北京2022冬季パラリンピックがいよいよ開幕し、大会初日となる本日(3月5日)は、パラアルペンスキーのダウンヒル(滑降)男女各3種目の計6と、パラバイアスロンのスプリント(6km)男女各3種目の計6、合わせて12のメダルイベントが行なわれた。また、車いすカーリングの1次リーグ、パラアイスホッケーの1次リーグも実施された。
パラアルペンスキーでは、6ヶ国の選手が金メダルを獲得し、今大会最初の金メダリストとなったのは女子ダウンヒル(視覚障がい)で優勝したヘンリエタ・ファルカショバ(スロバキア)。日本勢は、村岡桃佳が女子ダウンヒル(座位)で金メダルを獲得し、日本勢第1号のメダリストに輝いた。
また、パラバイアスロンでは、過去の夏冬パラリンピックを通じて10個のメダルを手にしているレジェンド、オクサナ・マスターズ(アメリカ合衆国)が、女子スプリント(座位)で金メダルを獲得。男子スプリントの視覚障がいカテゴリーでは、ウクライナ勢が表彰台を独占した。
輝きの瞬間:モーメント・オブ・ザ・デイ
ベルギー出身のパラアルペンスキーヤーで、57歳のリンダ・ル・ボンが、リザーブとして急遽ガイドを務めることになった娘ウラ・ジローと共にダウンヒル(滑降)に出場。親子による感動的なレースとなった。
ボンの当初のガイドが事務上のミスで参加できなくなり、代わりに娘・ウラがガイドを担当。6位となった母ル・ボンはレース後、「22歳の娘と一緒に参加できて、とても幸せです。娘は4日前に私の新しいガイドになり、これまで一緒に滑ったことはありませんでしたが、とても素晴らしかった」と、Olympics.comに語った。
「(2位となった世界選手権)リレハンメルの方がタイムは速かったのですが、今回のレースは素晴らしいものになりました」と喜びを語った。
輝いたアスリート:アスリート・オブ・ザ・デイ
前回の平昌2018パラリンピックで合計5個(金1、銀2、銅2)のメダルを獲得し、北京2022では日本代表選手団の主将を務める村岡桃佳が、パラアルペンスキー女子ダウンヒル(座位)に出場し、走行タイム1:29.77で金メダルを獲得した。日本勢第1号のメダリストとなった。村岡にとっては、平昌大会のスラロームに続く2つ目の金メダル。今回の大会ではパラアルペンスキー他4種目にも出場予定で、平昌2018を上回る金メダルの獲得が期待されている。
また、男子では、6大会連続のパラリンピック出場を誇る森井大輝が、パラアルペンスキー・ダウンヒル(座位)で3位銅メダルに輝き、5大会連続でのメダル獲得となった。村岡と同様に、森井もパラアルペンスキー他4種目に出場する予定。
北京2022パラアルペンスキーの競技スケジュールは、以下の通り(天候等により、競技スケジュールに変更が生じる場合がある):
- 3月6日 11:00(現地時間10:00) 男女スーパーG(座位・立位・視覚障がい)
- 3月8日 11:00(現地時間10:00) 男女スーパー複合(座位・立位・視覚障がい)
- 3月10日 11:00(現地時間10:00) 男子ジャイアントスラローム(座位・立位・視覚障がい)
- 3月11日 11:00(現地時間10:00) 女子ジャイアントスラローム(座位・立位・視覚障がい)
- 3月12日 11:00(現地時間10:00) 男子スラローム(座位・立位・視覚障がい)
- 3月13日 11:00(現地時間10:00) 女子スラローム(座位・立位・視覚障がい)
明日の見どころ
大会2日目となる3月6日は、パラアルペンスキー、パラクロスカントリースキー、パラアイスホッケー、パラスノーボード、車いすカーリングが予定されており、パラアルペンスキーのスーパーG(6種目)、パラクロスカントリースキーの長距離(座位、2種目)でメダリストが確定する。
