ダイヤモンドリーグ2024:全日程・実施種目・結果・記録・日本選手情報

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写真: 2024 Getty Images

ダイヤモンドリーグ2024の各大会日程と実施種目、結果、記録を順次更新してお伝えする。

ワールドアスレティックスが主催する陸上競技の世界最高峰シリーズ戦、ダイヤモンドリーグ2024が4月20日、中華人民共和国・アモイ(厦門)で開幕した。

15回目の開催となる今大会では、第1戦のアモイ大会を皮切りに、9月13日・14日に行われるベルギー・ブリュッセルでのファイナルまで全15戦が予定されている。最終戦となるファイナルは、年間シリーズを通じて最多ポイントを獲得した上位選手だけが出場できる狭き門。ファイナル進出とダイヤモンドトロフィー獲得をかけて世界のトップ選手が激しく競い合う。

今年はパリ2024オリンピックが7月26日から8月11日まで開催される。このため、7月20日の第10戦英国・ロンドン大会を終えた後は期間を取り、8月22日のスイス・ローザンヌ大会で再開する。パリ2024出場を目指す選手の中には、ロンドン大会までを前哨戦と位置づける選手もいることだろう。

ダイヤモンドリーグでは、トラック競技9種目、フィールド競技7種目が競い合われるが、ファイナル以外の各大会では男女それぞれ6〜8種目ずつ実施される。

ここでは、ダイヤモンドリーグ2024の各大会日程と実施種目、結果、記録を順次更新してお伝えする。

ダイヤモンドリーグ2024での活躍が期待される日本人選手

2023年のダイヤモンドリーグ・ファイナル(アメリカ合衆国オレゴン州ユージーン)には日本人5名が出場を果たした。中でも、女子やり投の現世界チャンピオンでありパリ2024オリンピックの金メダリスト、北口榛花は日本人として初となるファイナル優勝に輝いた。

北口は、昨年、第4戦フランス・パリ大会、第8戦ポーランド・シレジア大会、第13戦ベルギー・ブリュッセル大会で勝利しており、ブリュッセル大会では67m38の日本記録を樹立した。今年のダイヤモンドリーグでも活躍が期待されている北口は、4月27日開催の第2戦上海/蘇州(中華人民共和国)大会からの参戦となった。

同じく昨年、ファイナル進出を果たした男子110mハードル日本記録保持者の泉谷駿介は、第1戦アモイ大会から参戦。昨年のファイナルでは4位(13秒10)に入った。

また、泉谷と同様、第1戦から臨む男子100mの桐生祥秀(よしひで)、初出場となる同種目の和田遼、男子走高跳の真野(しんの)友博らの活躍にも注目したい。

ダイヤモンドリーグ2024第1戦中華人民共和国・アモイ大会

昨年の第12戦で初めて開催された中華人民共和国・アモイでは、今回、イーグレットスタジアムで開幕戦が行われる。男女それぞれ7種目が実施される。

出場する日本勢では、昨年の第6戦スイス・ローザンヌ大会で初優勝を果たした男子110mハードルの泉谷駿介が、東京2020の金メダリストで前回ファイナル覇者、ハンズル・パーチメント(ジャマイカ)らと競う合う。また、2018年以来のダイヤモンドリーグ参戦となる男子100mの桐生祥秀は、東京2020銀メダリストのフレッド・カーリー(アメリカ合衆国)、昨年のファイナル覇者、クリスチャン・コールマン(同)らと対戦する。昨年よりダイヤモンドリーグに参戦している真野友博の出場する男子走高跳には、東京2020金メダリストのムタズ・エサ・バルシム(カタール)がエントリーしている。

その他、東京2020男子棒高跳金メダリスト、世界記録保持者のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)、世界陸上2023(ブタペスト)女子200m金メダリストのシェリカ・ジャクソン(ジャマイカ)、同銅メダリストのシャカリ・リチャードソン(アメリカ合衆国)らスター選手も出場し、第1戦から豪華な顔ぶれとなっている。

日程

  • 2024年4月20日

種目

  • 男子 100m、800m、5000m、110mハードル、走高跳、棒高跳、三段跳
  • 女子 200m、400m、1500m、3000m障害、100mハードル、砲丸投、円盤投

