フィギュアスケート2024/2025シーズン 日本男子シングルの顔ぶれ、来季のミラノオリンピックに向けて飛躍するのは?

10月18日に幕を開けるフィギュアスケート・グランプリシリーズ。フィギュアスケートのシーズンが本格的に始まるのを前に、宇野昌磨引退後の今、そして来季に向けて日本男子の勢力図はどう移り変わっていくのか。グランプリシリーズ出場予定の主な日本男子スケーターを紹介しよう。

Figure Skating Japan 2024
(Getty Images)

男子フィギュアスケート界では、北京2022冬季オリンピックを経て、オリンピック2連覇(ソチ2014平昌2018)の羽生結弦が2022年に競技者として第一線を退き、2024年シーズン後には元世界王者の宇野昌磨が現役を引退。北京2022金メダルのネイサン・チェン(アメリカ合衆国)がアイスリンクと距離を置くなど、有力選手が次々と新たな道を歩んでいる。そんな中、史上初の4回転アクセルを成功させた19歳のイリア・マリニンが昨季の世界選手権とグランプリ(GP)ファイナルを制して、話題を独占している。

今シーズン、そして来季のミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックシーズンで、マリニンに挑むのは誰なのか。さらに世代交代が進む日本で、オリンピック出場に近づくのは誰なのか。

世界選手権で準優勝3度の鍵山優真を筆頭に、時代を引き継ぐスケーターとなるべく技や表現力を磨く日本男子スケーターたち。10月18日に始まるGPシリーズを前に、男子シングルに出場予定の日本人スケーターの顔ぶれを見てみよう。

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フィギュアスケート・グランプリシリーズ2024/2025、日本男子スケーター

2024/2025シーズンのGPシリーズには、日本から鍵山をはじめ8人のスケーターが出場する。そのうち特別強化選手に選出されている4人を紹介しよう。

鍵山優真

  • 生年月日:2003年5月5日(21歳)
  • グランプリシリーズ2024出場予定:第4戦 NHK杯、第5戦 フィンランディア杯

北京2022で銀メダルを獲得した鍵山優真は、2020年にシニアデビューを飾って以降、GPシリーズで好成績を残してきた。2022/2023シーズンは怪我に悩まされたものの、翌シーズンに復帰してGPファイナル3位、世界選手権ではマリニンに続いて準優勝で表彰台に立つなど強さを見せつけ、日本のトップ選手として期待を一身に背負っている。

現役選手の中で、4回転ジャンプを自在に操るマリニンに次ぐ実力者として世界でもその地位を固めつつある鍵山だが、世界選手権では準優勝が3度、初出場となった昨季のファイナルでは3位となるなど、まだ世界の頂点からの景色を眺めたことはない。日本男子を率いる存在として活躍が期待される中、新たに4回転ルッツをプログラムに組み込めるよう練習を重ね、今季のGPシリーズに挑む。ミラノオリンピックを来季に控える今、鍵山は「全試合がオリンピック予選」の気持ちで挑むことを誓う

山本草太

  • 生年月日:2000年1月10日(24歳)
  • グランプリシリーズ2024出場予定:第2戦 スケートカナダ、第5戦 フィンランディア杯

2016年にノルウェーで行われたユースオリンピック・リレハンメル大会で、フィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得した山本草太。シニアデビューとなった2016/2017シーズンは、怪我の影響で理想のスタートを切ることはできなかったものの、一歩ずつ着実に階段をあがり、2018年にはNHK杯でGPシリーズデビュー。2022/2023シーズンにはGPシリーズ2大会で表彰台に立ち、初出場のGPファイナルで準優勝を果たした。

昨シーズンはGPシリーズ・スケートカナダで初勝利を挙げた一方、チャイナカップで6位に沈み、GPファイナル出場はならず。しかし、12月の全日本選手権では宇野、鍵山に続き、3位で初の表彰台に立った。今季はシーズン最初の国際大会チャレンジャーシリーズ・ネーベルホルントロフィーで優勝を飾り、幸先の良いスタートを切った山本。GPの2大会で安定した成績を残して、ファイナル進出を手繰り寄せることができるのか。

三浦佳生

  • 生年月日:2005年6月8日(19歳)
  • グランプリシリーズ2024出場予定:第1戦 スケートアメリカ、第4戦 NHK杯

今シーズンのGPリシリーズに出場する日本選手の中で最年少19歳のスケーターが三浦佳生(かお)。今季でシニア3季目ながら、すでにGPシリーズで1勝、ファイナルを2度経験(ともに5位)しており、2023年には四大陸選手権で頂点に立った。

