世界最高峰の水泳選手たちが集う世界水泳選手権2023が、7月14日に福岡で開幕する。
7月23日〜30日に予定されている競泳では、日本から男女それぞれ20人の計40選手が出場。日本水泳連盟は個人種目で優勝した選手をパリ2024オリンピックの内定選手(※)とすることを発表しており、パリ2024出場を確かなものにするためにも、さらには1年後のパリに向けて現在の立ち位置を知るためにも、選手たちは積み上げてきたものをこの大会にぶつける。
各種目でどんなドラマが展開されるのか。ここではバタフライ・背泳ぎ・平泳ぎ・自由形をこなす、7月23日(400m)、26日・27日(200m)の男子メドレーの見どころのほか、現在の世界記録および日本記録を探ってみたい。
※ 国際大会代表選手選考会において同種目出場が条件(日本水泳連盟より)
世界水泳2023、競泳・男子個人メドレーの注目選手
男子メドレーで最も話題を集めている選手といえば、フランス代表のレオン・マルシャンだろう。
21歳のマルシャンは、昨年の世界水泳・男子200m個人メドレーでフランス国内記録、400m個人メドレーでヨーロッパ記録を更新する圧巻の泳ぎで2冠を達成。自己ベストはそのときにマークした1分55秒22(200m)、4分04秒28(400m)で、400mでは競泳界のレジェンド、マイケル・フェルプスが15年にわたって保持している世界記録(4分03秒84)に迫る歴代2位のタイムを記録した。
「マルシャンはフェルプスの記録を破ることができるのか?」
この問いの答えを知るべく、多くの競泳ファンは400m個人メドレーに関心を寄せる。
そんなマルシャンに肉薄するのが、パリ2024での金メダルを目標に掲げる瀬戸大也、そして前回大会で200m、400mで2位となったカーソン・フォスター(アメリカ合衆国代表)だ。
今シーズンの400m個人メドレーで最も早いタイムを記録しているマルシャン(4分07秒80)だが、その記録から0.5秒以内に、瀬戸(4分07秒92)、21歳のカーソン・フォスター(4分08秒14)が控えている。
マルシャンの自己ベストからは3秒以上遅いものの、「この接戦を制して優勝するのは誰なのか?」「瀬戸が自己ベストの4分06秒09 (2020年1月)を更新して、マルシャンを制することができるのか?」という点でも見応え十分のレースとなるだろう。
このほか、アメリカ合衆国出身で東京2020男子400m個人メドレー金メダリストの29歳、チェイス・カリシュや東京2020バタフライ銅メダルの本多灯(ほんだ・ともる/400m個人メドレー)が戦いに挑む。
日本からは瀬戸、本多に加え、20歳の小方颯(おがた・そう)が200m個人メドレーで世界選手権・初出場を果たす。
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競泳・男子個人メドレーの世界記録・日本記録
※以下の記録は、2023年7月13日現在
男子200m個人メドレー
[世界]
- 世界記録:1分54秒00
- 世界記録保持者:ライアン・ロクテ(アメリカ合衆国)
- 記録日・大会:2011年7月28日、世界水泳選手権
[日本]
- 日本記録:1分55秒07
- 日本記録保持者:萩野公介
- 記録日・大会:2016年4月9日、日本選手権
[瀬戸大也の自己ベスト]
- 記録:1分55秒55
- 記録日・大会:2020年1月18日、FINAチャンピオンズ・スイムシリーズ2020
[小方颯の自己ベスト]
- 記録:1分57秒52
- 記録日・大会:2023年4月6日、日本選手権
男子400m個人メドレー
[世界]
- 世界記録:4分03秒84
- 世界記録保持者:マイケル・フェルプス(アメリカ合衆国)
- 記録日・大会:2008年8月10日 北京2008オリンピック
[日本]
- 日本記録:4分06秒05
- 日本記録保持者:萩野公介
- 記録日・大会:2016年8月6日 リオ2016オリンピック
[瀬戸大也の自己ベスト]
- 記録:4分06秒09
- 記録日・大会:2020年1月25日、北島康介杯
[本多灯の自己ベスト]
- 記録:4分10分37
- 記録日・大会:2023年4月4日、日本選手権水泳競技大会
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世界水泳2023、競泳・男子個人メドレーの日程
男子400m個人メドレー
- 予選:7月23日 10:30〜14:45
- 決勝:7月23日 20:00〜22:20
男子200m個人メドレー
- 予選:7月26日 10:30〜13:30
- 準決勝:7月26日 20:00〜22:15
- 決勝:7月27日 20:00〜22:15
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