波乱のレギュラーシーズンを終え、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)がまもなくファイナルを迎える。
1年を通してチャンピオンシップ・ツアーポイントを積み重ね、女子トップ5と男子トップ5に上り詰めたサーファーらが、1日限りのフィナーレに向けて準備を進めている。
大会が実施されるのは9月8日〜16日の間で1日で、波の状態によって決定する。予報によれば、最初の数日間に実施されることが予想されている。
果たして新しいチャンピオンは誕生するのか、あるいはすでに頂点を経験したサーファーらがその輝かしいキャリアに新たな彩りを添えるのか。このイベントのフォーマットと見どころを紹介しよう。
サーフィンWSLファイナル2022:出場を決めた男女トップサーファー
チャンピオンシップ・ツアーポイントによって男女それぞれトップ5選手がファイナルに出場する。
女子WSLファイナル 5
- カリッサ・ムーア(アメリカ合衆国、ハワイ)
- ジョアン・ドフェ(フランス)
- タティアナ・ウェストンウェブ(ブラジル)
- ブリサ・エネシ(コスタリカ)
- ステファニー・ギルモア(オーストラリア)
男子WSLファイナル 5
サーフィンWSLファイナル2022のフォーマット
大会は1日ですべての戦いが行われ、優勝者が決まる。昨年初めて導入され、カリッサ・ムーアが自身5度目の優勝、ガブリエウ・メジーナが自身3度目の優勝を果たした。
ファイナルのフォーマットを詳しくみてみよう。
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ランキング1位の女子選手(カリッサ・ムーア)と男子選手(フィリペ・トレド)は「タイトルマッチ(王者決定戦)」のチケットを手にする。 タイトルマッチでは3ヒートが行われ優勝者が決定する。
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その他の4選手はタイトルマッチにたどり着くため、以下の勝ち抜き戦を行う。
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第1戦:ランキング5位のサーファー(ステファニー・ギルモア/五十嵐カノア)がランキング4位の選手(ブリサ・エネシ/イタロ・フェヘイラ)と対戦し、勝者が第2戦に進む。
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第2戦:第1戦の勝者とランキング3位の選手(タティアナ・ウェストンウェブ/イーサン・ユーイング)が対戦し、勝者が第3戦に進む。
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第3戦:第2戦の勝者とランキング2位の選手(ジョアン・ドフェ/ジャック・ロビンソン)が対戦し、勝者がタイトルマッチに進む。
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タイトルマッチ:第3戦の勝者がランキング1位の選手と対戦し、3ヒートを行って世界チャンピオンが決まる。
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男女交互に対戦が行われ、まず女子第1戦からスタートし、男子第2戦へと続く。
サーフィンWSLファイナル2022の見どころ
女子ファイナル
オリンピック金メダリストのカリッサ・ムーアは、輝かしいシーズンを送っている。2022年に行われたWSLの大会は10を数え、そのうち昨シーズンの覇者であるムーアは表彰台に6回に立ち、「タイトルマッチ」へのチケットを手にした。ムーアは過去に5度の優勝経験を持つことからも、6度目の栄冠を手にする可能性は高い。
ファイナルに出場する女子サーファーの中で、世界タイトルの味を知っているのはもうひとりステファニー・ギルモアだけ。優勝回数7を誇るオーストラリア出身のギルモアは、5位でファイナルへの出場権を獲得した。彼女にとって8度目となる世界タイトルを獲得することは簡単ではないが、彼女の経験を考えると当日何をやってのけるかはわからない。
レギュラーシーズンを終えて2位につけているのが、フランスのサーファー、ジョアン・ドフェ。パリ2024に向けたフランスの期待の星として多くの人から注目が集まる中、ドフェは初の世界タイトルに照準を合わせている。
タティアナ・ウェストンウェブとブリサ・エネシは、どちらも最高のシーズンを送っている。ブラジルのウェストンウェブは、昨年のタイトルマッチでムーアと対戦しており、初めてのタイトルを獲得するためには今年も同じ、いやそれ以上のことをする必要がある。
男子ファイナル
今年はフィリペ・トレドの年となるだろうか。ブラジル出身のトレドは、東京2020の出場権を逃した悔しさをバネに、2022年は目を見張る成績を収めた。過去に2勝を挙げ、あと一歩のところで王座に就けなかった経験を持つだけに、今年こそはと意気込んでいるに違いない。27歳の彼は、これまでに2位、3位、4位(2回)に入賞している。特筆すべき点として、今回のビーチは彼のホームウェーブともいえる存在で、彼のスタイルがこの場所に適していることも忘れてはならない。
そんな彼にとっても簡単に優勝できるわけではない。オーストラリア出身のジャック・ロビンソンとイーサン・ユーイングは、自分たちの存在をアピールするためにやってくるだろう。
一方、オリンピック王者のイタロ・フェヘイラは、異例の事態に陥っている。2017年以来初めて、今年はまだ1勝を挙げていないのだ。Globoの取材に対し、「まだ勝っていないものの、今シーズンは僕のベストシーズンだった」と語ったフェヘイラ。2019年の大会を制した実力の持ち主だけに、ファイナルでは特別なパフォーマンスを見せてくれることだろう。
五十嵐カノアは長い間、世界タイトルに飢えていた。昨年は8位に終わり、ファイナル進出はならなかったが、今回は最も近い位置にいる。タイトルマッチでトレドと対戦するためには、3つの戦いを勝ち抜かなければならずその道は容易ではない。しかし、東京オリンピックで銀メダルを獲得した経験を踏まえると、五十嵐がそのプレッシャーに耐えることができるのは明らかだ。