日本勢はパラアルペンスキー女子スーパーG立位に本堂杏実、神山則子、座位に村岡桃佳、田中佳子、男子スーパーG立位に三沢拓、小池岳太、東海将彦、座位に狩野亮、鈴木猛史、森井大輝、藤原哲が出場する。
またスノーボードクロスの予選も行われる予定で、上肢障がいSB-ULに大岩根正隆、下肢障がいSB-LL1に小栗大地、小須田潤太、下肢障がいSB-LL2に岡本圭司、市川貴仁、田渕伸司がエントリーしている。
今日のメダリスト一覧
女子
パラアルペンスキー ・ダウンヒル(座位)
- 金: 村岡桃佳(日本)
- 銀: アナレナ・フォルスター(ドイツ)
- 銅: 劉思彤(中華人民共和国)
パラアルペンスキー ・ダウンヒル(立位)
- 金: モリー・ジェプセン(カナダ)
- 銀: 張夢秋(中華人民共和国)
- 銅: エバ・オールシェ(スウェーデン)
パラアルペンスキー ・ダウンヒル(視覚障がい)
- 金: ヘンリエタ・ファルカショバ(スロバキア)
- 銀: 朱大慶(中華人民共和国)
- 銅: ミリー・ナイト(イギリス)
パラバイアスロン ・スプリント(座位)
- 金: オクサナ・マスターズ(アメリカ合衆国)
- 銀: 単怡霖(中華人民共和国)
- 銅: ケンドル・グレッチ(アメリカ合衆国)
パラバイアスロン ・スプリント(立位)
- 金: 郭雨潔(中華人民共和国)
- 銀: リュドミラ・リアシェンコ(ウクライナ)
- 銅: 趙志清(中華人民共和国)
パラバイアスロン ・スプリント(視覚障がい)
- 金: オクサナ・シシコワ(ウクライナ)
- 銀: リン・カツマイアー(ドイツ)
- 銅: レオニーマリア・ワルター(ドイツ)
男子
パラアルペンスキー ・ダウンヒル(座位)
- 金: コーリー・ピーターズ(ニュージーランド)
- 銀: イエスペル・ペデシェン(ノルウェー)
- 銅: 森井大輝(日本)
パラアルペンスキー ・ダウンヒル(立位)
- 金: アルトゥル・ボシェ(フランス)
- 銀: マルクス・ザルヒャー(オーストリア)
- 銅: テオ・グムア(スイス)
パラアルペンスキー ・ダウンヒル(視覚障がい)
- 金: ヨハネス・アイクナー(オーストリア)
- 銀: マック・マルクー(カナダ)
- 銅: ヤサント・デレプラス(フランス)
パラバイアスロン ・スプリント(座位)
- 金: 劉子旭(中華人民共和国)
- 銀: タラス・ラド(ウクライナ)
- 銅: 劉夢濤(中華人民共和国)
パラバイアスロン ・スプリント(立位)
- 金: グリゴリー・ボフチンスキー(ウクライナ)
- 銀: マルコ・マイアー(ドイツ)
- 銅: マーク・アレンズ(カナダ)
パラバイアスロン ・スプリント(視覚障がい)
- 金: ビタリー・ルキヤネンコ(ウクライナ)
- 銀: オレクサンドル・カジク(ウクライナ)
- 銅: ドミトロ・スイアルコ(ウクライナ)
今日の日本選手の成績
パラアルペンスキー女子ダウンヒル(立位)
- 6位 本堂杏実
- 8位 神山則子
パラアルペンスキー男子ダウンヒル(座位)
- 7位 狩野亮
- 8位 鈴木猛史
パラアルペンスキー男子ダウンヒル(立位)
- 14位 三沢拓
- 21位 小池岳太
パラバイアスロン女子スプリント(立位)
- 14位 出来島桃子
- 16位 阿部友里香
パラバイアスロン男子スプリント(立位)
- 11位 佐藤圭一
パラアイスホッケーと車いすカーリングの1次リーグも実施されたが、これら種目に日本チームは出場していない。