シニア2季目となった昨シーズンは初めてシニアの世界選手権にも出場。しかし、自身では調子の良さを実感ながらも、その大舞台で本領を発揮できず8位で悔しい思いを経験し、今季は「成長した三浦」を披露するシーズンとなる。オリンピックをプレシーズンとなる今、「自分はオリンピックに行けるようにするための練習はしますけど、オリンピックを考えてすぎてしまうとダメな性格なんで…オリンピックのことは試合のときとかは頭に入れず、ひと試合ひと試合で自分のできる最高の演技をするっていうことを考えてやっていきたい」との気持ちで、GPシリーズをスタートさせる。

佐藤駿

  • 生年月日:2004年2月6日(20歳)
  • グランプリシリーズ2024出場予定:第2戦 スケートカナダ、第6戦 カップオブチャイナ

時代の寵児マリニンと同じ2004年生まれの佐藤駿(しゅん)は、2020年にシニアデビューを果たし、今季でGPシリーズ5季目を迎える。GPファイナルでの4位を含め出場したほとんどのGPシリーズ大会で表彰台に立っているものの、まだ優勝をおさめてはいない。

昨季から北京2022のアイスダンス金メダリスト、ギヨーム・シゼロン(フランス)が振り付けを担当して表現力を磨き、GPシリーズでは2大会で表彰台に立ったが2年連続のファイナル進出はならなかった。しかし四大陸選手権の代表に選ばれ、2大会連続で表彰台に。今季はフリースケーティングにとどまらずショートでもジゼロンの指導を受け、さらなる飛躍が期待される。

「今シーズンは(オリンピックの)プレシーズンとなって、僕にとってすごい挑戦のシーズンになるかなと思う。失敗を恐れずに、失敗してもいいという気持ちですべての試合に取り組んでいきたいなと思っています」と、9月末のフィギュアスケート日本代表選手記者会見で語った。

このほか、宇野が指導を受けたステファン・ランビエール氏に師事する島田高志郎、昨季本格的にシニアデビューを果たした吉岡希、表現力に定評のある友野一希、GPシリーズNHK杯の追加選出が決まった壷井達也がGPシリーズへの出場を予定している。

フィギュアスケート2024、グランプリシリーズの日程と出場予定の日本人スケーター

グランプリシリーズは全6戦とファイナルが予定され、スケーターたちは出場した大会の成績によってポイントが与えられ。6戦終了後に、ポイント数の上位6人(組)がファイナル出場の資格を得る。以下、各大会の日程・開催地と出場予定の日本選手。

第1戦 スケートアメリカ

  • 日程:10月18日〜20日
  • 開催都市:アメリカ合衆国テキサス州アレン
  • 男子シングル日本選手:三浦佳生、島田高志郎、吉岡希
  • 女子シングル日本選手:青木祐奈、樋口新葉、渡辺倫果
  • ペア日本選手:三浦璃来/木原龍一
  • アイスダンス日本選手:なし

第2戦 スケートカナダ

  • 日程:10月25日〜27日
  • 開催都市:カナダ・ハリファックス
  • 男子シングル日本選手:佐藤駿、山本草太
  • 女子シングル日本選手:松生理乃、坂本花織、吉田陽菜
  • ペア日本選手:なし
  • アイスダンス日本選手:なし

第3戦 グランプリフランス

  • 日程:11月1日〜3日
  • 開催都市:フランス・アンジェ
  • 男子シングル日本選手:島田高志郎、友野一希
  • 女子シングル日本選手:樋口新葉、三原舞依、住吉りをん
  • ペア日本選手:なし
  • アイスダンス日本選手:なし

第4戦 NHK杯

  • 日程:11月8日〜10日
  • 開催都市:日本・東京
  • 男子シングル日本選手:鍵山優真、三浦佳生、壷井達也
  • 女子シングル日本選手:千葉百音、坂本花織、青木祐奈
  • ペア日本選手:三浦璃来/木原龍一、長岡柚奈/森口澄士
  • アイスダンス日本選手:田中梓沙/西山真瑚、吉田唄菜/森田真沙也

第5戦 フィンランディア杯

  • 日程:11月15日〜17日
  • 開催都市:フィンランド・ヘルシンキ
  • 男子シングル日本選手:鍵山優真、友野一希、山本草太
  • 女子シングル日本選手:松生理乃、三原舞依、吉田陽菜
  • ペア日本選手:なし
  • アイスダンス日本選手:なし

第6戦 カップオブチャイナ

  • 日程:11月22日〜24日
  • 開催都市:中華人民共和国・重慶
  • 男子シングル日本選手:佐藤駿
  • 女子シングル日本選手:千葉百音、住吉りをん、渡辺倫果
  • ペア日本選手:なし
  • アイスダンス日本選手:なし

最終戦 グランプリファイナル

  • 日程:12月5日〜8日
  • 開催都市:フランス・グルノーブル
  • 男子シングル:未定
  • 女子シングル:未定
  • ペア:未定
  • アイスダンス:未定
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