バレーボール・ブラジル男子代表、注目選手は?

男子バレー界で長年にわたり世界ランキング1位に君臨し、絶対王者的存在として知られてきたブラジル代表。世界最高セッターと称されるキャプテンや、「ナルト」の術で話題を集める注目選手らを紹介しよう!

1 執筆者 Chiaki Nishimura
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(2021 Getty Images)

8月26日〜9月11日の日程で行われる2022年のバレーボール男子世界選手権で、男子日本代表・龍神NIPPONはブラジル、キューバ、カタールと同じプールBで予選ラウンドを戦う。

この中でも最も手強い相手となるのがブラジルだ。彼らはオリンピックにおいて、アテネ2004からリオ2016までの4大会連続で決勝進出を果たし、世界選手権でも過去5大会で決勝に進出しており、2002年、2006年、2010年は優勝、2014年と2018年は決勝でポーランドと対戦し、準優勝という成績をおさめている。

しかし、この1年のパフォーマンスは安定していない。2021年のネーションリーグで優勝して以降、東京2020オリンピックでは準決勝で敗退し、3位決定戦でもアルゼンチンに敗れ、メダルなしで大会を後にした。

一方、今年6月から7月にかけて行われたネーションズリーグでは2連覇を掲げて臨んだものの、準々決勝でアメリカ合衆国に敗れてベスト8で姿を消した。強豪ブラジルはこれらの雪辱を晴らすべく、世界選手権に乗り込んでくることだろう。

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ブラジル主将、世界最高セッターのブルーノ・レゼンデ

チームを率いるのが、世界最高セッターとして称される36歳の**ブルーノ・レゼンデ**だ。ベルナルド・レゼンデ元ブラジル代表監督と元ブラジル女子代表のヴェラ・モッサさんの元に生まれた彼は、ベテラン選手らが引退したロンドン2012オリンピック以降、チームの中で重要な役割を果たすようになり、リオ2016で3大会ぶりの金メダルに貢献。世界に誇るセッターとしてその存在感を示しており、先日のネーションズリーグでもベストセッターに輝いた。

日本代表を率いる**石川祐希**(26)が大学生の頃に初めてプレーした海外のチームがイタリアの強豪モデナで、当時キャプテンを務めていたのがブルニーニョの愛称で知られるレゼンデ。彼のリーダーシップから影響を受けたことを、石川はNumberに語っている。

世界選手権に向け、ブルニーニョはOlympics.comのインタビューに応え、「いくつかの素晴らしいチームと対戦することになるので、難しいことはわかっている。でも私たちは(優勝する)イメージがわいている」と、力強く語った。

ウォレス・デ・ソウザがブラジル代表復帰

ブルニーニョのほか、ミドルブロッカーの**ルーカス・サートカンプやアウトサイドヒッターのリカルド・ルカレリ・ソウザホアンドリ・レアル**などのベテラン陣が代表メンバーに名を連ねている。

彼らに加え、オポジットの**ウォレス・デ・ソウザが代表に復帰。35歳のウォレスは、東京2020の後に引退を宣言していたが、2019年のワールドカップでMVP(最優秀選手賞)を獲得したアラン・ソウザ**が膝の怪我のために離脱を余儀なくされたことから、レナン・ダル・ゾット監督はチーム補強のためにウォレスを招集した。

ゾット監督は、経験豊富なウォレスが若手選手の指南役になることを期待し、「彼が戻ってきたことで練習中のチームの雰囲気や自信がすでに改善した」とVolleyball Worldに語ると、「彼がヒーローとして活躍することを期待しているわけではないが、彼がいることでチームは圧倒的に強くなり、彼自身もチームに大きく貢献してくれるだろう」と自信をのぞかせた。

ナルトの印を結ぶ、ダルラン・ソウザ

ベテランのウォレスから多くを学び、さらなる成長を遂げることが期待されている若手選手のひとりがオポジットのダルラン・ソウザだ。Volleyball Worldは世界バレーに先駆けて期待の若手5選手を紹介し、そのひとりとして今年からブラジル代表に加わったダルランが選ばれた。ネーションズリーグ中に負傷した兄アランに代わってダルランは7試合に出場。そのうち5試合で2桁台の得点を挙げたことが高く評価されている。

さらに、彼がサーブ前にアニメ「ナルト」の術でゲン担ぎを行うことをVolleyball Worldのソーシャルメディアでも取り上げ、「今まで見てきた中でもっともユニークなサーブ前のルーティーンのひとつ」と綴っている(投稿された映像の中で、ダルランの腕に書かれた「思い出なんかいらん」は「ハイキュー!!」から!?)。ダルランのナルト効果にも注目したい。

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世界バレー2022、ブラジル代表メンバー14選手

セッター

  • 1 ブルーノ・レゼンデ(Bruno Rezende/ブルニーニョ)
  • 14 フェルナンド・クレリング(Fernando Kreling/カチョパ)

アウトサイドヒッター

  • 6 アドリアーノ・カヴァルカンテ(Adriano Cavalcante/アドリアーノ)
  • 9 ホアンドリ・レアル(Yoandy Leal/レアル)
  • 11 ロドリゴ・レオン(Rodrigo Leao/ロドリギーニョ)
  • 18 リカルド・ルカレリ・ソウザ(Ricardo Lucarelli Souza/ルカレリ)

オポジット

  • 8 ウォレス・デ・ソウザ(Wallace de Souza/ウォレス)
  • 21 フェリペ・ロケ(Felipe Roque/フェリペ・ロケ)
  • 28 ダルラン・ソウザ(Darlan Souza/ダルラン)

ミドルブロッカー

  • 16 ルーカス・サートカンプ(Lucas Saatkamp/ルカオ)
  • 19 レアンドロ・サントス(Leandro Santos/レアンドロ・アラカジュ)
  • 23 フラビオ・グアルベルト(Flavio Gualberto/フラビオ)

リベロ

  • 15 マイキー・ナシメント(Maique Nascimento/マイキー)
  • 17 タレス・オス(Thales Hoss/タレス)

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世界バレー、プールBの日程

プールBの試合はスロベニアの首都リュブリャナで実施される。以下すべて現地時間(日本は7時間進んでいる)。

  • 8月26日(金)11:00 ブラジル v キューバ
  • 8月26日(金)14:00 日本 v カタール
  • 8月28日(日)11:00 キューバ v カタール
  • 8月28日(日)14:00 ブラジル v 日本
  • 8月30日(火)11:00 ブラジル v カタール
  • 8月30日(火)14:00 日本 v キューバ
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