世界ブレイキン選手権2023 パリ2024出場をかけたダンスバトル、注目ポイント

パリ2024オリンピックで初めて実施されるダンススポーツ「ブレイキン」の世界選手権が、2022年の大韓民国・ソウル大会に続き、今年は9月23日、24日の2日間でベルギー・ルーヴェンで開催される。

昨年と今年の大きな違いは、パリ2024出場枠をかけた戦いとなること。各地で開催されている世界ダンススポーツ連盟主催のワールドシリーズや、昨年の世界選手権を通じて選手たちはパリ2024オリンピック出場を目指してランキングポイントを積み上げているが、この世界選手権では、Bガール、Bボーイそれぞれの優勝者がパリ2024出場枠を確保することになる（※）。ゆえに多くの選手が頂点を目指してパフォーマンスを仕上げ、ベルギーに向かうことになるだろう。

※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会（NOC）が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。

各競技の出場資格に関する公式資料はこちら

日本代表チームは、前回大会で優勝したBガールAmi（湯浅亜実）、3位となったBガールAyumi（福島あゆみ）、銀メダルを手にしたBボーイShigekix（半井重幸）に加え、BボーイIssin（菱川一心）がエントリーリストに名を連ねる。男女それぞれの見どころを探ってみよう。

ブレイキン世界選手権2023、注目ポイント

Bガール

女子種目Bガールでは、昨年の世界選手権でBガールAmiと中華人民共和国のBガール671が決勝ステージでダンスバトルを繰り広げた。行われた3ラウンドのうち、1ラウンド目では671の技術面が高く評価されたが、3ラウンド目でAmiのバラエティの豊富さなどが評価され、最終的にAmiが2019年大会以来、2度目の優勝を飾った。

ふたりはその後、世界ダンススポーツ連盟主催のブレイキン・フォー・ゴールド（BfG）北九州大会、BfGリオデジャネイロ大会の決勝で顔を合わせ、それぞれで勝利を分け合うなど、Bガールのソロバトルを盛り上げてきた。

今年も決勝ステージに立つのはこのふたりなのか？ その問いに答えるのは決して簡単ではない。

5月のBfGモンペリエ大会の準決勝でAmiを破り、決勝で671と対峙したのはリトアニアのBガールNicka。16歳のNickaはオリンピック出場枠がかかった6月のヨーロッパ競技大会で3位となり、出場枠獲得はお預けに。ゆえに、この大会では是が非でも勝利を掴みたいところだろう。Nickaは8月末のBfGポルト大会で優勝しており、その勢いでベルギーの舞台に立つ。

一方、有力選手が集まった7月のアジア選手権を制したのは、Amiでも671でもない。2021年の世界選手権で優勝し、2022年大会で3位となったAyumiがアジアの頂点に立った。ベテランダンサーAyumiの繰り出す独創的なパフォーマンスにも注目したい。

Bボーイ

男子種目Bボーイでは、昨年のソウル大会・決勝でShigekixとカナダのBボーイPhil Wizardが激突。3ラウンド中2ラウンド目こそShigekixが高評価を得たものの、1、3ラウンドを2021年世界選手権銀メダリストのPhil Wizardが圧倒し、ダンスバトルを制した。

ShigekixとPhil Wizardは今年4月のBfGリオデジャネイロ大会・準決勝、5月のBfGモンペリエ大会・決勝でも対戦しており、ともにPhil Wizardに軍配が上がっている。今回の世界選手権で対戦することになれば、興味深いバトルとなることは間違いない。

Shigekixは8月末のBfGポルト大会で表彰台の頂点に立ち、世界選手権に向けて弾みをつけた。

一方、ヨーロッパ競技大会の決勝でフランスのBボーイDanyと対戦し、僅差で準優勝となってパリ2024出場枠獲得がお預けとなったオランダのBボーイMennoも今回の世界選手権にエントリーしており、決勝トーナメントで会場を沸かす存在となることが予想される。

アジア選手権で優勝した大韓民国のWingや準優勝のX-Rain（中華人民共和国）、さらにブレイキン強豪国のアメリカ合衆国からは、BfGポルト大会で3位となった2021年世界王者のVictorらも出場し、個性と個性がぶつかり合う激しいダンスバトルが繰り広げられることになるだろう。

また、日本からはパリ2024に向かってスキルを磨き、成長を続ける18歳のIssinが2度目の世界選手権に挑む。昨年大会ではトップ32の戦いまで駒を進めたIssin。今年はどんな飛躍を見せるのか？

ブレイキン世界選手権2023の日程

ブレイキン世界選手権2023は9月23日、24日の日程でベルギー・ルーヴェンで実施される。スケジュール詳細は未発表。最新情報は公式ウェブサイトにて。

前回（2022年）の世界選手権、トップ8人

Bガール

1. Ami（日本）
2. 671（中華人民共和国）
3. Ayumi（日本）
4. Riko（日本）
5. Anti（イタリア）
6. Ayane（日本）
7. Sunny（アメリカ合衆国）
8. Senorita Carlota（フランス）

Bボーイ

1. Phil Wizard（カナダ）
2. Shigekix（日本）
3. Victor（アメリカ合衆国）
4. Kuzya（ウクライナ）
5. Lussy Sky（ウクライナ）
6. Gravity（アメリカ合衆国）
7. Jeffro（アメリカ合衆国）
8. Kill（大韓民国）