ブレイキンとは?
ニューヨークのストリートからスポーツの大舞台まで、ブレイキン(通称ブレイクダンス)は、1970年代にニューヨークのブロンクス区で生まれた都市型ダンススタイル。都会的なダンスと卓越した運動能力を融合させたダンススポーツの形態の一つである。ヒップホップ文化から生まれたもので、アクロバティックな動きが特徴だ。
ブレイキンは、いつ、どこで、誰が考案した?
ブレイキンを最初に提唱したのは、黒人やプエルトリコの若者たちで、彼らはストリートでダンスバトルを競うクルーたちを結成していた。ブレイキンのアスリートは“Bボーイ”、“Bガール”、または“ブレイカー”と呼ばれ、曲のインストゥルメンタルブレイクの間にダンスを披露することから、“b”はブレイクの略である。
ストリートで始まったブレイキンは、音楽、ダンス、アスレチックの要素が絡み合ったアートフォームとして発展し、世界的な支持を集めている。オリンピックでは、ブレイキンは1957年に設立された世界ダンススポーツ連盟(WDSF)の種目となっている。2013年には、Chinese Taipeiで第1回WDSFワールドダンススポーツゲームズが開催された。
ブレイキンの基本的な動きは?
ブレイキンバトルの基本であるトップロックは、ブレイカーがゴーダウン(床に落ちる動き)に移行する前段階でのムーブで、ステップを繰り出す。
これはトリックの名前ではなく、正確にはフットワークとは、ブレイカーの足でスタイリングする動き。いわば、ブレイキンのDNAだ。この動きを見れば、ブレイキンとわかる。
フリーズとは、ブレーカーが自分の体を数秒間その場で動きを止めるムーブで、通常は床から離れ、手だけで身体を支える。フリーズは体勢時に動きを止めること。身体は完全に静止しており、通常、フリーズは逆立ちをしたり、肘や頭で身体を支えるなど、逆さまの姿勢になる。
ブレイキンバトルで最もダイナミックなムーブとトリックの数々を指す。BボーイとBガールが全身をひねり、回転させ、すべてを支えにして、時にはフリーズと組み合わせたり、フリーズで終わらせたりするパワームーブがよく見られる。
ブレイキンとオリンピック
夏季ユースオリンピック ブエノスアイレス2018で、個人種目2種目と混合団体種目1種目の計3種目でオリンピックデビューを果たした。男子はロシアのBumblebee(セルゲイ・チェルニーシェフ)、女子は日本のRam(河合来夢)が優勝した。
ブエノスアイレス2018でブレイキンの人気を目の当たりにしたパリ2024組織委員会は、フランスの首都で正式にオリンピックデビューさせることを提案。IOCは2020年にパリ2024のプログラムに組み込むことを認めた。
パリ2024では、ブレイキンは男子と女子の2種目で構成され、16人のBボーイと16人のBガールが壮絶なソロバトルで対決する。
注目のBガールとBボーイ
史上初のブレイキン・オリンピックチャンピオンになるのは誰だ?
日本のBボーイであるShigekixは、2022年の世界チャンピオンであるBボーイ、Phil Wizard(カナダ)とともに、どの男子トーナメントでも常に優勝候補の一人だ。フランスのDanny、カザフスタンのAmirもブレイキンシーンのビッグネーム。
女子では、2022年の世界選手権で優勝したAmiと、彼女のチームメイトでブレイキング界のレジェンドである39歳のAyumiが優勝候補に挙げられている。2022年の欧州王者India(オランダ)、中国の671、MadMax(ベルギー)などもブレイキンシーンにおけるスター選手だ。