大会6日目(3月10日)を迎えた北京2022冬季パラリンピックでは、パラアルペンスキーのジャイアントスラローム(大回転)男子3種目のメダルイベントが行なわれた。
このジャイアントスラロームでは、午前にファーストラン、午後にセカンドランが実施され、2回のランのタイム合計で順位が争われた。なお、ファーストランを完走できなかった場合、セカンドランに出場することはできない。
輝きの瞬間:モーメント・オブ・ザ・デイ
オーストリアのヨハネス・アイクナーは、16歳で初出場にして、パラアルペンスキー男子ジャイアントスラローム(視覚障がい)で、今大会2個目の金メダル、通算4個目のメダルを獲得した。
「信じられないです。すでに金、銀、銅を獲得してきたので、(今日)欲しかったのは金だけでした。それを達成することができて、信じられない気持ちです」
アイクナーにとって、北京2022は家族で迎える特別な大会であり、双子のバルバラ(16歳)と姉のベロニカ(19歳)も11日からパラアルペンスキー女子2種目に出場する。
「彼女たちがトレーニングの成果を発揮できれば、良い結果が出せると思います」ヨハネスの評価が確かなものであれば、アイクナー一家が北京2022でさらに多くのメダルを獲得する可能性は十分にありえる。
「彼女たちの技術は本当に素晴らしいので、明日はそれが見られることを期待しています」
輝いたアスリート:アスリート・オブ・ザ・デイ
イエスペル・ペデシェン(ノルウェー)の勢いが止まらない。北京2022大会6日目、ジャイアントスラローム座位で3個目の金メダルを獲得し、平昌2018のタイトル防衛に成功した22歳のペデシェンは、パラリンピックで合計6個目のメダルを獲得した。
彼の成功の鍵は、常に最高レベルのパフォーマンスを発揮できる能力にあると言えるだろう。
「私はこのサーキットで最も安定したスキーヤーだと言えるでしょう。ただただ沢山のトレーニングをしてきました。おそらくサーキットの中で最も多くの日数、スキーをしています。ノルウェーには氷河があるので、僕らは夏の間もずっとその雪の上にいるんです」
「今シーズンに向けて多くのトレーニングを積んできたし、何が起こるか予想できていました。今日は多くの良いパフォーマンスができて、それを見せられました」
ペデシェンは、日曜日(3月13日)のスラロームでメダルを獲得するチャンスがまだ残っている。
明日の見どころ
大会7日目となる明日3月11日は、本日の男子に続きパラアルペンスキー女子ジャイアントスラロームが行なわれる。座位クラスには、今大会3つのメダル(金2、銀1)を獲得している村岡桃佳のほか、田中佳子、原田紀香が出場。立位クラスには本堂杏実、神山則子が出場する。
パラバイアスロンには男子12.5km(立位)に佐藤圭一、女子12.5km(立位)に阿部友里香と出来島桃子がエントリー。パラスノーボードのバンクドスラロームには、日本男子6選手が出場。3月7日に行なわれたスノーボードのクロス下肢障がいLL1クラスで5位入賞の小栗大地、LL2クラスで同じく5位入賞の市川貴仁を筆頭に、日本勢が表彰台を狙う。
また、パラアイスホッケー準決勝では、強豪チームが激突する。アメリカ合衆国 vs 中華人民共和国と、カナダ vs 大韓民国の対戦のほか、5-6位順位決定戦では、チェコ vs イタリアの試合が予定されている。車いすカーリングもいよいよ終盤戦に入り、準決勝2試合と、銅メダル決定戦が行なわれる。なお、どちらの競技も日本は出場していない。
今日のメダリスト一覧
男子
パラアルペンスキー・ジャイアントスラローム(座位)
- 金: イエスペル・ペデシェン(ノルウェー)
- 銀: レネ・デシルベストロ(イタリア)
- 銅: 梁子路(中華人民共和国)
パラアルペンスキー・ジャイアントスラローム(立位)
- 金: サンテリ・キーベリ(フィンランド)
- 銀: トーマスチャールズ・ウォルシュ(アメリカ合衆国)
- 銅: アルトゥル・ボシェ(フランス)
パラアルペンスキー・ジャイアントスラローム(視覚障がい)
- 金: ヨハネス・アイクナー(オーストリア)
- 銀: ジャコモ・ベルタニョリ(イタリア)
- 銅: ミロスラフ・ハラウス(スロバキア)
今日の日本選手の成績
男子
パラアルペンスキー・ジャイアントスラローム(座位)
- 5位 鈴木猛史
- 8位 森井大輝
- 23位 藤原哲
- DNF 狩野亮(ファーストラン完走)
パラアルペンスキー・ジャイアントスラローム(立位)
- 14位 小池岳太
- 30位 青木大和
- 31位 東海将彦
※略称: DNF・・・途中棄権