ダイヤモンドリーグ2024ファイナル、注目の5選手/ベルギー・ブリュッセル大会

モンド・デュプランティス、シドニー・マクラフリン・レヴロン、ジュリアン・アルフレッドなど、パリ2024オリンピックのスーパースターたちが、9月13日と14日の2日間、ベルギーで開催されるダイヤモンドリーグの栄誉と2025年世界陸上競技選手権のワイルドカード枠をかけて競い合う。

1 執筆者 William Imbo
Julien Alfred of Saint Lucia
(2024 Getty Images)

陸上競技オリンピック金メダリストたちが、現地時間9月13日~14日、ベルギー・ブリュッセルで開催されるダイヤモンドリーグ2024ファイナルで、再び世界チャンピオンの座をかけて熱戦を繰り広げる!

パリ2024オリンピックのメダリストたちが多く出場する今大会は、陸上競技ファンにとって見逃せないイベントとなる。今大会では、ファイナル優勝者にダイヤモンドリーグ・トロフィーだけでなく、2025年9月に東京で開催される世界陸上競技選手権へのワイルドカード枠も与えられる。

日本からは、2023年に日本勢で初めてダイヤモンドリーグ・ファイナル(アメリカ合衆国オレゴン州ユージーン)を制し、パリ2024では金メダルに輝いた北口榛花(はるか)が、女子やり投(9月14日)に出場し連覇を狙う。

また、昨年のファイナルで4位に入った男子110mハードル(9月13日)の泉谷駿介、同6位だった女子5000m (9月14日)の田中希実(のぞみ)らの活躍にも注目だ。男子100m(9月13日)のサニブラウン・アブデル・ハキーム、男子やり投(9月14日)のディーン元気はファイナル初出場となる。

ここでは、ブリュッセルのキング・ボードゥアン・スタジアムで2日間にわたり行われる32種目の中から、見逃せない5種目を厳選して紹介しよう。

男子棒高跳:モンド・デュプランティスは6m27をクリアするか?

2024年は、「モンド」ことアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)にとって素晴らしい1年だったと言えるだろう。24歳の彼は、スコットランド・グラスゴーでの世界室内選手権とイタリア・ローマでのヨーロッパ選手権で金メダルを獲得し、さらにパリでは、オリンピック連覇を果たした上に世界新記録(6m25)を樹立した。

しかも、2度目のオリンピック金メダルを獲得してからわずか20日後、デュプランティスはポーランド・ホジュフで開催されたダイヤモンドリーグ第12戦シレジア大会で再び世界記録(彼にとって10回目)を更新し、6m26をクリアして史上最高の棒高跳選手としての地位を確立した。

今シーズンの最後を飾るファイナルでは、エンターテイナーであるデュプランティスが会場の観客を歓喜させるため、全力で6m27に挑戦することは想像に難くない。

男子棒高跳は、現地時間9月13日(金)19:45(日本時間翌朝2:45)から開始となる。そこでまた新たな歴史が築かれることを、多くのファンは目撃することになるかもしれない。

しかも、2度目のオリンピック金メダルを獲得してからわずか20日後、デュプランティスはポーランド・ホジュフで開催されたダイヤモンドリーグ第12戦シレジア大会で再び世界記録(彼にとって10回目)を更新し、6m26をクリアして史上最高の棒高跳選手としての地位を確立した。

今シーズンの最後を飾るファイナルでは、エンターテイナーであるデュプランティスが会場の観客を歓喜させるため、全力で6m27に挑戦することは想像に難くない。

男子棒高跳は、現地時間9月13日(金)19:45(日本時間翌朝2:45)から開始となる。そこでまた新たな歴史が築かれることを、多くのファンは目撃することになるかもしれない。

女子100m:ジュリアン・アルフレッドとシャカリ・リチャードソンのライバル再戦

ダイヤモンドリーグ・ファイナルのハイライトのひとつとして、パリ2024オリンピック女子100m金メダリストのジュリアン・アルフレッド(セントルシア)と、現世界チャンピオンのシャカリ・リチャードソン(アメリカ合衆国)とのライバル同士の戦いが挙げられる。

パリ大会女子100m決勝では、アルフレッドは10秒72で走り、10秒87のリチャードソンに競り勝った。アルフレッドのこの勝利は世界中のファンを驚かせた。彼女はまた、ガブリエル・トーマス(アメリカ合衆国)に次いで女子200mでも銀メダルを獲得し、母国セントルシアに初のオリンピックメダルをもたらした。

