北京2022ガイド:冬季オリンピックの注目選手やチームを一挙紹介!(後編)

2回シリーズの後編として、スキージャンプ、ボブスレー、スケルトン、ノルディック複合、クロスカントリー、バイアスロン、カーリングの注目選手やチームをチェックしよう。

文: Virgilio Neto
写真: 2018 Getty Images

2022年2月4日、ウィンタースポーツの世界トップアスリートが北京に集結する。参加アスリートは、109の競技・種目にわたる約3,000人。活躍が期待されるスキーヤーやスケーターなど、名前を挙げればきりがないが、北京2022をもっと身近に楽しむために、各競技の金メダル候補選手・チームを紹介したい。後編となる今回は全15競技のうち残りの7種目をお届けする(前編はこちら)。

高梨沙羅|スキージャンプ

高梨沙羅=平昌2018、スキージャンプの女子ノーマルヒル個人決勝
写真: 2018 Getty Images
  • 国籍:日本|生年月日:1996年10月8日
  • オリンピック競技/専門:ノーマルヒル、ラージヒル

主な成績

  • オリンピック:銅メダル1個(ノーマルヒル:平昌2018)
  • 世界選手権:優勝1回(混合団体ノーマルヒル)、メダル合計7個
  • ワールドカップ:表彰台109回、通算60勝、総合優勝4回

日本のウィンタースポーツ界を代表する高梨沙羅は、2012/2013シーズンのスキージャンプワールドカップにおいてワールドカップ史上最年少で総合優勝を達成。2017年までに4度の総合優勝を果たしている。

高梨はこの数年苦しいシーズンを送ってきたが、フォームの改造に着手。それは本人にとって必要なことだったようで、例えばミスをした後にうまく気持ちを立て直せるよう精神面も見直すなど、トレーニングに励んできた。そして迎えた2020/2021のワールドカップで通算勝利数を60に伸ばし、ギネス世界記録を更新。さらに表彰台回数を109回としたことで、新たにギネス認定された。北京2022に向け、高梨の準備は整ったと言えそうだ。

「自分のジャンプをゼロから見つめ直してきた中で、新しい自分を見つけつつあり、結果につながり始めています」

- 高梨沙羅(2020/2021シーズンの好成績を振り返って。guinnessworldrecords.comにて)

フランチェスコ・フリードリヒ|ボブスレー

ボブスレー4人乗りでフランチェスコ・フリードリヒがドイツを金メダルに導く=平昌2018
  • 国籍:ドイツ|生年月日:1990年5月2日
  • オリンピック競技/専門:2人乗り、4人乗り

主な成績

  • オリンピック:金メダル2個(2人乗り、4人乗り:平昌2018)
  • 世界選手権:優勝13回、メダル合計15個
  • ワールドカップ:総合優勝7回(2人乗り、4人乗り)

冬季オリンピック過去3大会において、異なるチームが金メダルを獲得しているボブスレー男子4人乗り。しかし、直近の世界選手権でのパフォーマンスを見る限り、北京2022で勝利が予想されるのはフランチェスコ・フリードリヒ率いるドイツチームだろう。

フリードリヒがオリンピックデビューを飾ったのはソチ2014。この大会でドイツ勢は、札幌1972から獲得し続けてきたメダルを逃してしまう。二度と繰り返されることがないよう誓ったフリードリヒは、メンタル面を強化して決定力を磨くため、激しいトレーニングをこなした。そしてその試みは見事に功を奏した。2015年以降、ボブスレー界で圧倒的な存在感を示し始め、平昌2018では2人乗りと4人乗りで金メダルに輝いた。「教授(The Professor)」と呼ばれることもあるフリードリヒは、歴代のボブスレー選手の中で特に謙虚で、思いやりがあり、極めて注意深く、研究熱心な選手。彼のパフォーマンスに注目したい。

「私の考え方は、最高のものから選ぶということです。これまでの選手の滑りをすべて見て、彼らがどのように滑るかを学び、速く滑るために何をしているのかを尋ねます。最高のものからすべてを抜き取り、一部を自分の中に取り入れ、そして自分のスタイルを作ります」

- フランチェスコ・フリードリヒ(NBCのインタビューにて)

ティナ・ヘルマン|スケルトン

ティナ・ヘルマン=平昌2018、女子スケルトン
写真: Quinn Rooney/Getty Images
  • 国籍:ドイツ|生年月日:1992年3月5日
  • オリンピック競技/専門:女子スケルトン