世界記録

出場した日本選手

  • 真野友博…男子走高跳 4位(2m24)
  • 泉谷駿介…男子110mハードル 3位(13秒17、SB)パリ2024オリンピック参加標準記録(13秒27)を突破し日本代表に内定
  • 和田遼…男子100m 5位(10秒31)
  • 桐生祥秀…男子100m 7位(10秒38、SB)

アモイ大会の優勝者・記録

注:WR(世界記録)、WU20R(U20世界記録)、MR(大会記録)、NR(国内記録)、AR(エリア記録)、DLR(ダイヤモンドリーグ記録)、WL(今季世界最高)、PB(自己ベスト)、SB(シーズンベスト)。これらの記録はすべて大会時のもので、他の大会で記録が更新される可能性もある。

ダイヤモンドリーグ2024第2戦中華人民共和国・上海/蘇州大会

ダイヤモンドリーグ第2戦は、前回のアモイ大会から引き続き中華人民共和国での開催となる。今回も男女それぞれ7種目が実施されるが、男子では三段跳に代わって走幅跳、女子は1500m、円盤投に代わって走幅跳、やり投が実施される。

日本からは女子やり投の現世界チャンピオン、昨年のダイヤモンドリーグ・ファイナル優勝の北口榛花(自己ベスト67m38)が出場し、同68m92を持つキャスリン・ミッチェル(オーストラリア)、同67m98を持つホイホイ・ルー(中華人民共和国)らと対戦する。

また、男子110mハードルには、前回アモイ大会で3位に入り、今シーズンベストとなる13秒17を記録した泉谷駿介が出場する。今回も、東京2020金メダリストでアモイ大会6位のハンズル・パーチメント(ジャマイカ)らと対戦する。

前回に引き続き参戦となる男子100mの桐生祥秀は、今回も東京2020銀メダリストのフレッド・カーリー(アメリカ合衆国)、昨年のファイナル覇者、クリスチャン・コールマン(同)らとスタートラインに立つ。

同じく2戦目となる真野友博の出場する男子走高跳には、東京2020金メダリストでアモイ大会2位のムタズ・エサ・バルシム(カタール)がエントリーしている。

その他、前回アモイ大会の男子棒高跳で自らの持つ世界記録を1cm更新したアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)、世界陸上2023(ブタペスト)女子200m銅メダリストのシャカリ・リチャードソン(アメリカ合衆国)、東京2020女子100mハードル金メダリストのジャスミン・カマチョ・クイン(プエルトリコ)、同種目世界陸上2023チャンピオンのダニエル・ウィリアムズ(ジャマイカ)らスター選手が引き続き出場し、第2戦もハイレベルな戦いが繰り広げられることだろう。

日程

  • 2024年4月27日

種目

  • 男子 100m、800m、5000m、110mハードル、走高跳、棒高跳、走幅跳
  • 女子 200m、400m、3000m障害、100mハードル、走幅跳、砲丸投、やり投

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • 北口榛花…女子やり投 1位(62m97、SB)
  • 真野友博…男子走高跳 7位(2m24)
  • 泉谷駿介…男子110mハードル 2位(13秒23)
  • 桐生祥秀…男子100m 8位(10秒37、SB)
  • 久保山晴菜…女子400m 8位(54秒47)

上海/蘇州大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第3戦カタール・ドーハ大会

ダイヤモンドリーグ2024第3戦は、カタール・ドーハのカタール・スポーツクラブを舞台に、男女それぞれ7種目が実施される。

日本からは3選手がエントリーしており、男子やり投にディーン元気が登場する。同種目では、東京2020オリンピック金メダリストで2023年の世界選手権も制したニーラジ・チョプラ(インド)がシーズン初戦を迎える。

女子5000mには田中希実(のぞみ)が名を連ねている。エントリーリストに並ぶ18選手のうち田中を除く17人がアフリカ勢で、田中のソーシャルメディアは、「アフリカ勢にただひとり。世界大会でも経験出来ないかも。順位や記録以上に得るものに期待したい」と期待を込めた。田中はブダペストで行われた2023年世界選手権の同種目で8位に入賞しており、日本陸上連盟の規定では、今大会で参加標準記録(14分52秒0)を突破した場合にはパリオリンピック日本代表に内定することとなる。

