2023年2月にアラブ首長国連邦のシャルジャで行われたスケートボード・パーク世界選手権に続き、2戦目のパリ2024オリンピック予選となる大会「WST(ワールド・スケートボード・ツアー)サンフアン・パーク2023」が、アルゼンチン北西部に位置するサンフアンで行われる。
パリオリンピック・スケートボード競技の出場権は、予選大会の結果をもとにしたランキングに応じて割り当てられることから、選手たちは現在、予選大会を通じてランキングポイントを獲得中。
パーク種目の最初のオリンピック予選大会となった2月の世界選手権で、日本勢は東京2020オリンピック銀メダリストの開心那(ひらき・ここな)が2位、同金メダリストの四十住(よそずみ)さくらが3位の成績をおさめ、パリオリンピックに向けて好調な滑り出しを切った。その勢いをこの大会に持ち込むことができるのか? 一方、準々決勝で散った日本男子トップの永原悠路(ゆうろ)は今回の大会で準決勝に駒を進めることができるのか?
注目のこの大会は、5月21日に公式練習が始まり、24日のオープン予選で戦いが幕を開ける。24日、25日の2日間でオープン予選が行われた後、上位選手とシード選手の合計32選手が、26日、27日の準々決勝で技を競い合う。上位16選手が準決勝に進出し、ここでスケーターが半数にしぼられ、残った8選手が28日の決勝に駒を進める。
日本からは男子選手5人、女子選手8人の合計13選手がアルゼンチンに向かった。
スケートボード・パークの注目選手は?
パーク女子
スケートボード・パークの最新オリンピック・ランキングの上位5選手にはシード権が与えられ、準々決勝から登場する。その5人は、パーク世界選手権で優勝したスカイ・ブラウン(英国)、2位の開心那、3位の四十住さくら、4位の草木ひなの、そして5位のブライス・ウェットスタイン(アメリカ合衆国)。
ブラウンは昨年夏にカリフォルニアで行われたエックスゲームズ、アイオワ州デモインでのデューツアーで優勝し、今年2月の世界選手権も制するなど主要大会で表彰台の頂点に立ち続けている。
さらに、東京オリンピックでブラウンとともに表彰台に立った開、四十住は、同エックスゲームズ、デューツアー、世界選手権でメダルを獲得しており、この3人は現在、女子パークのトップ3として君臨する。今回の大会でも、この3人が表彰台を占めるのか、あるいはその壁を崩すスケーターが現れるのかが注目される。
その壁を崩す有力候補に挙げられるのが草木ひなのだ。全日本選手権2連覇中の草木は、世界選手権の準々決勝を首位で通過し、準決勝も2位通過。決勝では3位の四十住とわずか0.65点差の4位となるなど、大きなインパクトを残した。大会終了後には、アルゼンチンではトップ3に挑んでいきたいと語り、闘志も見せた。
そのほか、エックスゲームズ千葉2023で開に続いて2位となったルビー・リリー(アメリカ合衆国)や、同4位のアリサ・トルー(オーストラリア)、同5位のウェットスタイン、世界選手権ファイナリストのグレース・マーホファー(アメリカ合衆国)、ミナ・ステス(アメリカ合衆国)、ローラ・タンブリング(英国)にも注目したい。
パーク男子
パーク男子では、東京2020のストリートで銅メダルを手にしたジャガー・イートン(アメリカ合衆国)、オウグスト・アキオ(ブラジル)、オリンピック銀メダルのペドロ・バロス(ブラジル)、キエラン・ウーリー(オーストラリア)、トム・シャー(アメリカ合衆国)がシード選手。2月の世界選手権で、イートンはストリートとパークの両種目で会場を沸かせ、パークでは表彰台の頂点に立った。
世界トップ選手の仲間入りを果たすべく、日本からアルゼンチンに降り立つのが、日本男子パークでトップの永原悠路。同大会・準々決勝で23位となった永原は、トップ16人で行われる準決勝に進むことができなかったが、準々決勝では難易度の高い技に挑戦し、存在感を発揮した。
そのほか、東京オリンピック金メダルのキーガン・パーマーや、銅メダルのコーリー・ジュノー、エックスゲームズ千葉2023で3位となったギャビン・ボットガー(アメリカ合衆国)、世界選手権ファイナリストのキエラン・ウーリー(オーストラリア)、テイト・カリュー(アメリカ合衆国)、リアム・ペース(アメリカ合衆国)らもトップ争いを繰り広げることになるだろう。
