女子400mハードルのシドニー・マクラフリン・レヴロン、自身の世界記録を破って金メダル獲得!/パリ2024陸上競技
シドニー・マクラフリン・レヴロン(アメリカ合衆国)にとって、この日に得たものがなんと素晴らしい誕生日プレゼントになったことだろうか。
8月7日に25歳の誕生日を迎えたばかりのマクラフリン・レヴロンは、翌日のパリ2024オリンピック女子400mハードルで金メダルを獲得し、世界新記録となる50秒37を樹立した。しかも、これは自身のもつ世界記録の5度目の更新だった。また、彼女はロサンゼルス1984でこの種目が初めてオリンピックに登場して以来、2大会連続で金メダルを獲得した初の女子選手となった。
「この機会を与えてくれた神様に感謝し、25歳の誕生日をこのように祝えることに感謝しています」と、マクラフリン・レヴロンは勝利後に話した。「想像を超えた本当に素晴らしい1日でした」と振り返った。
決勝では、マクラフリン・レヴロンはスタートから飛び出し、1つ外側のレーンを走る最大のライバルであるオランダのフェムケ・ボルに1台目のハードルからわずかな差をつけ、中盤は並ぶ展開になったものの、6台目以降から後半にかけては徐々に差を広げていった。最後のハードルを跳び越えた彼女は、2位以下に大きな差をつけながら、オリンピック連覇と世界記録更新という2つの目標を目指して走り抜けた。
そして、マクラフリン・レヴロンがフィニッシュラインを超える瞬間、スタッド・ド・フランスには大歓声が響き渡り、何万人もの観客が歴史的な瞬間を目の当たりにした。
「私たちのスポーツが成長し続け、人々に400mハードルを見たいと思ってもらえるのは素晴らしいことです」とマクラフリン・レヴロンは続けた。「今年は本当に多くの努力を積み重ねてきました。厳しいレースになることはわかっていましたが、全体的に素晴らしいレースとなりました」
マクラフリン・レヴロン、5度目の世界記録を更新
マクラフリン・レヴロンが走るたびに、いつも競技会場の空気は期待感で充満する。
今大会の決勝前の盛り上がりは最高潮に達していた。マクラフリン・レヴロンとライバルであるオランダのボルとの対決が大きな注目を浴びていたからだ。
マクラフリン・レヴロンは東京2020で獲得したタイトルを守ることができるか。再び世界記録の更新はなるか。それとも、絶好調のボルがパリで勝利し、世界を驚かせるかといった話題が飛び交った。決勝の夜、スタッド・ド・フランスの中はオレンジ色で埋め尽くされ、オランダの応援団が大勢詰めかけていた。
結果は、マクラフリン・レヴロンの圧倒的な勝利だった。彼女は、ライバルには目もくれず、目の前の目標に向けてただ走り抜けた。ボルは、中盤まで食らいつくが後半で失速し、アナ・コックレル(アメリカ合衆国)に最後はかわされた。コックレルは51秒87の自己ベストを出して銀メダルを獲得。ボルは52秒15秒でフィニッシュし3位となった。
マクラフリン・レヴロンはそれほど多くのレースには出ないが、出るときは必ず結果を出す。今大会は、今シーズンに同種目で出場した3回目のレースとなった。それでも彼女は走るたびに速くなっていくから驚きだ。
マクラフリン・レヴロンが1位でフィニッシュした後、彼女はトラックタイマーを見つめた。すると、「世界記録」と表示された。
マクラフリン・レヴロンは速いことで知られているが、感情を表に出さないことでも有名だ。しかしこの時、彼女は大きな微笑みを浮かべ、大歓声に応え、そしてボルと抱き合い互いを祝福し合った。どこからともなく現れた王冠が彼女の頭に置かれ、彼女が獲得した2つ目の金メダルにさらなる輝きを添えた。
パリ2024オリンピック陸上競技・女子400mハードル結果
- 🥇 シドニー・マクラフリン・レヴロン(アメリカ合衆国) 50秒37(世界新記録)
- 🥈 アナ・コックレル(アメリカ合衆国) 51秒87
- 🥉 フェムケ・ボル(オランダ) 52秒15