大会2日目(3月6日)を迎えた北京2022冬季パラリンピックでは、パラアルペンスキーのスーパーG(スーパー大回転)男女各3種目と、パラクロスカントリースキーのロング(長距離)男女各1種目の、合計8のメダルイベントが行なわれた。
パラアルペンスキーでは、日本代表選手団の主将を務める村岡桃佳が、女子スーパーG(座位)で、走行タイム1:23.73で、昨日に続いて大会2個目となる金メダルを獲得した。
また、男子スーパーG(座位)では、森井大輝が銅メダルを獲得し、村岡と同じく2日連続の表彰台を決めた。
村岡と森井は、パラアルペンスキー他3種目にも出場予定で、前回の平昌2018を超えるメダル獲得が期待されている。
北京2022パラアルペンスキーの競技スケジュールは、以下の通り(天候等により、競技スケジュールに変更が生じる場合がある):
- 3月7日 10:30(現地時間9:30) 男女スーパー複合(座位・立位・視覚障がい)
- 3月10日 11:00(現地時間10:00) 男子ジャイアントスラローム(座位・立位・視覚障がい)
- 3月11日 11:00(現地時間10:00) 女子ジャイアントスラローム(座位・立位・視覚障がい)
- 3月12日 11:00(現地時間10:00) 男子スラローム(座位・立位・視覚障がい)
- 3月13日 11:00(現地時間10:00) 女子スラローム(座位・立位・視覚障がい)
輝きの瞬間:モーメント・オブ・ザ・デイ
パラアルペンスキー男子スーパーG(視覚障がい)に出場したイギリスのニール・シンプソンが、ガイドの兄・アンドリューと共に快挙を達成。イギリスの冬季パラリンピック史上3個目、男子選手としては初の金メダルを獲得した。
レース後、ニールは「まだこの気持ちを言葉にできないです。この数年は大変な時期で、いろんなことがありました。まだ信じられないです」と語った。
兄弟の絆で勝ち取った初めての金メダルに、兄であり、ガイドでもあるアンドリューは「言葉では言い表せないほどの高揚感でした」とレースを振り返り、「僕は、ニールを奮い立たせる方法と、落ち着かせる方法を知っています。そして、彼は私に同じ様に仕掛けるのがとてもうまいんです。僕らはお互いが何を望んで、何を必要としているのか、よく分かっています」と述べた。
輝いたアスリート:アスリート・オブ・ザ・デイ
ダウンヒルのスピードと、ジャイアントスラロームの正確なターン技術の両方が求められるパラアルペンスキーのスーパーGで、持ち味のターンの精度の高さを活かし、村岡桃佳が金メダルを獲得!中盤以降の緩斜面でも無駄のないライン取りでスピードを落とさずにコースを攻略し、終盤で逆転して2位に0.11秒の差で今大会2冠達成。平昌2018のジャイアントスラローム金メダルと合わせて通算3個目の冬季オリンピック金メダルは、日本勢最多記録と並んだ。
明日の見どころ
大会3日目となる明日の3月7日は、パラアルペンスキーの男子と女子のスーパー複合が行われ、2日連続金メダルを獲得している村岡桃佳が3冠を狙い、銅メダル2個獲得中の森井大輝は、3種目目でさらなる高みを目指す。そのほか立位に本堂杏実、神山則子、三沢拓、小池岳太、東海将彦、座位に田中佳子、狩野亮、鈴木猛史、藤原哲がエントリーしている。
パラクロスカントリースキーはクラシカル走法で行われる男子ロング20km立位に新田佳浩、川除大輝、岩本啓吾、視覚障がいに有安諒平と藤田佑平ガイド、女子ロング15km立位に阿部友里香が出場する。
また、スノーボード男子クロスでは、6日の予選に出場した6名全員が明日の決勝トーナメント進出を果たし、メダル獲得を狙う。予選での各選手の成績は以下の通り:
パラスノーボード男子クロス(上肢障がい)
- 11位 大岩根正隆
パラスノーボード男子クロス(下肢障がいLL1)
- 6位 小栗大地
- 7位 小須田潤太
パラスノーボード男子クロス(下肢障がいLL2)
- 6位 市川貴仁
- 8位 岡本圭司
- 16位 田渕伸司
また、日本チームの出場はないが、車いすカーリング予選リーグでは、大韓民国 vs 中華人民共和国を含む10試合が行なわれる。
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今日のメダリスト一覧
女子
パラアルペンスキー・スーパーG(座位)
- 金: 村岡桃佳(日本)
- 銀: アナレナ・フォルスター(ドイツ)
- 銅: 張雯静(中華人民共和国)
パラアルペンスキー・スーパーG(立位)
- 金: 張夢秋(中華人民共和国)
- 銀: マリー・ボシェ(フランス)
- 銅: アラナ・ラムジー(カナダ)
パラアルペンスキー・スーパーG(視覚障がい)
- 金: アレクサンドラ・レクソバ(スロバキア)
- 銀: メナ・フィッツパトリック(イギリス)
- 銅: 朱大慶(中華人民共和国)
パラクロスカントリー・ロング(座位)
- 金: 楊洪瓊(中華人民共和国)
- 銀: オクサナ・マスターズ(アメリカ合衆国)
- 銅: 李盼盼(中華人民共和国)
男子
パラアルペンスキー・スーパーG(座位)
- 金: イエスペル・ペデシェン(ノルウェー)
- 銀: コーリー・ピーターズ(ニュージーランド)
- 銅: 森井大輝(日本)
パラアルペンスキー・スーパーG(立位)
- 金: 梁景怡(中華人民共和国)
- 銀: マルクス・ザルヒャー(オーストリア)
- 銅: アレクシス・ギモン(カナダ)
パラアルペンスキー・スーパーG(視覚障がい)
- 金: ニール・シンプソン(イギリス)
- 銀: ジャコモ・ベルタニョリ(イタリア)
- 銅: ヨハネス・アイクナー(オーストリア)
パラクロスカントリー・ロング(座位)
- 金: 鄭鵬(中華人民共和国)
- 銀: 毛忠武(中華人民共和国)
- 銅: コリン・キャメロン(カナダ)
今日の日本選手の成績
パラアルペンスキー女子スーパーG(座位)
- 5位 田中佳子
パラアルペンスキー女子スーパーG(立位)
- 8位 本堂杏実
- 10位 神山則子
パラアルペンスキー男子スーパーG(座位)
- 11位 鈴木猛史
- DNF 狩野亮
- DNF 藤原哲
パラアルペンスキー男子スーパーG(立位)
- 24位 小池岳太
- DNF 三沢拓
- DSQ 東海将彦
※略称:DNF・・・途中棄権、DSQ・・・失格
なお、パラクロスカントリー男女ロングとパラスノーボード女子クロス、パラアイスホッケーと車いすカーリングに、日本選手は出場していない。
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