルを求められることになる。そして、この新しい採点方法を導入して実施される大会が、26日より始まるストリート選手権ローマなので、選手だけでなく、世界中の“スケボー”ファンにとっても、予測不可能な展開にドキドキが止まらないことは確実だ。
【男子】
今大会の注目選手といえば、なんといっても堀米雄斗が頭に浮かぶ。Tokyo 2020スケートボード男子ストリートで初代金メダリストに輝くと、2022年4月に日本で初開催されたX Games Chiba 2022でも堂々の優勝を果たし、日本のみならず世界のフォロワーを唸らせている。堀米はTokyo 2020の決勝で、後半フェーズの「トリック」では最高10点満点中9点台のスコアを4回も叩き出しているのだが、前半の「ラン」では最高で8.02というスコア。これは他選手よりも低めだった。新しい採点方法に変わり、前半フェーズでもハイスコアを出さなければいけない緊張感をどのように切り抜けるのか、若き才能のメンタルと演技に注目だ。
そんな堀米の前に立ちはだかるのが、現在オリンピック世界ランキングで首位に立つナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)だ。プロスケートボーダーとして6度の世界チャンピオン、13回のX Games優勝と輝かしいアスリートキャリアを持ち、さらにインスタグラムのフォロワーは500万人以上を誇るヒューストンは、昨夏のTokyo 2020でメダル候補として大きく注目されていた。しかし、決勝では思うような演技ができずに7位に終わっている。その悔しさをバネに、ヒューストンは精力的に“スケボー”パフォーマンスのビデオをSNS等で発信している。どんな新技に挑むのか、見逃せない。
このほかにもTokyo 2020銀メダルのケウビン・ホフラー(ブラジル)や、銅メダルのジャガー・イートン(アメリカ)、世界ランキング3位に立つ白井空良など出場する。
【女子】
女子も注目スケートボーダーが目白押しだ。まずは、Tokyo2020で当時13歳の若さで日本代表歴代最年少のオリンピック金メダリストに輝いた西矢椛だ。6歳からスケートボードを始めた西矢の“スケボー”キャリアは、まだ8年。まだまだ進化が期待できる14歳も、新しい採点方式が導入されるストリート選手権ローマに日本代表として出場する。2022年5月に行われた横浜アーバンスポーツフェスティバルでは4位と表彰台を逃してしまったが、ローマの国際大会の舞台でどんな巻き返しを図るのか。
また、中山楓奈も忘れてはいけない。Tokyo2020で銅メダルに輝いた中山は、現在高校生でこの6月に17歳の誕生日を迎えたばかり。2022年に入ってからも精力的に活動しており、4月のマイナビスケートボード日本OPENでは堂々の優勝。つづく、X Games Chibaでも2位表彰台の成績を収め、日本のみならず世界のトップボーダーのひとりとして走り続けている。
そんな活躍著しい日本人スケートボーダーに待ったをかけるのが、ブラジル人選手2名だ。ひとりは世界ランキング1位に輝くパメラ・ローザ。2019年と2021年の世界選手権を制覇し、X Gamesでも金2個を含む合計6つのメダルを手にしている22歳。パリ2024でオリンピック初出場を目指しており、ランキング1位の貫禄を見せつけられるか。そしてもうひとりは、Tokyo2020で銀メダルを獲得したライッサ・レアウだ。日本の学年だと西矢と同級生になるレアウもまた、現在14歳。2022年4月には来日も果たし、X Games Chibaで同大会初めて表彰台の中央に立った。妖精に扮した遊びからスケートボードにのめり込み、オリンピックメダリストとなったレアウがいったいどんな成長をローマの地で見せるのか、目が離せそうにない。
■出場選手
ストリート選手権ローマには、世界より男子112名、女子64名、合計176名が出場する。また、ワールドスケートジャパンの発表によると、以下18名の日本代表選手が出場する。
男子(8名)
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堀米雄斗
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白井空良
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青木勇貴斗
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佐々木来夢
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佐々木音憧
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松本浬璃
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甲斐穂澄
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根附海龍
女子(10名)
- 西矢椛
- 中山楓奈
- 西村碧莉
- 赤間凛音
- 織田夢海
- 伊藤美優
- 吉沢恋
- 上村葵
- 中島野々花
- 藤澤虹々可