スケートボード・ストリートのオリンピック予選がスタート! ローマ大会の見どころは?

執筆者 Sean McAlister
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写真: 2021 Getty Images

世界最高峰のスケートボーダーたちのパフォーマンスを観戦しよう。競技形式、採点方法、注目のトリックを解説する。

**東京2020でオリンピックデビューしたスケートボードが、パリ2024**にも再び登場し、東京大会と同様「ストリート」と「パーク」種目が実施される。

パリ2024に向けた予選大会は、ストリート種目が一足先にイタリア・ローマでスタートする。東京2020の女子ストリート種目では、メダリスト3人の平均年齢が大会史上最年少の14歳となるなど、若きスケートボーダーらの活躍が目立った。男子では、スリルに満ちあふれ、技を極めた世界最高峰のスケートボーダーたちがオリンピックの舞台を華やかに彩った。

パリ2024に向けた予選は、2022年6月26日にローマで始まる。スケートボード・ストリートについて知っておくべきことを、ここでチェックしよう。

ローマで開催されるオリンピック予選で注目のスケートボーダー

ローマで開催されるスケートボード・ストリートの予選大会には、女子・男子ともにオリンピックメダリストが一堂に会する。

男子で有力視されているのは、世界ランキング1位の**ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)とオリンピック金メダリストの堀米雄斗**(日本)だ。

カリフォルニア生まれのヒューストンのキャリアを振り返ってみると、世界選手権で金メダル6個、Xゲームズで金メダルを12個獲得するなど、伝説的な存在だ。しかし、オリンピックではまだやり残したことがあると感じていることだろう。というのも、ヒューストンは東京2020の決勝で7位に終わった。27歳の彼には、2年後のパリ2024で最高の演技を見せるチャンスがある。

一方の堀米は、東京大会では驚異的な存在だった。当時22歳だった彼は、母国開催となった東京大会で40点満点中37.18点という高得点を叩き出し、この種目で初代オリンピック金メダリストとなった。

ローマ大会では東京2020の銀メダリスト、ケウビン・ホフラー(ブラジル)と銅メダリストの**ジャガー・イートン(アメリカ合衆国)、そして日本の白井空良**にも注目したい。ホフラーは現在世界ランキング4位、イートンは8位、白井はヒューストン、堀米に次ぐ3位につけている。

女子では、ブラジルと日本のスケートボーダーが優勝候補と目されている。現在世界ランキングでは、**パメラ・ローザが、同胞でオリンピック銀メダリストのライッサ・レアウ**を僅差で抑えて首位に立っている。レアウは東京大会では13歳で銀メダルを獲得、22歳のローザは10位で大会を終えた。

オリンピックチャンピオンの**西矢椛、銅メダリストの中山楓奈、世界ランキング3位の西村碧莉**を含む日本女子スケートボードチームの挑戦を阻むには、彼女たちは万全の体制で臨む必要があるだろう。

東京大会の1年前に、ローマで開催された世界選手権で銀メダルを獲得した西矢は、わずか13歳でオリンピック金メダルを獲得して人々を驚かせた。

その直後から照準を次のパリ大会に向けていた西矢は、東京大会後「パリでも優勝したいし、世界で知らない人がいないくらい有名になりたい」と語った。

ローマで行われる最初の予選会で、彼女はパリに向けた旅をスタートさせる。

パリ2024でのスケートボード・ストリートの採点方法

パリ2024では、スケートボードのストリート競技の採点方式に大きな変更が施され、ローマでのオリンピック予選から適用される。

各選手はこれまで通り、45秒ずつのランを2回行い、その後にトリックの演技を行う。東京2020では、トリックとランのそれぞれの演技を0点から10点の間で採点し、両方を合わせた中からベストスコア4つを合計した0点から40点の得点が最終スコアとなっていた。

パリ2024の予選と本大会では、トリックとランはそれぞれ100満点で採点され、ラン1本とトリック2本のベストスコアを合算した0から300の間の得点が最終スコアとなる。

この変更は、トリックとランの価値をより平等にするために導入された。

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スケートボード・ストリートの競技フォーマット

前述の通り、ローマでは、スケートボーダーは45秒間のランを2本、その後にトリックの演技を行う。

男女とも、オリンピック世界スケートボードランキング(OWSR)の上位5位までの選手と東京2020のメダリストは、オープン予選をスキップして、そのまま次の競技ラウンドに進む。

オリンピックメダリスト以外の、ランキング6位から30位のスケーターは、オープン予選に出場するシード権を得る。

2本のランのうちベストの得点をもとに、オープン予選の男女各上位32名が準々決勝に進出。準々決勝でも、2本のランのベストスコアで男女それぞれ上位16名のスケートボーダーが準決勝に進出する。

準決勝から、オリンピックの新しい採点方式が採用され、各スケートボーダーは、ラン2本とトリックを5回行う。ランのベストスコアとトリックのベストスコア2つの合計が得点となり、男女各上位8名が決勝に進む。

決勝戦でも新しいオリンピック採点方式により、0点から300点の間で各選手の最終スコアを算出。メダリストが決定する。

スケートボードで知っておきたい代表的なトリック

ローテーション

パリ2024では、スケートボーダーが体やスケートボードを回転させる「ローテーション」に注目。180度や360度の回転が一般的だが、競技では540度の回転に挑戦する強者もいる。

ハンドプラント

スケートボードに足を固定したまま、逆さになって片手で逆立ちのように体を支える技。

グラインド

スケートボードには様々なグラインドがあり、選手はボードの様々な部分を使ってレールといった他の障害物の端を滑る。トラック、デッキの前、デッキの後ろ、片方のトラック、両方のトラックなど、さまざまなボードのパーツを使って、ボーダーたちはあっと驚くようなトリックを繰り出す。

フットプラント

ハンドプラントと同じようなトリックを足で行うもの。

グラブ

空中で、脚の前か後ろで手でボードを掴むトリック。

アリーウープ

スケートボードで最も有名なトリックの1つであるアリーウープは、ローテーションに似ているが、空中で最高地点に達したときに一瞬停止するのが特徴。