さらにドーハ大会の最終種目となる男子3000m障害には、昨年ダイヤモンドリーグでファイナル出場を果たした三浦龍司が出場予定。田中同様、三浦も世界選手権で入賞(6位)していることから、今大会で参加標準記録(8分15秒00)を突破すればパリに大きく近づく。同種目には昨シーズンのダイヤモンドリーグ・パリ大会で世界記録(7分52秒11)を樹立したエチオピアのラメチャ・ギルマが出場を予定している。

国外の選手では、2023年世界選手権で優勝しオリンピック2連覇が期待される男子走幅跳のミルティアディス・テントグルー(ギリシャ)のほか、東京オリンピック男子400m金メダリストのスティーヴン・ガーディナー(バハマ)、女子800m世界王者のメアリー・モラー(ケニア)、女子棒高跳世界王者のニナ・ケネディ(オーストラリア)、さらにはバハマで行われた世界リレーでチームUSA男子4x100mリレーの優勝に貢献し、東京オリンピックの男子200mで銀メダルを手にしたケニー・ベドナレクがドーハに降り立つ。

日程

  • 2024年5月10日

種目

  • 男子 200m、400m、1500m、3000m障害、400mハードル、走幅跳、やり投
  • 女子 100m、800m、1500m、5000m、100mハードル、走高跳、棒高跳

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • 田中希実…女子5000m 11位(15分11秒21)
  • ディーン元気…男子やり投 7位(79m34)
  • 三浦龍司…男子3000m障害 5位(8分13秒96)パリ2024の参加標準記録を達成したことにより、パリ2024日本代表に内定

ドーハ大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第4戦モロッコ・ラバト/マラケシュ大会

例年行われていたモロッコの首都ラバとから舞台をマラケシュに移して行われるダイヤモンドリーグ2024第4戦「モハメド6世国際陸上」。日本からは男子3000m障害の三浦龍司がエントリーした。同種目では、東京2020オリンピック陸上競技の金メダリストで、世界選手権2連覇中のソフィアン・エルバカリ(モロッコ)が名を連ねており、パリオリンピックを前に、日本陸上ファンにとって注目の戦いとなる。

また女子200mにはシェリカ・ジャクソン(ジャマイカ)、男子円盤投には世界記録を38年ぶりに更新した(※)、21歳のミコラス・アレクナ(リトアニア)が出場を予定している。

※承認待ち(2024年5月15日現在)

日程

  • 2024年5月19日

種目

  • 男子 100m、400m、800m、1500m、3000m障害、三段跳、円盤投
  • 女子 200m、800m、5000m、400mハードル、走高跳、棒高跳、砲丸投

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • 三浦龍司…男子3000m障害 14位(8分21秒74)

ラバト/マラケシュ大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第5戦アメリカ合衆国オレゴン州・ユージーン大会

陸上競技の聖地、アメリカ合衆国オレゴン州ユージーン(ヘイワード・フィールド)でダイヤモンドリーグ(DL)第5戦「プレフォンテイン・クラシック」が開催される。男子6種目、女子8種目が行われる予定だ。

今大会には、パリ2024陸上競技男子110mハードルで日本代表に内定している泉谷駿介が出場。今季DLでは3戦目となる。東京2020の金メダリストで前回ファイナル覇者、ハンズル・パーチメント(ジャマイカ)ら強豪選手が出場することから、泉谷にとってはパリ2024に向けての前哨戦と言ってよいだろう。

男子100mは、日本から栁田大輝(やなぎだ・ひろき)が初出場する、世界の決勝レースでしか見られない顔ぶれの中に並ぶ栁田の走りに注目だ。2023年DLファイナル覇者で2019年世界陸上ドーハ大会男子100m金メダリストのクリスチャン・コールマン(アメリカ合衆国)らが出場する。

女子5000mには、DL第3戦(カタール・ドーハ)で今季自己ベスト(15分11秒21)を記録した田中希実(のぞみ)が出場。東京2020で同種目金メダリストのシファン・ハッサン(オランダ)らの強豪選手との戦いに注目が集まる。

