競泳の世界記録は、それほど長く保持されないと言われる。コーチング技術、トレーニング方法などの急速な進歩によって、水の中における人間の体力の限界が常に押し広げられるからだ。
長水路の男女世界記録の中で最も古いものは、2008年8月11日、北京2008でマイケル・フェルプスら男子アメリカ合衆国チームが4x100mフリーリレーで記録した3分08秒24となっている。
また女子では、リュウ・シカ(中華人民共和国)が、2009年10月21日、中国全国運動会で樹立した200mバタフライの世界記録(2分01秒81)が最も古い。
男子800m自由形と女子1500m自由形は、東京2020で初めてオリンピック種目として追加された。今後これらの記録の更新が期待される。現在の男子800m自由形世界記録は、2009年7月29日にチョウ・リン(中華人民共和国)が世界水泳選手権(イタリア・ローマ)で樹立した7分32秒12。女子1500m自由形世界記録は、7度のオリンピック金メダリスト、ケイティ・レデッキー(アメリカ合衆国)が2018年5月16日に米国内レースでマークした15分20秒48となっている。
高速水着で生まれた世界記録はいつ破られるのか!?
テクノロジーの進歩によって開発された高速水着(スピードスーツ)が流行し、選手がこぞって着用した北京2008と2009年世界水泳選手権(イタリア・ローマ)。北京では23個、世界水泳では43個もの世界新記録が生まれた。
2010年からは公式大会での着用が禁止されたが、これらはテクノロジーの賜物と言っても過言ではなかった。高速水着の着用は比較的体格の大きい選手に有利とされたが、実際、女子選手よりも男子選手で世界記録が量産された。
長らくこれらの世界記録が破られることはないと思われた。現在、男子種目では、50m自由形、200m自由形、400m自由形、800m自由形、200m背泳ぎ、4×100mフリーリレーの6つ、女子種目では、200mバタフライの1つがこの時樹立された世界記録として残っている。
以下は、競泳長水路の男女世界記録の一覧である。16年前に記録されたものから今年になって樹立されたものまで、世界最高峰のトップスイマーの偉大なる記録を確認しよう。