大会4日目を迎えた北京2022冬季パラリンピックでは、パラバイアスロンのミドル男女各3種目の合計6のメダルイベントが行なわれた。
ウィンタースポーツ強豪の欧米諸国のパラアスリートが活躍する一方で、北京2022パラリンピックを開催する中華人民共和国(中国)代表の選手たちの大躍進も目が離せない。バイアスロン男子ミドル(座位)で劉夢濤が金メダルを獲得し、本日(3月8日)のメダルイベントを終えた時点で、中国のメダル獲得数を金メダル8を含む計27とした。パラアイスホッケー男子グループBでは、中国がイタリアを6-0で下し、無敗でグループステージを通過した。
また、ウクライナ勢はパラバイアスロン女子ミドル(立位)、男子ミドル(視覚障がい)の両種目で表彰台を独占。同国選手団の表彰台独占は今大会において3回目となった。
輝きの瞬間:モーメント・オブ・ザ・デイ
東京2020のトライアスロンでスリリングなレースを制したアメリカ合衆国のケンドル・グレッチが、わずか6ヶ月後、北京2022パラリンピックのバイアスロン女子ミドル(座位)で再びエキサイティングなレースを展開し、栄光を手にした。
チームメイトで、銀メダルに輝いたオクサナ・マスターズが20本すべてのショットを成功させた一方、グレッチはターゲットを数回外してペナルティを受けたものの、10kmのクロスカントリー7km地点でマスターズを追い越し、8.7秒差で金メダルに輝いた。
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輝いたアスリート:アスリート・オブ・ザ・デイ
18歳のレオニーマリア・ワルターがバイアスロン女子ミドル(視覚障がい)で優勝し、ドイツ勢として初めて同種目で金メダルを獲得した。3月5日にスプリントで金メダルを獲得したウクライナのオクサナ・シシコワは、射撃で2つのショットを外し、惜しくも優勝を逃した。ふたりは他選手を大きく引き離しており、中国の王躍が銅メダルに輝いた。
パラリンピックでの初の金メダル獲得についてワルターは競技終了後、「素晴らしい気分」と喜びを語った。ワルターにとって、パラバイアスロン女子スプリントとパラクロスカントリースキー女子ロング・クラシカルの銅メダルに続く3つ目のメダルとなった。
明日の見どころ
大会5日目となる明日3月9日は、パラクロスカントリー、パラアイスホッケー、車いすカーリングが予定されており、パラクロスカントリーは男子スプリント(座位)、女子スプリント(座位)、男子スプリント・フリー(立位)、女子スプリント・フリー(立位)、男子スプリント・フリー(視覚障がい)、女子スプリント・フリー(視覚障がい)でメダルが確定する。
日本勢は現地時間10:00から予選が始まる男子スプリント(座位)に森宏明、同10:40から予選が始まる男子スプリント・フリー(立位)に今回の大会で既に金メダルを獲得している川除大輝、新田佳浩、岩本啓吾が出場する。また、同10:55から予選が始まる女子スプリント・フリー(立位)に阿部友里香、岩本美歌、同11:11からの男子スプリント・フリー(視覚障がい)に有安諒平が出場する予定。
スプリント各種目では、予選が行われたのち、準決勝、決勝へと進み、同日のうちにメダルが確定する。決勝は現地時間13:45〜。
今日のメダリスト一覧
女子
パラバイアスロン・ミドル(座位)
- 金: ケンドル・グレッチ(アメリカ合衆国)
- 銀: オクサナ・マスターズ(アメリカ合衆国)
- 銅: アニャ・ウィッカー(ドイツ)
パラバイアスロン・ミドル(立位)
- 金: イリーナ・ブイ(ウクライナ)
- 銀: オレクサンドラ・コノノワ(ウクライナ)
- 銅: リュドミラ・リアシェンコ(ウクライナ)
パラバイアスロン・ミドル(視覚障がい)
- 金: レオニーマリア・ワルター(ドイツ)
- 銀: オクサナ・シシコワ(ウクライナ)
- 銅: 王躍(中華人民共和国)
男子
パラバイアスロン・ミドル(座位)
- 金: 劉夢濤(中華人民共和国)
- 銀: マルティン・フライク(ドイツ)
- 銅: タラス・ラド(ウクライナ)
パラバイアスロン・ミドル(立位)
- 金: マーク・アレンズ(カナダ)
- 銀: グリゴリー・ボブチンスキー(ウクライナ)
- 銅: アレクサンドル・ゲルリツ(カザフスタン)
パラバイアスロン・ミドル(視覚障がい)
- 金: ビタリー・ルキヤネンコ(ウクライナ)
- 銀: アナトリー・コワレフスキー(ウクライナ)
- 銅: ドミトロ・スイアルコ(ウクライナ)
今日の日本選手の成績
女子
パラバイアスロン・ミドル(立位)
10位 出来島桃子
男子
パラバイアスロン・ミドル(立位)
9位 佐藤圭一
本日は、車いすカーリング、アイスホッケーも実施されたが、この競技に日本代表は出場していない。