日程

  • 2024年5月25日

種目

  • 男子 100m、200m、1マイル、110mハードル、400mハードル、砲丸投
  • 女子 100m、800m、1500m、5000m、3000m障害、棒高跳、三段跳、円盤投

世界記録

  • 女子10000m(*)で、ベアトリス・チェベト(ケニア)が28分54秒14の世界新記録を樹立した。チェベトは、レテセンベト・ギデイ(エチオピア)が2021年に樹立した記録29分01秒03を更新して世界記録保持者となった。

    *ダイヤモンドリーグの種目ではない

出場した日本選手

  • 泉谷駿介…男子110mハードル 7位(13秒33)
  • 田中希実…女子5000m 11位(14分47秒69、SB)パリ2024の参加標準記録(14分52秒0)を突破したことによりパリ2024日本代表に内定
  • 栁田大輝…男子100m 8位(10秒26)

ユージーン大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第6戦ノルウェー・オスロ大会

ダイヤモンドリーグはヨーロッパに舞台を移し、オスロ大会で第6戦を迎え、男子8種目、女子6種目が実施される。

日本からは女子3000mに田中希実が、男子100mにサニブラウン・アブデル・ハキームがエントリー。サニブラウンは2023年の世界陸上で6位に入賞しており、ダイヤモンドリーグでオリンピック参加標準記録(10秒00)を突破すれば日本陸上競技連盟の規定により日本代表に内定することから、その走りに注目が集まる。同種目にはオリンピック金メダリストのラモントマルチェル・ヤコブス(イタリア)も登場する。

世界陸上・女子200mで2連覇中のシェリカ・ジャクソン(ジャマイカ)や地元が誇るオリンピック金メダリストのカールステン・ワーホルム(男子400mハードル)、ヤコブ・インゲブリクトセン(男子1500m)にも期待が寄せられる。

日程

  • 2024年5月30日

種目

  • 男子 100m、400m、1500m、5000m、400mハードル、棒高跳、三段跳、円盤投
  • 女子 200m、400m、800m、3000m、400mハードル、円盤投

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • サニブラウン・アブデル・ハキーム…男子100m 2位(9秒99)パリ2024の参加標準記録(10秒00)を突破したことによりパリ2024日本代表に内定
  • 田中希実…女子3000m 10位(8分34秒09)日本記録更新

オスロ大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第7戦スウェーデン・ストックホルム大会

オスロ大会の3日後に行われる第7戦の会場は、北欧のスウェーデン・ストックホルム。男女それぞれ7種目ずつが実施される予定で、日本からはオスロ大会同様、田中希実とサニブラウン・アブデル・ハキームが出場する。

女子5000mでパリ2024日本代表に内定している田中は、1500mでもオリンピック出場を目指しており、同種目で内定がかかる6月下旬の日本選手権に向けて、さらにはその先のオリンピックに向けて、田中がどんな走りを見せるかが注目される。同種目には東京2020銀メダリストのローラ・ミューア(英国)らが出場を予定している。

男子棒高跳には世界記録を次々と更新している東京2020金メダルのアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が登場する。

日程

  • 2024年6月2日

種目

  • 男子 100m、400m、5000m、3000m障害、400mハードル、棒高跳、円盤投
  • 女子 100m、200m、1500m、400mハードル、走高跳、三段跳、砲丸投

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • サニブラウン・アブデル・ハキーム…男子100m 5位(10秒28)
  • 田中希実…女子1500m 9位(4分02秒98 SB)

ストックホルム大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第8戦フランス・パリ大会

パリ2024の開幕まで20日を切る中、フランス・パリで開催される注目のダイヤモンドリーグ。5人の東京2020チャンピオンと6人の世界チャンピオン、そして12人のヨーロッパチャンピオンが出走し、オリンピックへの展望を占う前哨戦となる。

日本からは、110mハードルで2023年日本記録(13秒04)を樹立し、日本男子初のDL制覇と世界選手権で日本勢初の決勝進出を成し遂げた泉谷駿介と、去年の日本インカレで泉谷と同じ日本タイ記録をマークし、学生新記録で2年連続3度目の優勝を飾った村竹ラシッドが出場する。男子3000m障害には、2023年のブダペスト世界選手権で6位に入賞し、5月のDL第3戦ドーハ大会でオリンピック参加標準記録を突破し代表の切符を掴んだ三浦龍司が出場する。

