女子5000mに田中希実が出場!男子110mハードルに泉谷駿介、栁田大輝は男子100mに初出場/DL第5戦オレゴン・ユージーン大会

執筆者 Hirotaka Hikoi
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写真: 2023 Getty Images

5月25日、陸上競技の聖地、アメリカ合衆国オレゴン州ユージーン(ヘイワード・フィールド)でダイヤモンドリーグ(DL)第5戦「プレフォンテイン・クラシック」が開催される。昨年のDLでは9月にファイナルが行われた場所だ。この時、女子やり投げの北口榛花(はるか)が日本選手として初めての優勝を遂げている。

今大会には、パリ2024陸上競技男子110mハードルで日本代表に内定している泉谷駿介が今季DL3戦目の出場。男子100mには、栁田大輝(やなぎだ・ひろき)が初出場する。

また、田中希実(のぞみ)も、5月に出場したDL第3戦(カタール・ドーハ)に続いて女子5000mのエントリーリストに名を連ねている。日本から出場する3選手の活躍が期待される。

ここでは、今大会の見どころを紹介する。

世界のトップ選手が集結する陸上競技の聖地での日本選手の戦いに注目!

今大会男子110mハードルに出場する泉谷駿介は、5月19日のセイコーゴールデングランプリ(東京・国立競技場)には右ハムストリングの違和感のため欠場しているが、DL1戦目アモイ大会(中華人民共和国)では、13秒17の今季ベストの記録で3位、続く2戦目上海/蘇州大会(同)では13秒23で2位に入り、2大会連続で表彰台を上へと登り続けている。

同種目には、東京2020の金メダリストで前回ファイナル覇者、ハンズル・パーチメント(ジャマイカ)、同銀メダリスト、世界陸上3連覇のグラント・ホロウェイ(アメリカ合衆国)、今季DLで連勝中のダニエル・ロバーツ(同)ら強豪選手が出場する。泉谷にとってはパリ2024に向けての前哨戦と言えるだろう。

世界の舞台を目指す選手の登竜門として日本を代表する選手たちの活躍が注目されるDL。男子100mに出場する栁田大輝にとっては、今大会が初めてのDLとなる。栁田(自己ベスト10秒02)は、5月のセイコーゴールデングランプリでサニブラウン・アブデル・ハキームらを抑え優勝しており、今後が期待される大学生。4x100mリレーでは、2023年に世界陸上ブダペスト大会に出場、今年5月初旬の世界リレー(バハマ)ではパリ2024の出場枠を獲得している。

今大会男子100mには、2019年世界陸上ドーハ大会の同種目金メダリスト、男子4x100mリレーでは世界陸上を連覇しているクリスチャン・コールマン(アメリカ合衆国)が出場。コールマン(自己ベストは世界歴代6位の9秒76)は2023年DLファイナル男子100mで優勝している。また、2023年世界陸上ブダペスト大会の男子4x100mリレー金メダリストのブランドン・カーネズ(同)、世界歴代8位の9秒77の自己ベストを持つ、ファーディナンド・オムルワ(ケニア)も名を連ね、世界最高峰のシリーズにふさわしい顔ぶれだ。栁田は初めてのDLで世界のスピードを体感することになるだろう。

また、女子5000m には、5月のセイコーゴールデングランプリで女子1500mに出場したばかりの田中希実がエントリーリストに名を連ねている。昨年9月のDL第13戦(ベルギー・ブリュッセル)では同種目で自身の日本記録を更新(14分29秒18)して3位に入った。また、ユージーンで行われた最終戦では6位に入賞しており、今大会での好成績が期待される。今年5月10日に出場したDL第3戦(カタール・ドーハ)では、今季自己ベスト(15分11秒21)を記録しており連戦が続く。

同種目には、東京2020金メダリストのシファン・ハッサン(オランダ)、同5位入賞のエジャイエフ・テイ(エチオピア)らの強豪選手がスタートラインに並ぶ。田中は、世界のスピードスターと肩を並べて、ここでパリ2024参加標準記録(14分52秒0)を突破したいところだろう。今大会で突破した場合、パリオリンピック日本代表に内定することとなる。

シャカリ・リチャードソン、 エレイン・トンプソン=ヘラの走りにも注目

その他、日本選手の出場予定はないが、男子200mには2024年DL第3戦カタール・ドーハ大会優勝したばかりの東京2020同種目銀メダリストのケネス・ベドナレク(アメリカ合衆国)らが参戦。女子100mには、2023年世界陸上ブダペスト大会の女子100m金メダリストのシャカリ・リチャードソン(アメリカ合衆国)、東京2020で女子100m、200m、4x100mリレーで三冠に輝いたエレイン・トンプソン=ヘラ(ジャマイカ)、東京2020女子4x100mリレー銅メダリストディナ・アッシャー=スミス(イギリス)、昨年のDLで4勝を挙げている35歳のマリー・ジョゼ・タ・ルー(コートジボワール)が出場予定だ。

また、男子400mハードルには、昨年のDLファイナル優勝、東京2020男子400mハードル銀メダリストのライ・ベンジャミン(アメリカ合衆国)、女子3000m障害には世界記録保持者(8分44秒32)のベアトリス・チェプコエチ(ケニア)、東京2020金メダリストのペルース・チェムタイ(ウガンダ)、同銀メダリストのコートニー・フレリクス、(アメリカ合衆国)らそうそうたるメンバーが顔をそろえ、オリンピック前哨戦の様相を呈すことになるだろう。

男子砲丸投げには、世界記録保持者(23m56)でオリンピック、世界陸上ともに2大会連続で金メダルに輝いているライアン・クルーザー(アメリカ合衆国)が出場。男子1マイルには東京2020男子1500m金メダリストのヤコブ・インゲブリクトセン(ノルウェー)、同銅メダリストで世界陸上2023ブダペスト大会金メダリストのジョシュ・カー(イギリス)が出場予定だ。

さらに、女子800mでは、東京2020金メダリストで昨年のDL覇者、アシング・ムー(アメリカ合衆国)や世界陸上2023ブダペスト大会の金メダリスト、マリー・モラー(ケニア)らが競い合う。女子棒高跳には、東京2020金メダリスト、ケイティ・ムーン(アメリカ合衆国)らも出場リストに名を連ねている。

DL第5戦にして、陸上競技の聖地、ヘイワード・フィールドでは世界最高峰のリーグ戦にふさわしいトップレベルの戦いが見られることだろう。

ダイヤモンドリーグ第5戦アメリカ合衆国オレゴン州・ユージーン大会の日程

以下すべて現地時間。日本時間は16時間進んでいる。

  • 12:50 女子円盤投
  • 12:55 女子棒高跳
  • 13:04 男子400mハードル
  • 13:12 男子100m
  • 13:15 女子三段跳
  • 13:18 女子5000m
  • 13:50 男子110mハードル
  • 13:57 女子1500m
  • 14:09 女子3000m障害
  • 14:12 男子砲丸投
  • 14:27 男子200m
  • 14:37 女子800m
  • 14:42 女子100m
  • 14:52 男子1マイル