スケートボードWSTサンフアン・パーク2023に出場予定の日本選手
パーク男子の日本代表選手
- 永原悠路(ゆうろ/17)
- 笹岡建介(24)
- 栗林錬平(17)
- 猪又湊哉(そうや/13)
- 三竹陽大(みたけ・ひなた/10)
パーク女子の日本代表選手
- 開心那(ひらき・ここな/14)
- 四十住さくら(よそずみ/21)
- 草木ひなの(15)
- 中村貴咲(きさ/23)
- 手塚まみ(21)
- 小川希花(きはな/22)
- 菅原芽依(めい/15)
- 菅原琉衣(るい/13)
スケートボードWSTサンフアン・パーク2023の日程
5月21日(日)
- 9:00〜20:35(日本時間 21:00〜翌8:35)男子・女子公式練習
5月22日(月)
- 9:00〜20:35(日本時間 21:00〜翌8:35)男子・女子公式練習
5月23日(火)
- 9:00〜20:35(日本時間 21:00〜翌8:35)男子・女子公式練習
- 20:40〜22:15(日本時間 翌8:40〜10:15)シード選手公式練習
5月24日(水)
- 9:00〜15:10(日本時間 21:00〜翌3:10)女子オープン予選(45秒のランをそれぞれ2回ずつ行い、高得点が採用される)
- 16:00〜17:35(日本時間 翌4:00〜5:35)シード選手公式練習
5月25日(木)
- 9:00〜20:10(日本時間 21:00〜翌8:10)男子オープン予選(45秒のランをそれぞれ2本ずつ行い、高得点が採用される)
- 20:15〜21:50(日本時間 翌8:15〜8:50)シード選手公式練習
5月26日(金)
女子準々決勝(45秒のランをそれぞれ3本ずつ行う。転倒した時点でそのランは終了。3本のうち高得点が1つが採用される)
- 9:00〜9:30(日本時間 21:00〜21:30) 第1ヒート
- 10:20〜10:50(日本時間 22:20〜22:50)第2ヒート
- 12:10〜12:55(日本時間 24:10〜24:55)第3ヒート
- 13:30〜14:15(日本時間 翌1:30〜2:15)第4ヒート
5月27日(土)
男子準々決勝(45秒のランをそれぞれ3本ずつ行う。転倒した時点でそのランは終了。3本のうち高得点が1つが採用される)
- 9:00〜9:30(日本時間 21:00〜21:30)第1ヒート
- 10:20〜10:50(日本時間 22:20〜22:50)第2ヒート
- 12:10〜12:55(日本時間 24:10〜24:55)第3ヒート
- 13:30〜14:15(日本時間 翌1:30〜2:15)第4ヒート
女子準決勝(45秒のランをそれぞれ3本ずつ行う。転倒した時点でそのランは終了。3本のうち高得点が1つが採用される)Olympics.comでライブ配信予定
- 16:05〜16:50(日本時間 翌4:05〜4:50)第1ヒート
- 17:10〜17:55(日本時間 翌4:05〜4:50)第2ヒート
男子準決勝(45秒のランをそれぞれ3本ずつ行う。転倒した時点でそのランは終了。3本のうち高得点が1つが採用される)Olympics.comでライブ配信予定
- 19:35〜20:20(日本時間 翌7:35〜8:20)第1ヒート
- 20:40〜21:25(日本時間 翌8:40〜9:25)第2ヒート
5月28日(日)
女子決勝(45秒のランをそれぞれ3本ずつ行う。転倒した時点でそのランは終了。3本のうち高得点が1つが採用される)Olympics.comでライブ配信予定
- 17:15〜18:00(日本時間 翌5:15〜6:00)
男子決勝 (45秒のランをそれぞれ3本ずつ行う。転倒した時点でそのランは終了。3本のうち高得点が1つが採用される)Olympics.comでライブ配信予定
- 18:20〜19:05(日本時間 翌6:20〜7:05)
WSTサンフアン・パーク2023、ライブ配信
準決勝、決勝の模様がOlympics.comおよびOlympics.comのスケートボードYouTubeチャンネルでライブ配信される。