日程

  • 2024年7月7日

種目

  • 男子 200m、800m、3000m障害、110mハードル、400mハードル、棒高跳、やり投
  • 女子 100m、400m、1500m、3000m障害、走高跳、走幅跳、円盤投

世界記録

女子1500mで、オリンピック2連覇のフェイス・キピエゴン(ケニア)が、2023年6月に樹立した自身の世界記録 3分49秒11を更新し、3分49秒04の世界新記録を樹立。また、ヤロスラワ・マフチク(ウクライナ)が、37年間破られなかった女子走高跳記録を1cm上回り、2.10mの世界新記録を樹立した。

男子800mでは、ジャメル・セドジャーティ(アルジェリア)が12年ぶりに世界新記録を更新した。

出場した日本選手

  • 泉谷駿介…男子110mハードル 3位(13秒16 SB)
  • 村竹ラシッド…男子110mハードル DNS
  • 三浦龍司…男子3000m障害 7位(8分10秒52 SB)

パリ大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第9戦モナコ・モナコ大会

日本からは、8月7日からのパリ2024女子やり投に日本代表として出場する現世界チャンピオンの北口榛花が出場する。今季ダイヤモンドリーグ第2戦を白星でシーズンインした後、水戸招待、セイコーゴールデングランプリ、日本選手権と優勝を飾り、フィンランドで行われたWAコンチネンタルツアー・クオルタネゲームズでシーズン自己ベストの64m28を記録するも、まだ満足のいく投擲ができていないとメディアに語った北口は、オリンピック前のDLモナコとロンドン大会で調子を上げ、自身も納得する手応えを掴みたいところだ。また、今大会には6月28日の日本選手権で女子1500m5連覇を達成し、パリ代表入りを決めた後、翌日の5000mで3連覇した田中希実(自己ベスト14分29秒18)が女子5000mで出場し、同14分22秒76のメブラトゥ・アイナディス(エチオピア)や、同14分23秒05のリリアン・カサイト・レンゲルク(ケニア)などと競り合う。

男子は、前週のDLパリ大会男子110mハードルで3位に入りシーズンベストを出した泉谷駿介が参戦。2023年世界王者で現世界ランキング1位のグラント・ホロウェイ(アメリカ合衆国)ほか、12秒台の自己ベスト記録を持つ選手らと対決する。

日程

  • 2024年7月12日

種目

  • 男子 200m、400m、800m、1500m、110mハードル、400mハードル、走高跳
  • 女子 100m、400m、2000m、5000m、棒高跳、三段跳、やり投

世界記録

男子800mでセジャティ・ジャメル(アルジェリア)が2週連続世界新記録更新の快挙。12年ぶりに世界新記録を更新した先週のDL第8戦パリ大会から自身の記録をさらにコンマ1秒更新し、1分41秒46の新記録を樹立した。

女子2000mでは、ジェシカ・ハル(オーストラリア)が5分19秒70の世界記録を樹立した。

出場した日本選手

  • 北口榛花…女子やり投げ 1位(65m21、SB)
  • 田中希実…女子5000m 3位(14分40秒86、SB)
  • 泉谷駿介…男子110mハードル DNF

モナコ大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第10戦英国・ロンドン大会

パリ2024開幕が6日後に迫る7月20日に、ロンドン・スタジアムで開催されるDLロンドン大会。前週のDLモナコ大会でシーズンベストの65m2をマークして優勝を飾った北口榛花が、女子やり投げに2週連続で出場する。2023年9月のDLブリュッセル大会で67m38の日本記録を樹立している北口は、ここでパリオリンピックに向けて良い手応えを感じられる投擲をし、自信をつけたいところだ。

女子走幅跳では、東京2020チャンピオンでDL通算7勝を挙げているマライカ・ミハンボ(ドイツ)と、七種競技世界チャンピオンのカタリナ・ジョンソン・トンプソン(英国)の対決に注目が集まる。

