5月30日(火)から6月7日(水)までの9日間、中米、エルサルバドルで開催される国際サーフィン連盟(ISA)ワールドサーフィンゲームズ2023。パリ2024へと続く代表選考大会として、アメリカ大陸を除く、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアの4大陸別でトップとなった男女それぞれ4名の選手(計8名)にパリ2024の出場権が割り当てられる。日本から出場する波乗りジャパン、男女6名の選手も、オリンピック代表権獲得を目指し、エルサルバドル屈指のサーフシティ、エル・スンサルとラ・ボカナを舞台に戦う。
今大会には、過去最多64カ国から総勢297名のサーファーらが出場を予定しており、ワールドクラスの波の上で世界王者のタイトルを巡り競い合う。
出場者には、世界チャンピオンやワールドサーフリーグ(WSL)の王者らなど豪華なメンバーがそろう。また、東京2020サーフィンに出場したオリンピアン40名のうち28名が出場する予定だ。5月30日(火)からの9日間は、ワールドサーフィンゲームズの名にふさわしい素晴らしいパフォーマンスとバトルが期待される。
東京2020金メダリストのカリッサ・ムーア(アメリカ合衆国)と、2度のWSLチャンピオンのジョン・ジョン・フローレンス(アメリカ合衆国)を擁するチームUSAは、総合チーム優勝した昨年のワールドサーフィンゲームズ(米国カリフォルニア州ハンティントンビーチ)に続き連覇を目指す。
昨年のワールドサーフィンゲームズを制して男子日本チームを優勝に導き、パリ2024出場枠1枠の獲得に貢献した東京2020銀メダリスト、五十嵐カノアや、3度の世界チャンピオン、サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)らスーパースターは、今大会でパリ2024へのチケットを直接手に入れ、舞台となるタヒチ・チョープーでの戦いに備えたいところだ。
日本勢は、5大会連続出場の五十嵐の他、東京2020銅メダリストの都筑有夢路(つづきあむろ)、同代表の前田マヒナ、今年4月のジャパンオープンオブサーフィン(宮城県仙台市)で優勝した稲葉玲王(れお)、同大会準優勝の脇田泰地(たいち)、松田詩野(しの)ら波乗りジャパンが参戦する予定だ。今大会でアジア1位になれば、早くもパリ2024への出場が決まる。オリンピックでチョープーの大波に挑むためにも十分な準備期間を確保したいところだろう。
ワールドサーフィンゲームズからパリ2024への道
パリ2024の出場権を得るための最初の機会は、すでに米カリフォルニア州ハンティントンビーチで2022年9月に開催されたISAワールドサーフィンゲームズだった。この大会では、男女それぞれ国別代表チームの優勝国の国内オリンピック委員会(NOC)にパリ2024出場枠が1枠ずつ与えられた。この時、日本男子チームと米国女子チームが優勝を果たし、それぞれ獲得している。
各国のNOCは、男女それぞれ最大2人の選手をパリ2024へ派遣することができるが、2022年と2024年のISAワールドサーフィンゲームズの国別優勝チームにはさらに出場枠が割り当てられるため、最終的に出場枠が3つに増える可能性がある。
今回のISAワールドサーフィンゲームズでは、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアの4大陸別で最高位となった男女それぞれ4名の選手(計8名)に出場権が直接与えられる。
アメリカ大陸から選手にとっては、2023年パンアメリカン競技大会(チリ・サンティアゴ)の男女優勝者がパリ2024代表権を獲得できる仕組みになっている。ただし、パンアメリカン競技大会へは、今回のエルサルバドルで男女それぞれ上位5位に入ったアメリカ大陸代表選手のみが出場できる。
ブリサ・エネシ(コスタリカ)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(ブラジル)、ジョアン・ディフェイ(フランス)、テレサ・ボンバロット(ポルトガル)ら東京2020に出場した4名は、暫定的ではあるものの、WSLチャンピオンシップツアー・ランキングに基づき、すでに出場権を獲得しており、2度目のオリンピックに期待を寄せている。
ワールドサーフィンゲームズ2023:過去最多の出場国
今大会には、チェコ、インド、ラトビア、モーリシャス、トリニダード・トバゴの新たな5カ国が加わり、過去最多64カ国からのサーファーが出場する。
チェコからは男女それぞれ3名が出場。インドとトリニダード・トバゴからは、それぞれ男子選手が3名、ラトビアからは女子選手が1名、モーリシャスからは男子選手が1名出場することになっている。
また、今大会はジェンダー平等を具体化した大会を目指しており、出場選手総数297名のうち過去最多132名(全体の44%)の女性選手が出場する。
ISAワールドサーフィンゲームズ2023:開催地エルサルバドル
サーフシティ・エルサルバドルでISAワールドサーフィンゲームズが開催されるのは今回で2回目。
前回は2021年の同時期に開催されており、東京2020の最終代表選考会となった。ラ・ボカナとエル・スンサルの波を相手に、フランス、日本、ポルトガルのチームが上位3位を占めた。
今回もラ・ボカナとエル・スンサルを舞台に9日間のコンテストが行われる。
ラ・ボカナは、ライト、レフトともにブレイクするポイント。波はパワフルに急落しバレルも起きやすく、選手たちは大いに興奮するだろう。
ラ・ボカナの西側に位置するエル・スンサルは、海岸に沿って長いラインを描きライトからブレイクするポイント。比較的、マニューバが容易なポイントとされている。
安定した波と景観の美しさから、エル・スンサルはエルサルバドルのベストサーフスポットとして、1970年代から同国のサーフ文化を支えている。
ISAワールドサーフィンゲームズ2023の日程
- 5月30日(火)開会式、コンテスト初日
- 5月31日(水)〜6月6日(火)コンテスト
- 6月7日(水)ファイナル、閉会式
*現地と日本の時差は15時間(日本が15時間進んでいる)
*日程は、天気予報、天候、海況によって変更されることがある。
*詳しくは、ISA公式サイトを確認
ISAワールドサーフィンゲームズ2023の配信予定
- パリ2024の出場権を手にするのはどの選手か?大会の模様は、Olympics.comをチェック!
- ISA公式サイトでもライブ配信予定。