主な成績

  • オリンピック:-
  • 世界選手権:優勝7回(団体を含む)、メダル合計9個
  • ワールドカップ:表彰台29回、通算11勝、総合優勝1回

アスリートであり警察官でもあるティナ・ヘルマンは、平昌2018を5位で終えているものの、世界選手権を4度(個人)制した初の女性スケルトン選手(団体でも金メダル3個に貢献している)。オリンピック2連覇中のリジー・ヤーノルド(イギリス)が引退したことで、ヘルマンの注目度は高い。

2021年2月にアルテンベルク(ドイツ)で行われた直近の世界選手権では、1本目の滑走が思い通りの滑りとならず11位発進。ところが怒涛の巻き返しで勝利を飾った。ヘルマンは苦しいシーズンを過ごしたものの、北京2022に向けて一層の努力を重ねる。

「最初のレースは最悪で、再び世界チャンピオンになれるとは思えませんでした。自分でも信じられません。この場に立つことができ、とても幸せです。昨年の世界選手権以降、苦しい時期が続きました。でも状況がよくなることを信じて、今後を楽しみにしています」

- ティナ・ヘルマン(2021年世界選手権、優勝を決めた後のコメント。IBSFのインタビューにて)

ヤールマグヌス・リーベル|ノルディック複合

ヤールマグヌス・リーベル
写真: 2019 Getty Images
  • 国籍:ノルウェー|生年月日:1997年10月15日
  • オリンピック競技/専門:ノーマルヒル、ラージヒル、団体

主な成績

  • オリンピック:銀メダル1個(団体:平昌2018)
  • 世界選手権:優勝4回、メダル合計7個
  • ワールドカップ:表彰台53回、通算36勝、総合優勝3回

ノルウェー出身のヤールマグヌス・リーベルは、平昌2018のノルディック複合の団体種目で銀メダルに輝いたアスリート。2019年と2021年の世界選手権において、ノーマルヒル団体で金メダル、ノーマルヒル個人でも金メダルを獲得し、2020/2021シーズンのワールドカップでは、3年連続となるクリスタルグローブ(そのシーズンで最も成功した選手に授与される)の栄冠を手にした。言うまでもなく、リーベルは北京2022への道を順調に歩んでおり、結果を残すことができるかどうか、目が離せない。

「今週のゴールとシーズン最後のゴールをワールドカップ総合タイトルで締めくくることができて、とても嬉しいです。再び手に入れました」

- ヤールマグヌス・リーベル(2020/21シーズンのクリスタルグローブ獲得後のコメント。FISにて)

ハロッテ・カッラ|クロスカントリースキー

ハロッテ・カッラ
写真: 2018 Getty Images
  • 国籍:スウェーデン|生年月日:1987年7月22日
  • オリンピック競技/専門:10kmフリースタイル、15kmスキーアスロン、4x5kmリレー

主な成績

  • オリンピック:金メダル3個(10kmフリースタイル:バンクーバー2010/4x5kmリレー:ソチ2014/15kmスキーアスロン:平昌2018)、銀メダル6個(チームスプリント:バンクーバー2010/10kmクラシカル、15kmスキーアスロン:ソチ2014/チームスプリント、4x5kmリレー、10kmフリースタイル:平昌2018)
  • 世界選手権:優勝3回、メダル合計13個
  • ワールドカップ:表彰台59回(個人)、通算12勝

クロスカントリースキー選手として輝かしいキャリアを誇るハロッテ・カッラは、祖父の影響を受けて7歳でスキーを開始。冬季オリンピック3大会(バンクーバー2010、ソチ2014、平昌2018)で金メダル3個を含む合計9個のメダルを獲得した、スウェーデンで最も成功しているオリンピック選手だ。ちなみに、オリンピックメダルのうち金メダル2個と銀メダルの1個は、偶然にも(異なる年の)2月15日に獲得している。

34歳で北京2022を迎えるカッラは、同大会が最後のオリンピックとなることを示唆しており、カッラが獲得メダル数を増やしたとしても驚くことではない。

「以前に比べて緊張するようになりましたが、自分のすべてを出し切って競い合う喜びは今も同じです。最も大切なのは関心を持つことです。常に改善すべき点があり、それが一番大きなモチベーションになっています。私はとても刺激的なチームに所属していて、毎日、毎回の練習に前向きに取り組むメンバーが多く、みんな正しいマインドセットを持っています。だから、私はその一員であることを楽しむようにしています。表彰台に立つには、5年前よりも高いパフォーマンスが必要です。クロスカントリーは常に進化していますからね」