日程

  • 2024年7月20日

種目

  • 男子 100m、400m、1マイル、3000m、400mハードル、走高跳、砲丸投
  • 女子 200m、400m、800m、400mハードル、棒高跳、走幅跳、やり投

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • 北口榛花…女子やり投げ 4位(62m69)

ロンドン大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第11戦スイス・ローザンヌ大会

2日間にわたって行われるスイス・ローザンヌ大会では、男子7種目、女子7種目の合計14種目が実施される。中でも注目を集めるのが、パリ2024の男子200mで金メダルに輝いたレツィレ・テボゴ(ボツワナ)だろう。アフリカ陸上界のスターとして名乗りを上げたテボゴは、パリ2024の決勝で共に走ったエリヨン・ナイトン(アメリカ合衆国)、100mで銅メダルを獲得したフレッド・カーリー(アメリカ合衆国)らとともにレースに挑む。

このほか、女子走高跳で金メダルを手にしたヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)、男子棒高跳で自身9度目となる世界記録を樹立し、オリンピック連覇を達成した「モンド」ことアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)、男子110mハードルのグラント・ホロウェイ(アメリカ合衆国)、男子5000mのヤコブ・インゲブリクトセン(ノルウェー/今大会は1500mに出場)、男子走幅跳のミルティアディス・テントグルー(ギリシャ)などのオリンピック金メダリストが登場する。

日本からは、ディーン元気が男子やり投に出場する。

日程

  • 2024年8月21日(男子棒高跳のみ)、22日

種目

  • 男子 200m、400m、1500m、110mハードル、棒高跳、走幅跳、やり投
  • 女子 100m、800m、3000m、100mハードル、400mハードル、走高跳、砲丸投

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • ディーン元気…男子やり投げ 5位(83m19、SB)

ローザンヌ大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第12戦ポーランド・シレジア大会

シレジア大会では、男子7種目、女子7種目がダイヤモンドリーグ種目として実施される。

パリ2024の女子400mで銅メダルを獲得した地元ポーランドのスター、ナタリア・カチュマレクのほか、男子棒高跳の世界記録保持者で、パリ2024ではオリンピック2連覇を達成したアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)らに注目が集まる。

また、パリ2024を制した男子200mのレツィレ・テボゴ(ボツワナ)、男子走高跳のハミシュ・カー(ニュージーランド)、女子100mハードルのマサイ・ラッセル(米国)、女子400mでオリンピック記録を樹立して優勝したマリレイディ・パウリノ(ドミニカ共和国)などの金メダリストたちのパフォーマンスも期待が寄せられる。

日本からは、男子走高跳に真野友博、女子1500mに田中希実が出場する。

日程

  • 2024年8月25日

種目

  • 男子 200m、800m、3000m、3000m障害、走高跳、棒高跳、砲丸投
  • 女子 100m、400m、1500m、100mハードル、400mハードル、三段跳、やり投

世界記録

  • 男子棒高跳のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が6m26を記録し、パリ2024オリンピックで自身が樹立した世界記録を再び更新(10度目!)した。
  • 男子3000mで、ヤコブ・インゲブリクトセン(ノルウェー)が7分17秒55を記録し、ケニアのダニエル・コーメンが保持していた世界記録(7分20秒67、1996年)を28年ぶりに更新した。

出場した日本選手

  • 田中希実…女子1500m 8位(4分00秒34)
  • 真野友博…男子走高跳 10位(2m18)

シレジア大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第13戦イタリア・ローマ大会

ローマ大会では、男子7種目、女子7種目の全14種目が実施される。

パリ2024男子200mを制したレツィレ・テボゴ(ボツワナ)は、今大会では100mに出場し注目が集まる。また、400mのクィンシー・ホール(アメリカ合衆国)、走高跳のハミシュ・カー(ニュージーランド)、砲丸投でオリンピック3連覇のライアン・クルーザー(アメリカ合衆国)らパリ大会の金メダリストが勢ぞろいする。

また女子でも、1500mのフェイス・キピエゴン(ケニア)、3000m障害のウィンフレッド・ヤビ(バーレーン)、棒高跳のニーナ・ケネディ(オーストラリア)、走幅跳のタラ・デイヴィス=ウッドホール(アメリカ合衆国)ら金メダリストが多く出場し、注目の大会となる。

