ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックまであと500日! 連覇に挑むアスリートたち
イタリア北部の都市ミラノ、そしてコルティナ・ダンペッツォで開催される冬季オリンピック、ミラノ・コルティナ2026まで500日。前回の冬季オリンピック、北京2022を振り返りつつ、連覇を目指して励むアスリートを紹介しよう。
2026年2月6日〜22日の日程で予定されている次の冬季オリンピック、ミラノ・コルティナ2026。世界トップレベルのアスリートおよそ2,900人がイタリアに集結し、16競技にわたって戦いを繰り広げる。
2022年に北京で行われた大会では、日本勢はスノーボード、スキージャンプ、スピードスケート、フィギュアスケート、カーリングなどさまざまな競技で活躍を見せ、平野歩夢(スノーボード)、髙木美帆(スピードスケート)、小林陵侑(りょうゆう/スキージャンプ)の3人の金メダリストが誕生した。
2026年2月6日に予定されているミラノ・コルティナ2026開会式まで500日にあたり、北京大会を振り返りながら同大会で金メダルに輝いた選手たちの現在地を辿ってみよう。
スノーボード男子ハーフパイプ、平野歩夢
北京2022のハイライトのひとつといえば、スノーボードの新時代の幕開けだろう。男子ハーフパイプで3大会連続で金メダルに輝いていたショーン・ホワイト(アメリカ合衆国)が引退試合として挑み、ソチ2014、平昌2018でホワイトに次ぐ2番手として銀メダルを手にしていた平野歩夢が新たにオリンピック王者の称号を手にした。
平野はその半年前に行われた東京2020夏季オリンピックでスケートボード男子パーク日本代表として出場し、大会終了後にはスノーボードへと切り替えて、金メダルへの道を突き進んだ。そして小学1年生のときに抱いた「オリンピック金メダル」という夢を16年越しに実現させた。
昨シーズンはワールドカップで1勝をあげたほか、エクストリームスポーツの大会「デューツアー」で優勝。人材育成イベントにも参画するほか、私生活では結婚を発表した。
その平野が2026年に向けてどんな戦いを見せてくれるのか、心待ちにしている人は少なくないだろう。スノーボード男子ハーフパイプのワールドカップは、12月6日〜8日に中国河北省にあるシークレット・ガーデンで今季の初戦を迎える。
2022年当時のインタビューで北京2022に向けた平野の戦い、そして葛藤を振り返ろう。→ 平野歩夢インタビュー「自分は自分でありたい」
スピードスケート・髙木美帆
日本代表選手団は、北京2022で金メダル3個を含む18個のメダルを獲得して大会を終えた。そのうち、日本勢1大会最多の4個を手にしたのがスピードスケートの髙木美帆だ。選手団の主将を務めた髙木は、5種目に挑戦し、銀メダル3個、そして最後の種目となった1000mではオリンピック記録を更新する滑りで金メダルを獲得し、自身3度目のオリンピックを華やかに締め括った。
満身創痍でそのシーズンを終えた髙木は、充電期間を設ける意向を示したが、2022年夏にはナショナルチームを離れて、前ヘッドコーチのヨハン・デビット氏らとともに「チーム美帆」を立ち上げ新体制でトレーニングを重ね、翌年には佐藤綾乃、村上右磨(ゆうま)と共にミラノで世界の頂点を目指すスピードスケートチーム「チームゴールド」を始動させた。
2024年2月の世界距離別スピードスケート選手権では1000m、1500mで優勝し、3月の世界スプリントスピードスケート選手権では総合優勝を果たすなど、練習環境を整えつつ、経験や自信を積み重ねている髙木。公式ウェブサイトを訪れると、「Road to 2026」という文字とともに、ミラノ・コルティナ2026までのカウントダウンが表示され、「もっと強く、もっと速く」という言葉が添えられ、その意気込みがひしひしと伝わってくる。
今年はスピードスケートの四大陸選手権が11月15日〜17日に日本で初開催され、その翌週にはワールドカップ第1戦の長野大会が控えており、髙木をはじめ世界トップレベルの選手の滑りを間近に感じるチャンスとなる。
スキージャンプ・小林陵侑
北京2022ではスキージャンプで久々の日本人金メダリストが誕生し、「お家芸」復活を印象付けた。その役目を見事に果たしたのが、北京2022の日本勢第1号金メダルとなったのが、スキージャンプの小林陵侑(りょうゆう)だ。
小林は、競技2日目となった2月6日に男子ノーマルヒルで金メダルを獲得し、スキージャンプ個人種目では24年ぶり、ノーマルヒルでは50年ぶりに日本に金メダルをもたらすと、その6日後にはラージヒルで銀メダルに輝いた。
翌年には後進の育成や活動の幅を広げるためにプロに転向し、「TEAM ROY(チーム・ロイ)」を設立した。昨季は年末年始に行われるスキージャンプ週間で2季ぶり3度目の総合優勝を果たし、ワールドカップで2勝をあげ、総合2位でシーズンを終えた。2024年4月にはアイスランド北部でスキージャンプの史上最長記録に挑戦し、飛距離291mを達成。国際スキー連盟(FIS)の規定に沿った条件下で行われなかったことから世界記録には認定されなかったものの、自らの活動を通じてスキージャンプの魅力を発信している。
スキージャンプでは8月13日からFISサマーグランプリが始まっており、世界の5都市で9大会が実施されている。小林は参戦のための遠征メンバーに名を連ねている。
次の冬季オリンピックはいつ? ミラノ・コルティナ2026
ミラノ・コルティナ2026の会期は、2026年2月6日〜22日。6日に開会式が予定され、伊サッカーチームのACミランやインテルがホームとするスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(通称、サン・シーロ)で行われる。
また閉会式は22日に行われることになっており、2000年の歴史を誇る古代ローマ時代の円形劇場のアレーナ・ディ・ヴェローナがその舞台となる。