大会5日目(3月9日)となる北京2022冬季パラリンピックでは、パラクロスカントリースキーのスプリント男女各3種目、合計6のメダルイベントが実施された。
昨日に続いて、北京2022パラリンピックのホスト国である中華人民共和国(中国)代表のパラアスリートたちが、圧倒的なパフォーマンスで雪上を滑り抜け、メダル数をさらに増やした。本日のメダルイベント終了時点で、中国は金10個を含む、計31のメダルを獲得した。
また午後に行われたパラアイスホッケーで、グループリーグを無敗で通過した中国チームは、チェコを4-3で下し、同国初の準決勝進出を果たした。準決勝は3月11日に予定されており、中国は強豪アメリカ合衆国と、カナダが大韓民国と対戦する。
輝きの瞬間:モーメント・オブ・ザ・デイ
世界選手権で4度の優勝を誇るオーストリアのカリーナ・エドリンガーは、心配された健康問題を乗り越え、パラクロスカントリースキー女子スプリント(視覚障がい)で初のパラリンピック金メダル獲得した。
4年前の平昌大会で、エドリンガーは金メダル候補のひとりと目されたが、クロスカントリーのミドルで銅メダルに留まった。
エドリンガーは金メダル獲得後、「今でも信じられません。4年前にも、今と同じような問題が脚にあり、ここまでの過程で何度も倒れました」と語り、「数日前、首から下が完全に麻痺して、ワックスキャビンの床に横たわっていました。あれは、私のスポーツ人生の中でもどん底と呼べるものでした」と振り返った。
輝いたアスリート:アスリート・オブ・ザ・デイ
史上最高と称されるパラクロスカントリースキーヤーのブライアン・マッキーバーが男子スプリント(視覚障がい)で完璧なレースを展開し、4大会連続の金メダルを獲得した。
マッキーバーとガイドのラス・ケネディは、最後の最後でアメリカ合衆国のジェーク・アディコフを抜き、わずか0.8秒差で優勝を果たした。3位にはスウェーデンのセバスティアン・モディンが入った。
「この歳になると、あまり速くスタートすることができないので、そのことを話し合い、レース全体を通して組み立てました」
マッキーバーは、ドイツのパラアルペンスキーヤー、ゲルト・シェーンフェルダーが持つ歴代最高メダル獲得数に1つ迫る15個目のパラリンピック金メダルを獲得。「(金メダルのことは)考えたことがないので、これからも考えず、1つ1つのレースを楽しんでやっていきたい」と語った。
明日の見どころ
大会6日目となる明日3月10日は、パラアルペンスキーと車いすカーリングの2競技が予定され、パラアルペンスキーでは男子ジャイアントスラローム(大回転)でメダルが確定する。
日本勢は、アルペンスキー男子ジャイアントスラローム(立位)に東海将彦、小池岳太、青木大和、男子ジャイアントスラローム(座位)に森井大輝、鈴木猛史、狩野亮、藤原哲がエントリーしている。6大会連続出場の41歳の森井は、今大会のダウンヒルおよびスーパーGで銅メダルを獲得。過去の5大会で銀メダル3個を手にしており、明日のジャイアントスラロームと13日のスラローム(回転)で金メダルを目指す。
今日のメダリスト一覧
女子
パラクロスカントリースキー・スプリント(座位)
- 金: 楊洪瓊(中華人民共和国)
- 銀: オクサナ・マスターズ(アメリカ合衆国)
- 銅: 李盼盼(中華人民共和国)
パラクロスカントリースキー・スプリント(立位)
- 金: ナタリー・ウィルキー(カナダ)
- 銀: ビルデ・ニールセン(ノルウェー)
- 銅: シドニー・ピーターソン(アメリカ合衆国)
パラクロスカントリースキー・スプリント(視覚障がい)
- 金: カリーナ・エドリンガー(オーストリア)
- 銀: オクサナ・シシコワ(ウクライナ)
- 銅: リン・カツマイアー(ドイツ)
男子
パラクロスカントリースキー・スプリント(座位)
- 金: 鄭鵬(中華人民共和国)
- 銀: 毛忠武(中華人民共和国)
- 銅: コリン・キャメロン(カナダ)
パラクロスカントリースキー・スプリント(立位)
- 金: バンジャマン・ダビエ(フランス)
- 銀: マルコ・マイアー(ドイツ)
- 銅: グリゴリー・ボブチンスキー(ウクライナ)
パラクロスカントリースキー・スプリント(視覚障がい)
- 金: ブライアン・マッキーバー(カナダ)
- 銀: ジェーク・アディコフ(アメリカ合衆国)
- 銅: セバスティアン・モディン(スウェーデン)
今日の日本選手の成績
女子
パラクロスカントリースキー・スプリント(立位)
- 12位 阿部友里香
- 15位 岩本美歌
男子
パラクロスカントリースキー・スプリント(座位)
- 31位 森宏明
パラクロスカントリースキー・スプリント(立位)
- 7位 川除大輝
- 8位 新田佳浩
- 22位 岩本啓吾
パラクロスカントリースキー・スプリント(視覚障がい)
- 16位 有安諒平
この他に、パラアイスホッケーと車いすカーリングも実施されたが、両競技に日本代表選手は出場していない。