23歳のアルフレッドは、パリ大会直前の今年7月、ダイヤモンドリーグ第9戦モナコ大会で10秒85を記録し勝利を収めている。9月初旬の第14戦スイス・チューリッヒ大会ではリチャードソンと対戦し、この時はリチャードソンが10秒84でアルフレッドに勝利した。

ダイヤモンドリーグ・ファイナルでは、再び2人は相まみえることになる。ファイナルを制するのはどちらか?あるいは、2人を打ち負かす強力なスプリンターが他に現れるのか?現地時間9月13日(金)21:01(日本時間翌朝4:01)から始まる女子100mに注目だ。

女子200m&400m:シドニー・マクラフリン・レヴロン、金メダルを目指す

今大会の主催者は、シドニー・マクラフリン・レヴロン(アメリカ合衆国)のチャンピオンとしての資質と、これまでの驚異的な業績を称えるため、女子200mと400mで招待レースを計画し、彼女はそれらに出場する。

マクラフリン・レヴロンは、今シーズンのダイヤモンドリーグには参戦していなかったため、ファイナルへの出場資格を持っていなかった。したがって、公式のダイヤモンドリーグプログラムには出場できないが、世界中のファンは女子400mハードルの世界記録保持者であり、オリンピックチャンピオンである彼女が、女子400m の自己記録48秒74を更新して、2006年にサーニャ・リチャーズ=ロスが樹立した同種目の米国記録48秒70に挑戦する姿を目撃するかもしれない。

25歳のマクラフリン・レヴロンは、パリ2024の女子400mハードルで50秒37をマークして自身の世界記録を更新し2大会連続の金メダルを獲得した。また、女子4×400mリレーにも出場し2個目の金メダルに輝いた。マクラフリン・レヴロンは200mでもエリートスプリンターであり、22秒07の自己ベストを持つ。

マクラフリン・レヴロンは、現地時間9月13日(金)19:53(日本時間翌朝2:53)に女子400m 招待レースに、翌日(9月14日)同時刻には女子200m招待レースに出場する。

男子1500m:コール・ホッカーは再びヤコブ・インゲブリクトセンを打ち負かすことができるか?

コール・ホッカー(アメリカ合衆国)は、パリ2024男子1500mで、ヤコブ・インゲブリクトセン(ノルウェー)とジョシュ・カー(英国)という強力なライバルを抜き去り、3分27秒65のオリンピック新記録で金メダルを獲得した。

東京2020金メダリストで3分26秒73の自己ベストを持つインゲブリクトセンにとって、その瞬間は忘れられない悔しい結果となった。彼は、カー、ヤレード・ヌグース(アメリカ合衆国)に次いで4位に終わった。

ダイヤモンドリーグ・ファイナルでは、ホッカー、インゲブリクトセン、ヌグースが出場する(現世界チャンピオンでオリンピック銀メダリストのカーは出場しない)。果たして、ここで勝利する選手は誰だろうか?あるいは、ヒシャム・エルゲルージが26年前に樹立した世界記録3分26秒00を破る選手は現れるだろうか?

現地時間9月13日(金)21:29(日本時間翌朝4:29)に始まる男子1500mでは、ドラマチックなレースが繰り広げられることだろう。

男子200m:レツィレ・テボゴが男子200mでファイナル初制覇を狙う

パリ2024でのレツィレ・テボゴ(ボツワナ)は、男子200mを制し、4×400mリレーでは銀メダルを獲得した。テボゴの男子200mでのタイム19秒46は、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)、ヨハン・ブレーク(同)、ノア・ライルズ(アメリカ合衆国)、マイケル・ジョンソン(同)に次ぐ、歴代5位の記録となった。

21歳のテボゴは、パリ以来、100m、200mで一度もレースに負けておらず、ダイヤモンドリーグ第11戦スイス・ローザンヌ大会(8月21日)、第12戦ポーランド・シレジア大会(8月25日)、第14戦スイス・チューリッヒ大会(9月4日)の男子200m、第13戦イタリア・ローマ大会(8月30日)の男子100mで連勝している。

ファイナルでの初勝利を狙うテボゴは、パリで彼に次いで銀メダルを獲得したケニー・ベドナレクと対戦することになる。ベドナレクはチューリッヒ大会で19秒57をマークし、テボゴの19秒55と0.02秒の差だった。

また、男子100mでオリンピック2大会連続のメダルを獲得したフレッド・カーリー(アメリカ合衆国)や、200mで2度の世界選手権メダリストであるエリヨン・ナイトン(同)ら強豪選手もスタートリストに名を連ねている。

男子200mは、現地時間9月14日(土)21:07(日本時間翌朝4:07)から決戦の火ぶたが切られる。

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