日本からは、田中希実、サニブラウン・アブデル・ハキーム、秦澄美鈴(はた・すみれ)の3選手が出場する。

日程

  • 2024年8月30日

種目

  • 男子 100m、400m、5000m、走高跳、三段跳、砲丸投、円盤投
  • 女子 200m、1500m、3000m障害、100mハードル、400mハードル、棒高跳、走幅跳

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • 田中希実…女子1500m 12位(3分59秒69、SB)
  • サニブラウン・アブデル・ハキーム…男子100m 5位(10秒05)
  • 秦澄美鈴…女子走幅跳 8位(6m36)

ローマ大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第14戦スイス・チューリッヒ大会

2024年のダイヤモンドリーグも今大会と、9月13日・14日に開催されるベルギー・ブリュッセル大会ファイナルを残すのみとなった。チューリッヒ大会では、男子7種目、女子7種目が実施される。

男子200mには、パリ2024オリンピックの同種目を制したレツィレ・テボゴ(ボツワナ)と銀メダルを獲得したケニー・ベドナレク(アメリカ合衆国)らが出場。1500mにはコール・ホッカー(アメリカ合衆国)、110mハードルにはグラント・ホロウェイ(アメリカ合衆国)といったパリ大会の金メダリストたちが出場する。フィールド種目では、砲丸投オリンピック3連覇のライアン・クルーザー(アメリカ合衆国)、走幅跳2連覇のミルトス・テントグル(ギリシャ)らが名を連ねる。

女子100mには、パリ2024で金メダルを獲得し世界を驚かせたセントルシアのジュリアン・アルフレッドが出場。銀メダルのシャカリ・リチャードソン(アメリカ合衆国)と再戦することになる。5000mにはパリ大会で5000mと1000mの二冠に輝いたベアトリス・チェベト(ケニア)、走高跳には、パリ大会で世界記録を樹立して金メダルに輝いたヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)らも出場する。100mハードルにはマサイ・ラッセル(アメリカ合衆国)、棒高跳にはニーナ・ケネディ(オーストラリア)といった同じくパリ大会金メダリストが勢ぞろいする。

日本からは、女子5000mに田中希実(のぞみ)、男子110mハードルにはパリ2024で5位入賞を果たした村竹ラシッド、男子やり投にディーン元気の3選手が出場する。

日程

  • 2024年9月4日(女子棒高跳のみ)、5日

種目

  • 男子 200m、1500m、110mハードル、400mハードル、走幅跳、砲丸投、やり投
  • 女子 100m、800m、5000m、100mハードル、400mハードル、走高跳、棒高跳

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • 村竹ラシッド…男子100mハードル 6位(13秒20)
  • ディーン元気…男子やり投 3位(82m69)
  • 田中希実…女子5000m 7位(14分49秒95)

チューリッヒ大会の優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024第15戦ベルギー・ブリュッセル大会ファイナル

ダイヤモンドリーグ2024がいよいよフィナーレを迎え、9月13日と14日の2日間、ベルギーの首都ブリュッセルにおいて第15戦ファイナルが開催される。これまでに行われた14戦でポイントを獲得した上位選手だけが出場できる今大会。男女それぞれ、ダイヤモンドリーグ16種目が2日間にわたり実施され、ダイヤモンドトロフィー獲得をかけて世界のトップ選手が競い合う。

日本からは、2023年に日本勢で初めてダイヤモンドリーグ・ファイナル(アメリカ合衆国オレゴン州ユージーン)を制し、パリ2024で日本女子初のフィールド種目でオリンピック金メダリストに輝いた北口榛花が、女子やり投(9月14日)に出場し連覇を狙う。

また、昨年のファイナルで4位に入った男子110mハードル(9月13日)の泉谷駿介、同6位だった女子5000m (9月14日)の田中希実(のぞみ)らの活躍にも注目だ。男子100m(9月13日)のサニブラウン・アブデル・ハキーム、男子やり投(9月14日)のディーン元気はファイナル初出場となる。