- ハロッテ・カッラ(ISFチャンネルのインタビューにて)

ヨハンネスティングネス・ベー|バイアスロン

ヨハンネスティングネス・ベー=平昌2018
写真: 2018 Getty Images
  • 国籍:ノルウェー|生年月日:1993年5月15日
  • オリンピック競技/専門:20kmインディビデュアル、4x7.5kmリレー、混合リレー

主な成績

  • オリンピック:金メダル1個(20kmインディビデュアル:平昌2018)、銀メダル2個(4x7.5kmリレー、混合リレー:平昌2018)
  • 世界選手権:優勝12回、メダル合計24個
  • ワールドカップ:表彰台104回、種目別優勝7回、総合優勝3回

バイアスロンで注目したい選手は、ノルウェー出身のヨハンネスティングネス・ベー。彼のキャリアは、国際的なバイアスロン選手で、彼の兄でもあるタリヤイ・ベーの影響を強く受けている。ヨハンネス・ベーは2012/2013シーズンの国際大会でデビューし、卓越性、献身、そして改善への執着により、結果が現れるのにそれほど時間はかからず、翌シーズンのワールドカップでは総合3位で大会を終えた。

2018年以降、世界バイアスロンのトップアスリートに仲間入りし、平昌2018では3個のメダルを獲得。2018/2019ワールドカップで通算16勝を上げて優勝し、翌シーズンは2週間の育児休暇により欠場した大会があったものの、見事、2度目のワールドカップ・チャンピオンに輝いた。さらに、2021年3月にエステルスンド(スウェーデン)で開催されたワールドカップ最終戦で、3年連続となるタイトルを手にした。北京2022のバイアスロン競技の金メダル有力選手といって間違いはない。

「総合優勝という、一番良い形でシーズンを終えることができました。自分がどれほど安心しているか、どれほど幸せか、言葉では表現できません。私はとても幸せです。今シーズンはこれまでとは異なり、ノルウェーのストラ・ホルム・ラグレッドのパフォーマンスが素晴らしく、彼のおかげで自分の限界が引き出されました」

- ヨハンネスティングネス・ベー(3度目のワールドカップ制覇後、IBUチャンネルのインタビューにて)

スウェーデン|カーリング

ストーンを投げるソフィア・マベリス=平昌2018、決勝(スウェーデン対韓国)
写真: 2018 Getty Images

男子の主な成績

  • オリンピック:銀メダル2個(シャモニー1924、平昌2018)、銅メダル1個(ソチ2014)
  • 世界選手権:優勝10回

女子の主な成績

  • オリンピック:金メダル3個(トリノ2006、バンクーバー2010、平昌2018)、銀メダル1個(ソチ2014)、銅メダル1個(長野1998)
  • 世界選手権: 優勝8回

平昌2018のカーリング競技において、金メダルを獲得した女子チームと銀メダルに輝いた男子チームを擁するスウェーデンは、男女ともにカーリング界のリーダー的存在。近年の世界選手権での代表チームのパフォーマンスと安定した成績により、スウェーデンが北京2022の金メダル候補の筆頭に挙げられる。

男子チームは2021年4月、カルガリー(カナダ)で開催された世界選手権でスコットランドを10対5で下し、3年連続で優勝を飾った。世界選手権で3連覇を達成したのは、男子ではスウェーデンとカナダのみで、スウェーデン代表のキャプテン、ニクラス・エディンは、5回の世界選手権で優勝した唯一のスキップ(キャプテン/司令塔)となる。

一方、女子代表チームは2011年以降、世界選手権での優勝からは遠ざかっているが、2大会連続となるオリンピック金メダルを目指す。2021年の世界選手権では、3位決定戦でアメリカと対戦し、9対5で苦杯を喫して4位。しかし、有力チームであることには変わりはない。世界選手権で経験した悔しさを、北京2022にどう活かすかを見届けたい。

「常に特別なことですが、特にパンデミックの最中にあるこの状況においてはより一層特別です。(ワールドカップとオリンピックのスウェーデン代表として)私たちが大舞台で競技できることをとても嬉しく、感謝しています。とても楽しみです」

- サラ・マクマナス(スウェーデン女子チーム副キャプテン/北京2022の出場権獲得後、worldcurling.orgにて)