初日には、オリンピック連覇を果たした男子走幅跳のミルティアディス・テントグルー(ギリシャ)、男子棒高跳には、同じくオリンピック連覇のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が出場する。デュプランティスは、パリ2024で自身の世界記録を更新したが、8月25日、DL第12戦ポーランド・シレジア大会で10度目となる世界記録をさらに更新している。

また、昨年のファイナル覇者で、パリ2024女子走高跳で世界記録を樹立して金メダルに輝いたヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)、女子100mにはパリ2024でセンセーショナルな金メダル獲得を果たしたジュリアン・アルフレッド(セントルシア)が出場する。

2日目には、女子棒高跳にニーナ・ケネディ(オーストラリア)、女子3000m障害にに昨年のファイナル覇者、ウィンフレッド・ヤビ(バーレーン)、女子1500mにフェイス・キピエゴン(ケニア)、男子200mにレツィレ・テボゴ(ボツワナ)、女子5000mにベアトリス・チェベト(ケニア)、男子800mに昨年のファイナル覇者、エマニュエル・ワニョンイ(ケニア)らが出場する。

陸上競技の世界最高峰のシリーズ戦ファイナルだけあって、全種目にオリンピックメダリストが勢ぞろいし、パリ2024オリンピックを彷彿とさせる各種目決勝さながらの戦いが注目される。

日程

  • 2024年9月13日・14日

種目

  • 男子 100m、200m、400m、800m、1500m、5000m、110mハードル、400mハードル、3000m障害、走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳、砲丸投、円盤投、やり投
  • 女子 100m、200m、400m、800m、1500m、5000m、100mハードル、400mハードル、3000m障害、走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳、砲丸投、円盤投、やり投

世界記録

  • なし

出場した日本選手

  • サニブラウン・アブデル・ハキーム…男子100m 6位(10秒10)
  • 泉谷駿介…男子110mハードル 6位(13秒33)
  • 北口榛花…女子やり投げ 1位(66m13、SB)
  • ディーン元気…男子やり投 5位(80m37)
  • 田中希実…女子5000m 6位(14分31秒88、SB)

ブリュッセル大会ファイナルの優勝者・記録

ダイヤモンドリーグ2024の全日程・開催地・会場

第1戦

2024年4月20日(土) 中華人民共和国・アモイ イーグレットスタジアム

第2戦

2024年4月27日(土) 中華人民共和国・上海/蘇州 蘇州オリンピック・スポーツセンター

第3戦

2024年5月10日(金) カタール・ドーハ カタール・スポーツクラブ・スタジアム

第4戦 モハメド6世国際陸上

2024年5月19日(日) モロッコ・ラバト/マラケシュ ル・グラン・スタッド

第5戦 プレフォンテイン・クラシック

2024年5月25日(土) アメリカ合衆国オレゴン州・ユージーン ヘイワード・フィールド(オレゴン大学)

第6戦 ビスレット・ゲームズ

2024年5月30日(木) ノルウェー・オスロ ビスレット・スタディオン

第7戦 バウハウス・ガラン

2024年6月2日(日) スウェーデン・ストックホルム ストックホルム・スタディオン

第8戦 ミーティング・ド・パリ

2024年7月7日(日) フランス・パリ セバスティアン・シャルレティ競技場

第9戦 ヘラクレスEBSミーティング

2024年7月12日(金) モナコ・モナコ スタッド・ルイ・ドゥ

第10戦 ロンドン・グランプリ

2024年7月20日(土) 英国・ロンドン ロンドン・スタジアム

第11戦 アスレティッシマ

2024年8月21日(水)、22日(木) スイス・ローザンヌ スタッド・オランピック・ドゥ・ラ・ポンテーズ

第12戦 カミラ・スコリモフスカ記念

2024年8月25日(日) ポーランド・シレジア シレジア・スタジアム

第13戦 ゴールデンガラ

2024年8月30日(金) イタリア・ローマ スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ

第14戦 ヴェルトクラッセ・チューリッヒ

2024年9月5日(木) スイス・チューリッヒ レッツィグルンド・スタジアム

第15戦(ファイナル) メモリアル・ヴァンダム

2024年9月13日(金)・14日(土) ベルギー・ブリュッセル キング・ボードゥアン・スタジアム

*大会日程は変更になる場合もある。最新の情報はダイヤモンドリーグのウェブサイトにて。